「正直気まずい…」?自分にやさしい、退職日までの過ごし方。【“深く考える人”が幸せになれる 仕事の辞め方ガイド 3-5】
このマガジンでは、繊細な人や深く考える性質の人が「仕事を辞めたい」と思った時に現れる様々な葛藤について、
「誰よりも仕事を辞めたい人に寄り添う」を目指して、経験者の立場から記事を書いています。
前回は、仕事を辞める手続きとその時に自分を守る考え方についてお話ししました。
そして今回は、「退職の手続きが済んでから実際に退職する日までの残りの期間」を、なるべく楽でいられる過ごし方について、お話ししたいと思います。
退職が決まって精神的にはもう楽なはずなこの期間。
でも正直な話をすると…ちょっと気まずい感じがしませんか?
なぜ、そう感じるのでしょう。
そう感じることは、悪いことなのでしょうか。
どうしたら私たちは、心地よい気持ちで退職の日を迎えられるのでしょう。
そんなことを、私自身の経験も振り返りながら、書いていきたいと思います。
残りの期間の過ごし方
上司と「退職する」という話がついて、退職届も出し終わった後。
まだ実際に退職する日まで、日数があると思います。
もう辞める事は決まっているのでほっとしている反面、
なかなかに辛い時期でもあるんじゃないかと思います。
他の人たちへの公表は待って欲しい、と言われることもあるでしょうし、
そうなるとしばらくは、まるで隠し事をしているようにも感じ、辛いですよね。
もちろん公表してみんなに知れ渡ってからも業務はしばらく続くわけで、
「なんかもやもやと気まずい」みたいな気持ちになるんじゃないでしょうか。
なぜ、気まずくなるのか
この「気まずい」思いを分解してみようと思うのですが、
まず、おそらく今まで自分自身が「仕事第一」という張り詰めた態度を欠かさないようにしてきたり、
もちろん態度だけでなく仕事も真面目にやってきたからこそ、
それが崩れてしまう(だらけるわけではないのですが、周囲からの見られ方が変わってしまう)のが、感覚として「気持ち悪い」のかなと思います。
「そんなの自業自得じゃないか」と自分をすぐ責めてしまいそうになりますが、その必要はありません。
「気持ち悪い」の根本の原因は自分ではなく、職場側にあります。
自分はもう大事な、正しい決断をしたのです。
それが今いる環境と合っていないだけです。
それなのに、取り決め上しばらく居なくてはいけないのが現状。
それはとても自分に負荷のかかっている状態です。
なので、あまり無理をしないでください。
以下に、退職日までの期間に心得ておくと楽になれそうなことを挙げておきます。
何もしない。いつも通り。
退職を伝えた後だと、色んな意味で自分の気持ちが変わると思います。
特にこれを読んでいる”深く考える”性質の人は、一気に世界の見え方が変わったような気持ちになる人もいるのではないでしょうか。
「気持ちが軽くなった」という良い変化もあれば、
「辞めるものとして責任を取らねば」という気負うような気持ちも、
両方あるのではないかと思います。
これはある意味ダブルパンチです。
「自分はこれから楽になるのだから、みんなのために私が頑張らなくては」
となりやすくなります。
ついつい、無理して引き継ぎのために残業しまくったり、ラストスパートで成果をあげようとしたりしてしまうかもしれません。
でも、こんなに精神的にも体力的にも負荷がかかっている時期に、わざわざそれをする必要はありません。
最後までいつも通りで、大丈夫なのです。
罪悪感を感謝の気持ちに変換する
自分のいられる期間が有限だと決まっていると、業務上何かと周囲の人にお願いする立場になってしまいます。
誰かに何かを依頼する度に「申し訳ない」と罪悪感にかられるのではないでしょうか。
正直ここで「罪悪感を感じなくてもいい」と言っても、感じてしまうのは仕方がないことだと思います。
でも罪悪感だけ滲み出ていると周りにとってもなんとなく気まずいですし、
何よりも自分が息苦しいと思います。
そこで提案なのですが、罪悪感を感じたらそれを感謝の気持ちに変換するのはどうでしょうか。
自分が辞めるにあたってお願いすることを引き受けてくれた人に、「ありがとう」と思うのです。
もちろん直接言っても構いません。
ここで大事なのは、「感謝をしなくてはいけない」と気負うのではなく、
あくまで罪悪感が出てきたら、それを感謝の気持ちへ変換する、というイメージでいることです。
仕方がないことだと割り切る
退職を公表してから、やたらと周囲の目が気になることもあると思います。
周囲が少し怒っているように感じたり、諦められているように感じ取れたり。
しかしまずは、自分がそう感じてしまいやすい性質であることを思い出しましょう。
責任感が強いが故に、「自分のせいだ」と思ってしまいやすいのですよね。
でも相手がそういった態度を取るのは、もしかしたら単純に自分の業務で疲れているだけなのかもしれません。
こちらが精神的にきつい時期ですので、敏感になってしまっているのかもしれません。
なので、気にしなくて良いです。
それに、仮に本当に相手がこちらに対して怒っていたとしても、
自にはどうしようもないことです。
こちらは自分にとって正しい決断をしたのであって、
それが覆る事はないですよね。
残る側に100%気持ちの良い思いをさせることは不可能とも言えます。
