<Vol.101>"普通の人"が人気になるわけ〜専門性の特化は時にマイナスとなる話〜

先日、面白い記事を見つけました。

*こちら(「過度な"競技化"は"愛好者"を減らす」)→https://note.com/2tomman/n/n6a42425e7337

スポーツ競技における問題点をズバリ指摘しています(まさにその通りだ!と頷きながら読んでしまいました)。

今日はこのことをセラピスト(トレーナー)に置き換えて考えてみようと思います。


<どの世界にも起こりえること>

リンクが切れてしまうと困るので、要点だけをサクッとまとめておくと、、

「競技化」(=ガチ勢)が高まれば高まるほど、「愛好者」は居づらい環境になる。
「愛好者」がいなくなれば、あらゆる制度や意思決定は「ガチ勢」によって支配され、より入りにくい集団(組織)になる。
「ガチ勢」に支配された空間は「ガチ勢」にとっては楽しい場所となるものの、新規参入者(初心者)がいなくなることで、やがては「ムラ化」する。そして循環の起こらない”濁った場所”となる。
それゆえに組織を統括する人たちは優しい意思決定を行い、初心者をどう取り込むのかを考え続けなければならない。
そのためにはビジョンや理念を明確に打ち出し、対象を明確化することが大切である。

という内容です。

これと似たこと…皆さんの周りでも起こっていませんか?


<サービス提供者の盲点>

これはコミュニティー(組織・団体)の話だけでなく、サービス提供者においても同じことが起こえます。

例えば、パーソナルトレーニングのサービスです。

「ちょっと運動をしてみたいな」「ダイエットしなきゃな」

そう考える筋トレ初心者にとって、パーソナルトレーニングというのは意外と高いハードルです。

このハードルは「恐怖心」とも言えます。

ここでの恐怖心はトレーニングそのものに対してだけではありません。

ジムという場所、そして何よりトレーナーに対する恐怖心がそこには存在することを知っておかなければなりません。

そしてこの恐怖心の正体は、

「こんな体型だし…」
「内心バカにされていないかな…」
「こんなこともできないのかって思われたらどうしよう…」

という思いです。

正直、トレーナーがムキムキのガチ勢であればあるほど、初心者は気が引けてしまいます(劣等感を感じ、踏み込めなくなります)。

これは全てにおいて同様です。

三つ星シェフの料理教室は一般人(主婦)ではなかなか入りにくく、モデルのように美しい美容師がいる美容室もやはり通いにくい場所になりえます。

意図的に「ムラ化(ユーザーの選別)」を図っているのであればまだしも、意図せずにそうなってしまっている場合は注意が必要です。

つまり、

「サービス提供者の専門性が特化しすぎてしまうと、新規客との距離がどんどん離れてしまう」

わけです。

このことはぜひきちんと自覚しておきましょう。


<成長の方向性>

経験を積みキャリアを重ねることで、知識が増えていきます。

もちろん知識を増やし、理論や言葉を学ぶことも大切ですが「本当にそこにニーズはあるのか?」を一度立ち止まって考えてみることも大切です。

一人よがりで突っ走ってしまうと、その先にあるのは孤独です。

「この人なら私の気持ちがわかってくれそう」

お客様にそう思ってもらえることは、時に最も強力な強み(メリット)になります。

成長は大事ですが、一般ユーザーから離れていく発展進歩は△です。

成長意欲の高い皆さんだからこそ、ぜひ覚えておいてほしい内容でした。

ぜひ覚えておいてくださいね^^

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