#124 問題解決は手札を切る順番がキモ【2/2】24/3/29
みなさん、こんにちは。
今日は、わたしの失敗談から問題解決を図る、を考えます。
遡ること1年前、と少し前の話です。
ちょうど昨年2月から3月初めにかけての頃、次の期(当時は23年度)に事業責任者が人事に要望する事項の意見合わせ、意見交換を行ないます。そして、事業部門レイヤーの人事課題を設定し、それがおよそ人事部門の目標に位置づけされます。
さて、わたしの所属企業では、年1回のエンゲージメントサーベイに加え、事業部門内でも毎月パルス型のエンゲージメントサーベイを行なっています。
この毎月のエンゲージメントサーベイを、22年度(23年3月末)で積極的にやめる選択を提案しました。それは当初の目的課題であった退職抑制として合格点に達したと考えたからです。結果的に不採択で、やめる選択にはならなかったのです。
その提案を議論していく際の反省と学びを書いてみます。
結論を先に申し上げます。
どの手札、カードを切るか、よりも、手札を切る順番がより重要だ、が学びです。
「サーベイをやめる」手札を昨年のタイミングで選択したのは、長期的な時間軸で人事ごとの優先テーマがあると考えたからです。
もちろん、退職リテンションの活動がラインの課長まで全体的に行き届いてきたことがその起点です。ですが、それ以上に、ロングタームで人事課題を考えたときに、重要度高の課題にスイッチするよい頃合いと考えたからです。
このレイヤーでの、問題解決のための手札を切る順番は悪くないと思います。
サーベイをやめる、をディスカッションしていく過程の、その順番に学びがあります。
意思決定するボードメンバーは、サーベイの取り組みを始めたときのメンバーと半数以上が入れ替わっています。ですから、事の始まり、歴史から絵解きをします。
さかのぼること8年ほど前、当社当事業は業界並みの退職率の高さでした。とくに新卒入社組の若手層や、中核メンバーとして現場責任者にあたる人たちが、その中の半数以上を占める点が、より危機的な状況でした。
数年後の近い将来に中核メンバーとして事業や現場を背負ってくれる人材群、および現在の事業や現場の屋台骨として活躍してくれている人材群、その両方がすっぽ抜けてしまう状態でした。
話が脇道に逸れました。
始まりは、退職のにおいを検知するために、従業員から人事部門に直接言えるパスをつくることでした。レポートラインからも、対面コミュニケーションをしかけながら、そこでは拾いきれない従業員の声を第三者機関が保管する意味合いがまず第一歩です。
そして、検知した声に対して、ライン上長と人事部門の双方で対策を練り、点で当たるのではなく面でカバーリングしていくようなアクションに落としていきます。
これ例外にも対策はメッシーにしていったのですが、今回の記事はそれが趣旨ではありませんので割愛します。
こうして数年かけて退職リテンションアクションが定着してきたことが離職率の改善につながり、数字にも結果として跳ね返ってきました。
これが第1フェーズです。
次に第2フェーズで、組織開発の1つに生かす試みを実行しました。
いくつかの現場をサンプルにし、この毎月のサーベイ結果をもとに、まずは現場の責任者と課長がその通信簿をどう咀嚼し解釈するか、を実践します。解釈には、何がメンバーのニーズで、個人として、あるいはチームの状態についてどんな課題を感じているのか、をサーベイ結果から考察し、アクションに移してもらうような活動です。
そして、この次には、チームメンバーとも一緒にそのサーベイ結果を見て、全員で職場の業務課題、職場の環境や関係性の課題に対して自分たちでアクションを決めていくことを考えました。
提案して1回、2回とテストはしましたが、この組織開発プロセスを現場に実装する段階には至りませんでした。
その意味では、この組織開発プロセスの手札を切る順番を誤ったと捉えています。もう少し後の打ち手だったと振り返っています。ちょっと機が熟す前に、その下地をつくる前に、新しい提案の手札を持ち込んでしまった心配です。
第2フェーズで検証した実証実験のサンプル現場数もごく限られていました。ですから、論理的にもっともらしい正解的な論拠を提示できるように、次は点展開を少し範囲を広げて面展開する手札を出すことが順番として正しかったように思います。
少しわかりづらかったかもしれません。
このような具合に、問題解決(この場合、組織開発を使ったチームメンバー同士、上長との関係構築)を進めるには、出す手札自体ももちろん大事ですが、手札を出す順番がそのポイントと考えます。
みなさんは、だれの・どんな問題を解決したいでしょうか。どんな問題解決の持論をお持ちですか。
それでは、また。