#260 中途入社者に必要なのは知識ではなく前職経験をアンラーニングすること24/10/25
こんにちは。
今日は、前回に続き、アンラーニングを考えます。
(実例を基に編集しています)
3ヵ月ほど前に、わたしが所属する採用部門に、中途入社で仲間に加わってくれた方がいます。その方を同僚として見ていて感じたことを客観的な立ち位置から考察してみます。
仮にAさんとすると、Aさんは、前職までも採用領域での経験が豊富な方です。人材エージェントとしてのキャリアが数社と、とりわけ長かったようです。一方、自社の採用部門は当社にきて初めての経験になります。エージェント企業での経験は、小規模な業界・ドメインに特化した会社での経験が多かったようです。
さて、何に苦戦しているか、Aさんにも聞いてみたことも踏まえて分解してみます。
1つは、自社の採用職種に関する理解がまだ初期段階の過程にあることです。特定分野のコンサルタント採用を中心に担当をされています。コンサルタント一般であれば、ある程度の理解とそれに伴う自分なりのアウトプットが可能です。が特定の分野であるがゆえに、その分野の知識や必要とされる経験の程度理解が、業界の専門用語を理解することと相まって、まだ初期フェーズの理解過程であるようです。
一定のところまではインプットして、それを採用活動で自分で話してみるなどアウトプットしていくほかありません。それはおろそかにしなければ、遅かれ早かれ必要最小限に十分な理解には至ると想像しています。一方、定義されている言葉の理解に留まる危険性も、それなりに潜んでいるように思います。
なぜなら、成果物で定義る、成果で理解する、との方向にインプットの方法が向かっていないように感じるからです。○○できる、××をするなどタスクや、求人票に書かれる主たる仕事内容の箇条書きのような情報粒度で理解しようとしている傾向がみられるからです。それもある程度は有効ですが、そのコンサルタントに求められる成果物、成果を、その習熟度に応じて段階的に捉えることが、その職種、採用ポジション理解には必要だと考えるからです。
2つめは、1つめに重なる部分も大きいのですが、ビッグワードで捉えてしまう点にあります。言い換えると、解像度が粗い、です。よくあるのが、マネジメント経験が豊富、コミュニケーション力が高い、ソリューション提案力がある、入口から出口まで一気通貫に経験している、などがあります。これでは、どんな職種や専門性の特徴であっても、似たような解像度になってしまいますし、その程度感を理解するには至りません。
入社した後の少し先を見とおせば、そもそもビッグワードだと、その応募者個人が獲得してきた自分なりのノウハウやナレッジを捉えることができません。そうなると、入社してした後に、どのような配属やポジションを提供すると、その人の持ち味がより生きるのか、よりパフォーマンスが出しやすいのか、検討する材料に至りません。
このあたりの要素が、Aさんが苦戦している点であり、逆を言えばAさんの発達課題である、と言えます。そして、この発達課題は、これまでAさんが経てきたキャリアの仕事経験で学んできた仕事の仕方と180度異なる部分がいくつかあるようです。ですから、転職したことを機に、これまで学んできた成功体験や考え方の前提を脇において、新たな捉え方をするリフレームが必要に感じます。
このように、転職や異動などで、大きくこれまでの環境が変わった際に、いかに今までの考え方、枠組みをアンラーンして、新しいラーニングができるか、その柔軟性や謙虚さが求められます。
さて、みなさんは、定期的に、上手にアンラーニングをされていらっしゃいますか。
それでは、また。