#262 アンラーニングは、修正主義へのパラダイムシフト 24/10/30
こんにちは。
今日は、思考や行動の規範を「訂正・修正」主義的にしていくことを提案します。前回に続き、これまでのパラダイム、規範的前提を洗い替える、変化を考えます。
昨今よく言われるVUCAの時代≒変化の大きい時代、と言われます。だから、変化に柔軟であり、受け身の取り方を変えつつ対応していくことが必要、との文脈で語られます。一方、「変化の多い時代」との言説は、どの時代を切っても常に存在していた通説、と考えるのが自然ではないか、とわたしは考えます。ある種、予定調和であり、落語のオチであり、常套句、と考えます。
この変化のボラティリティが高い時代を前提にするときに、問い直したい仕事の仕方、思考・行動の様式があります。それは、完璧な計画・設計図を作り、それに基づき決めたことを最後までやりきる「完璧志向」、正解があると考える「正解志向」、過去との整合性や1度決めたことを変えない「一貫主義」です。これらは、1つの方法論と精度の高い正解がある確実性の高い世界ではとても効率的で有効でした。
しかしながら、日本人の価値観の変わりようや、グローバルに起きている分断思考・行動、最善や最適な解が多様だったり、その解が文脈によって変わる世界だと対応しきれません。
そこで、設計図に忠実に実行する完ぺき主義から、いまここにある素材・現実を中心に組み上げていく「編集的な」志向がその1つ目です。
次に、精度の高い、確からしい正解のある正解志向から、納得解、もっといえば納得解を自分たちにとって意味のある解に修正を重ねる「金継ぎ的な」考え方、が2つ目です。
最後に3つ目は、過去の歴史・実績や、一度作った計画・設計図の意味を捉えなおし、過去の文脈を積極的に訂正を加えていく「訂正・修正を前提にした」行動様式です。
これが、「編集・訂正・修正」を前提的な規範に置く、あたらしいマネジメントのスタンスではないか、と考えます。ある種、現在の意味・解釈について、批判的な目を持つことです。現在や過去の規範、価値観、思考・行動様式、成功体験を書き換えていくことです。OSを入れ替えて、アップデートしていく志向を中心に置いています。
そのためには、現在を捉えなおすための問い直しのプロセスが必要です。自分たちの成功体験やそれをもとに規範となっている前提は何か、それを認識することからです。現在を認識するための問いかけと、それを通じた言語化が最初の一歩です。そのためには、内省・リフレクションを行なうことです。そして、そのリフレクションは、自分自身で行なうこと、他者を通じて外化を引き出してもらうこと、も必要です。そこで、表出された自分の内省を、各人が持ち寄り、テーブルに広げ、新たな再解釈を作っていくことです。
このようなプロセスを経て、組織として学習をしていくのだと考えます。すると、今までの「完璧・正解・一貫」よりも、「編集・訂正・修正」的な行動様式に変化適応していくことがより重要なのではないか、と考えます。
要するにアンラーニングです。
さて、みなさんは、これまでのやり方と、これからのやり方をどのように書き換えますか。
それでは、また。