<Vol.67>"疲れてナンボ"からの脱却

セラピストを指導する仕事をしていると、実に多くの考え方に触れることができます。

リラクゼーションや整体、カイロ、あんま…など、手技の世界には様々なタイプがあり、そのタイプの中にもまたそれぞれの流派やコンセプトが存在しています。

全てに共通しているのは「いかに受け手をラクな状態へ導くか」ということ。

…にもかかわらず、そこを見失ってしまっているケースが時々見受けられます。

今日はそんなことについてまとめてみたいと思います。


<認識の相違>

旧態依然とした考え方。

それがまさに「施術は疲れてナンボ」の世界観です。

これを読んでいるセラピストの皆さんは、手技を行う際にこんなことを考えてはいませんか?

===

☑︎体全身を使い、一生懸命にほぐすことが正である。

☑︎お客様と会話をするなんてとんでもない、施術は神経を研ぎ澄ませて行うものだ。

☑︎汗をかかない施術だと充実感がない

☑︎圧をかける=押し込むことである

☑︎施術後の疲労感があればあるほど、お客様の満足度は高まっているはずだ。

☑︎施術によって体の痛みが出るのは仕方ない(だってそれが尽くしている証だから)

===

多かれ少なかれ、そんなことを思っているとしたら黄色信号です。

言葉を選ばずストレートに言えば、施術をしている感(お客様をほぐしてあげている感)を高めることは、セラピスト自身の”エゴ”に他なりません。

自分の体を壊してしまうリスクがありますし、なにより「こんなに尽くしているのに…」「がんばっているのに…」が垣間見えるのは、自分にとっても周りにとっても、、、あまりよくないことでしょう。

もう一度繰り返すと、施術を通じて大切なのは「いかに受け手をラクな状態へ導くか」です。

いかに自分が疲れるか(充実感を感じるか)ではありません。

だからこそ自分自身の体の使い方に関して”ラク”を求めることに、躊躇する必要は全くありません。

どうかその軸をぶらさないように…。

*体の使い方については、下記も参考にしてみてください⇩

<基礎スキル>セラピストの”手”を守る実践ノウハウ
<基礎スキル>セラピストの体に負担をかけない圧の調整方法


<仕事の本質>

ラクを求めると罪悪感を感じてしまう。。

これこそまさに日本人特有の考え方であり、働き方です。

一生懸命なのは尊いことではありますが、その方向性を見誤ってしまってはいけません。

自分の体がラクになれば、よりお客様のことを考えられるようになります。

そしてなにより1日の中でより多くのお客様を担当できるようにもなります。

「何のために」「誰のために」この仕事をしているのか。

仕事の本質がぶれないようにすることが大切です。

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