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<Vol.278>この1年で一体何ができただろう?

2021年12月31日(金)

今年も1年が終わろうとしています。

年内ラストの記事になりますが「この1年もあっという間でしたね!」のようなありふれたことを書くつもりは一切なく、極めて客観的に現状を振り返りたいと思います。

正直なところ、ミクロな視点(個人レベル)はともかくとして、マクロな視点(業界全体)で見てみると非常に厳しい1年だったように感じています。

年内ラストの記事でこんなことを書くのも微妙ですが、、、きちんと向き合うべき部分なのでがんばって書いてみようと思います。

*赤裸々に書こうと思いますので、今回は全文公開します


<現状の振り返り>

現在、セラピストの業界というのは、極めて"良くない状態"が続いています。

「え…?そうなの?全然そんな実感ないんですけど。。」

もしかしたら、そういう方もいるかもしれません。

コロナ禍になって健康志向の人が増え、実店舗の来店者数が増えているという側面があるため、あまり危機感を感じていない方も多いでしょう。

ただその側面にだけ惑わされていると、数年後大きな反動を受けることになるかもしれません。

今一度、現状を正しく認識しましょう。

==

この業界の何が一番良くないか。

それは「お金の回りが非常に良くない」ということです。

もっと端的にいえば「稼げない業界」になってしまっている、ということです。

セラピスト業界はそもそもが「労働集約型」であり、実動時間と売上がほぼ完全に連動する仕組みになっています。

売上を上げたければ、稼働率(稼働時間)を増やすか、単価を上げるかの2択しかありません。

前者(稼働率/時間)を増やすことは、セラピストの負担にもなるため上限があります。

では単価はどうか…?

みなさん、どうでしょう?

10年前の単価と今の単価、どのくらいの差がありますか?

ちなみにディズニーランドは

2011年=6,200円
2014年=6,400円
2015年=6,900円
2016年=7,400円
2019年=7,500円
2020年=8,200円
2021年=8,700円
2021年10月=9,400円

この10年でなんと3,000円以上の値上げを実施しています。

わたしがこの業界に参入したのは、今からちょうど10年前です。

その時は

「60分6,000円の施術というのは、ディズニーランドの1日チケットと同じ金額なんだ。だからディズニーと同じレベルで感動させるサービスを提供しないといけないぞ」

と当時の先生や先輩からよく言われたものです。

10年経った今、どうなったでしょう。

ディズニーは市場相場を読みながら設備投資を重ね、今や9,400円。

一方、我々の業界はいまだに「10分=1,000円」の壁を破れずにいるのが現状です。

震災や増税、社会福祉費の増加、コロナ禍問題…

いろいろなことにお金がかかるようになっているのにもかかわらず、セラピストはいつまでも同じ給与水準で耐え忍んでいます。

これ、、本当にマズい問題だと思っているわけです。

みなさんはどうですか??

本気で向き合わないとマズいと思いませんか…?


<問題点はコレ>

問題になる点はいくつかあります。

まず1つ目は

「新人とベテランがまったく同じ単価でサービスを提供している」

ということです。

本来、サービス価格は提供するサービス内容の"質"に連動するべきですが、セラピスト業界では新人もベテランも「10分=1,000円」に固執してしまっています。

この根本問題は「施術を"見える化"できていない」ということです。

悪いのはベテラン勢です。

要するに、スキルが上がってできることが増えてきたタイミングで、そのスキルを「お金に換える」という発想がないんです。

優しさなのか、弱さなのか、、明言するのは難しいところではありますが、せっかくスキルが身についてきたにも関わらず、いつものメニューの中でそのスキルを使ってしまっているわけです。

オプションでも、スペシャルコースでも(名前はなんでもいいですが)とにかくスキルをお金に変えていかないと、セラピスト界の貧乏スパイラルは絶対に抜け出せません。

「お客様ファースト」が過ぎるんです。

もっと自分の価値を伝えていかないと、いつまでも魅力的な業界にはなりえません。

==

問題の2つ目は

「成功モデルがいない」

ということです。

ホスト界といえば、格闘界といえば、野球界といえば、、どの業界でもいいですが「〇〇界といえば△△」というのが明確になると、業界のボトムレベルが一気に上昇してきます。

「あんなふうに自分もなりたい」と思われる存在ができれば、目標ができると同時に勝ちパターンのノウハウが伝播していきます。

それは個人レベルでもお店レベルでも同じことです。

正直、今この業界は中途半端なセラピストがたくさんいます。

組織の中で影響力をもつセラピストに成長したと思ったら、すぐに「独立」という形で小さな個人サロンに籠ってしまう人間がたくさんいるんです。

もったいない、ほんとに。

あなたの影響力を自分の小さな個人サロンの売上だけに結びつけないでよ、と心から思うわけです。

業界全体を前に進めないと、10年後もきっと今のままです。

今のままというのは維持ではなく、明らかな衰退です。

とにかく、

◎60分=10,000円の世界をどう作っていくか
◎少なくとも過半数のセラピストの年収レベルを500万台に乗せるにはどうすればいいか

この2点を突き詰めていかないと、”マジで”・”ヤバい”と思います。

…ということで、2022年は本格的に動きます。

会社という小さな組織に留まることなく、世界に目を向けて発信します(4月ごろには第1段階の成果を報告できるように準備を重ねています)。

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嘆いていたって仕方がないんです。

行動を起こさなければ何も変わりません。

1年あっという間だったねー、じゃないんです。

あっという間に終わってしまい、何も変革を起こせなかった過去を悔いないといけないんです。

この業界を前へ進めましょう。

そんな志をもつ同志の皆さまと2022年も変わらずお付き合いをしたいと思う今日この頃です。

それでは本年も大変お世話になりました。

Tomy

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セラピスト特化型の人気コラムです。普段セラピストを教育する立場にある筆者が、セラピストとして大切なことをギュギュッとまとめてお届けします。

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