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#37 人生100年のキャリア戦略は経験学習が最強の武器である【2/3】24/1/2

みなさん、こんにちは。
今日は、前回に続き、キャリア戦略、その中の経験学習を考えます。

経験学習サイクル、人材開発に携わる人なら一度は聞いたことがあると思います。

その経験学習が、キャリア戦略にとって最強の武器になる、と考えています。その理由などを考えてみます。
個人の成長、人事部の人材育成、いずれの立場においても、です。


早速、なぜそう考えるのか、先に結論です。

理論的には、実経験が7割、上司等の指導・薫陶が2割、研修・トレーニングが1割、が一般に知られるところです。人事コンサルのロミンガー社が提唱したことから、ロミンガーの法則(70:20:10の法則)と呼ばれるそうです。

これは、感覚的にも同意できます。経験=練習・実践が成長に大きな影響力を持つです。次に、経験則的には、実際の身体的体験と、それにどんな意味づけをするか、と考えています。この学びを消化し、昇華するサイクルがタイムリーに回せると、人の成長は加速する、と体感しています。

では、1つめの身体的体験です。

これは日常の仕事におけるできごと、またはプロジェクトなど一定単位の仕事、大小いずれも含みます。

2つめの意味づけです。
まず内省する、次に他者にフィードバックをもらう、そしてその内容を俯瞰する。

3つめ最後に、その経験が自分にとってどんな意味であるかを咀嚼し、言語に落としてメタ認知する。

それでは、身体的体験と意味づけをどのように抽出するか。わたしが1on1や従業員など個人面談の際に行う、問いの例をあげてみます。カジュアルに表現します。

まず、身体的体験を話してもらう、問いかけです。
・なに話す?
・なにがあった?
・それ、どう思った?
・どう感じたの?

次に、意味づけを話してもらう、問いです。
・なにが、どう良かった?
・なにが、どう悪かった?
・なにが、どのくらい不足感あった?
・いい経験したね?(成功・失敗に関わらず)
・なにが、分かった?
・どんな学びがあった?
・どんな教訓を得られた?
・どんな意味があった?

極めて簡単な質問です。
これらの質問例のいくつかを、相手の内省度合いや、その日のコンディションによって使い分けます。

ですから、難しいカウンセリング技術は要りません。

そして、最後に、フィードバッカーとしての立場からも伝えます。
「(あなたの)キャリア経験上、こんなCANが増えましたね。こんな意味もあるかもしれないですね」

このような学びの抽象化システムを、できるだけ小さく、速く、高頻度に、タイムリーに回すことが、人の成長は加速します。
このシステムが回せないと、せっかくの経験は血肉になり得ません。

法人営業3年は、文字どおり、3年の営業経験で実績はこうです、の経験値にしかならず経験知になりません。
部長を5年務めました、部長ができます。
笑い話のようなホントの話が面接で出てきます。

人事部門やミドルマネジメントの方は、この学びの抽象化サイクルを、従業員やメンバー自身がセルフドライブして回せるように支援します。

大事なので、繰り返します。

学びの抽象化システムを、
小さく、速く、高頻度に、タイムリーに、
回すことが、人の成長を加速します。
経験学習サイクルが、最強の武器だと考える理由です。

みなさんは、どんな学びの抽象化をされていますか。
それでは、また。

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