だから相手の気分の操作まで、自分の責任として気負う必要はありません。
ここは「そういうものだ」「仕方のないことだ」と思って、
「割り切ってしまおう」と考えることも、自分を楽にするために大切なことです。
あまり自分を責めすぎないでください。
相談相手を見つける
この職場を離れることが決まった、でもしばらく今まで通りで過ごさなければならない
…というのは、人生においてあまりない体験です。
そんな特殊でストレスフルな期間中は、心にバグが起きて、急に辛くなるという現象が起きることもあります。
「やはり自分の選択は間違いだったのではないか?」
「自分ってもしかして”ヤバい”人間なのではないか?」
…あれだけたくさん考えて出したはずの結論から、不安をほじくり返してしまい、目に入る全ての情報をその考えと結びつけて、
ますますマイナスの気持ちを強化してしまうのです。
だけど覚えておいて欲しいのは、それはある意味で、「一時的なバグ」だということです。
よく、結婚したばかりの人が鬱に陥ってしまうことを「マリッジブルー」って言いますよね。
何か人生において重要なことを決断した時、それが自分を幸せにするものであるはずなのに、慣れていないがために自分の潜在意識が反発を起こしてしまうのです。
特に”幸せ”に不慣れな場合、必要以上に自分で自分を無意識に責めてしまう心理的傾向があります。
退職すると決めた人にも、似たようなことが起こるのではないかと思います。
しかもこちらの場合は、これまでの居場所から離れる決断です。
心の中でマイナスのループに陥った時、今の職場から離れるのが異様に寂しくなる、という現象も起こり得ます。
「失ってから初めて気付く」なんて言葉がありますが、
そりゃあ、そうなりますよね。
どんなに人生経験が豊富な人でも、心理構造的に、そう思うことがあるのが事実なんです。
だから、寂しさを感じてしまっても大丈夫です。
今まで散々腹を立てててきたお局さんにすら感謝の念を感じ、感傷的な気分になることだってあるでしょう。
ですが、それはそれ。
決して自分の選択が愚かだった証明にはなりません。
ここで大事なのは、「その不安や寂しさ”だけ”が自分の本音だ」と勘違いしないことです。
ここまでたくさんたくさん考えてきたように、自分には今、見据えている自分専用の未来もあるはずです。
両方、持っていていいのです。
…そして、この混沌とした時期を乗り越えるには、誰か一人でも今の状況を話せる相手がいたらベストです。
職場とは関係のない人…家族でも、友達でも、恋人でも、近所の人でも、犬や猫でも。
話せる人がいなければ、noteを書いたっていいと思います。
誰かに話したり書いて整理することで、
自分が今置かれている状況を客観的に見ることができ、
自然と、正しい方向に進むことができます。
プレ退職後生活を楽しむ
先ほどもちょっとお話ししましたが、
「退職を伝える」というような、自分の本質に近づくような大きな体験があると、
世界の見え方が一気に変わり、仕事に対する感覚も変わってくる
…なんて方が、これを読んでくださっている”深く考える人”には多い気がします。
特に退勤後。明日も仕事があるというのに、なんだか今までよりも力を抜くことが簡単にできるようになっていたりしませんか?
それは「だらけ」ではなく、「プレ退職後」を楽しめるようになったサインです。
なので、仕事の日の夜や休日はぜひ、今後やりたいことについて考えてみてください。
「行きたかったあの場所に行ってみよう」
「部屋の片付けと模様替えをしようかな」
「今までしたことのない髪色にしてもらおう」
「一日中ひたすら自分と向き合う日を作ろう」
「見たかった映画を見ようかな」
自分がワクワクするようなことを、書き出してみましょう。
引き継ぎについて
退職前にすべきこととして、残る職場の人に対する「引き継ぎ」があると思います。
大変な作業ではあると思いますが、ポイントは「自分が後で罪悪感を抱えない」ようにやることだと思います。
ここでも「自分のために」が大事です。
先ほどもお伝えしたように、この時期は気持ちが軽くなるのと、他の人へのプレッシャーのダブルパンチで、
「この際、新たに『完全業務マニュアル』を作ってやるぞーー」
「自分は後で寝込んでもなんでも良いから、みんなの分も数字を取るぞーー」
などと、ついつい頑張りすぎて疲弊してしまう人もいます。
しかしそこまでエネルギーを注ぎ込まなくて、大丈夫です。
逆に「色々な仕事から外されるなどして、すっごく暇になってしまった」という場合は、暇も辛いことなのである程度はそういったことに熱を注いでもいいかもしれませんが…。
基本的には「残業をしない」「他の通常業務に支障をきたさない(むしろ余裕を確保)」を念頭に引き継ぎ業務をおこなうのが、楽で良いと思います。
挨拶・送別会について
どんな挨拶をしたらいい?
退職日までに行うこととして、職場の人や取引先への退職の挨拶があると思います。
こちらに関しても、少し触れていきます。
「そんなの普通にやればいいんじゃない?」というご意見もあると思いますが…
色々と思うことがあるので、ちょっと「ここだけの話」をしたいと思います。
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