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【イベントレポ】大盛況だったBizDevオフレコNightの「オフレコ内容」を(ちょこっと)公開!
こんにちは!対話型音声AI SaaS「IVRy」(アイブリー)の事業開発(Bizdev)・プロダクトマネージャーをやっています高柳(@neveryanagi)です。
9/12(木)に株式会社LayerX・株式会社kubell・ラクスル株式会社・株式会社IVRyの4社合同で、事業開発(Bizdev)について語り尽くすトークイベント「BizdevオフレコNight」を開催しました。
当日ご参加頂いた方、誠にありがとうございました!イベント中はたくさんの実況も投稿いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。
#BizdevオフレコNight にお邪魔しています!各社の事業開発のお話勉強になります! pic.twitter.com/4FlVrqRcJR
— 野田 拓志|才流で新規事業とBtoBマーケ支援 (@hinokagi) September 12, 2024
Bizdevが集結イベント開始。けっこう集まってます#BizdevオフレコNight pic.twitter.com/gQXtvrkjeX
— 藤井謙太郎 / kubell AI Bizdev (@kentaro_fujii_) September 12, 2024
なんと当初の想定を大きく超えて申込100名を超える大イベントになったのですが、参加できなかった方向けに、当日のオフレコ内容をちょこっとだけご紹介できればと思います。
今回のイベント会場
皆さんご存知のLayerXさんのイベントスペースをお借りしました!
会場には素敵なオードブルと飲み物がズラリ。ご用意&お手伝いいただいた登壇各社の皆様ありがとうございました!
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イベント登壇者(敬称略)
ラクスル株式会社 エンタープライズ事業部 事業開発責任者 藤林 尚斗 (@naotosanj)
正社員・新卒1人目で不動産特化のコンサルティングサービスを提供するスタートアップに参画。 IT戦略立案実行支援、経営企画代行、BPRのPJを経験。その後、AI建物管理SaaSの立ち上げPdMに従事、事業責任者としてエンプラセールス、カスタマーサクセス&サポートグループを統括しつつT2D3の成長を牽引。
経営戦略室長として中長期の経営戦略の策定と各事業部の改革支援に従事した後、2023年4月にラクスルに入社。 ラクスルエンタープライズ事業部の事業開発責任者として、新規サービスの開発とGTMを担う
株式会社LayerX バクラク事業部 事業開発部 部長 諏訪 尚杜 (@bizdev_it_suwa)
事業立ち上げ期のRetty株式会社に新卒入社し飲食向け販促ビジネス立ち上げに従事。
様々なビジネス職種を経験後、採用責任者、マネージャー、新規事業責任者を担当。
LayerXに入社後はバクラク電子帳簿保存のプロダクトマネージャー、大手税理士法人様への出向を経験後、バクラク事業部の新規プロダクト立ち上げや既存プロダクトのグロースを担う。 趣味はサウナとYouTube視聴。
株式会社kubell 執行役員 兼 インキュベーション本部長 桐谷 豪(@go_kiritani)
大学在学中より創業フェーズのスタートアップに参画し、ジョイントベンチャー設立や複数事業の立ち上げに従事し、ユニコーン企業へ。
その後、AI系ベンチャーである株式会社ABEJAへ入社し、データ関連サービスの事業責任者を担う。
2020年10月にChatwork株式会社(現 株式会社kubell)に入社し、BPaaSのサービス立ち上げ責任者を務めたのち、2024年1月より執行役員に就任。インキュベーション本部を管掌し、新規事業の推進とR&D領域を担当。
株式会社IVRy プロダクトマネージャー/事業開発 高柳 龍太郎 (@neveryanagi)
新卒で株式会社リクルートコミュニケーションズに入社。
HR領域(新卒・中途)、美容領域、旅行領域の複数プロダクトで自社会員向けのCRM施策の立案〜実行、マーケティングオートメーションの導入支援に従事。
その後、保険新規事業において日本生命との協業サービスのオーナー、不動産CtoCサービスにおいてプロダクト戦略設計、機能開発推進、プロダクトチームマネジメントを担当。
株式会社IVRyに入社後、対話型音声SaaS IVRyのプロダクトマネジメント、プライシング、新規事業開発(BizDev)に従事。
各社のサービス紹介LT
まずは各社から自社サービスと事業開発の前提・スタンスについてLT形式で紹介。LTなのに各社情報量多すぎるからもうすでにお腹いっぱい笑
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LT最後はラクスルのエンタープライズ事業開発責任者の藤林さん。Bizdevの役割やキャリアパスについても言及がありました。まさにビジネスの総合格闘技ですね。醍醐味がすごいところに足を突っ込んだと再実感。#BizdevオフレコNight pic.twitter.com/UMnro6vqV2
— ヨウヘイ | IVRyのBizdev (@yohei03) September 12, 2024
トークセッション
ですがイベントはここからが本番。事前にテーマを用意しつつ、会場の皆さんからSlidoでいただいた質問を交えて進行していきます。
事業開発のプロセスからスキル/スタンスまで、トークテーマは全部で9つ。
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皆さんとより濃度の高い議論ができるようにと、各社トークテーマに合わせて社内のオフレコ資料も惜しげもなく公開してくれました(今回のイベントスライドを数えると「138枚」もありました笑)
当日イベントで触れたテーマについて、各社の回答を簡単にご紹介します。
Value Propositionの作り方
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ラクスル藤林:経営指標を大きく改善できる程の圧倒的な顧客価値を持続可能な形で提供できること、そしてマーケットの中でも自分たちが相対的にうまくできることにフォーカスしています(組織や事業アセットなどを活用する)。例えば、ラクスルの事業アセットは顧客基盤とGMV、組織アセットはM&A、事業開発、テクノロジー、マーケティングが挙げられます。競合がIT会社だとリアルで、印刷会社だとテクノロジーで優位性を創出していきます。
LayerX諏訪:戦っている領域が素晴らしい競合が多いということもあるが、競合サービスを利用していて体験に一定より良くする余地があり顧客のペインも深いセグメントでPMFをすることで、独自価値を武器としたValue Propositionを作っています。顧客セグメントに応じて具体的な機能レベルで「何が価値か」の言語化をしています。
kubell桐谷:競合となるものは、よっぽど新規性がない限り既に何かしらあるので、徹底的に調べてValue Proposition・プライシングの参考にしています。
IVRy高柳:IVRyでは最終的には4Pのフレームに収束させることが多いです。その中でも最終的にはProductとPriceが重要。PlaceとPromotionだけで勝とうとしても中期的にうまく行くことは少ないです。
Go To Market
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事業開発フェーズで数字が見えづらい中で、どのような解像度の事業計画をひいていますか? 財務面の他、どのくらいの精度でセールス指標まで落としていますか?
IVRy高柳:GTM前でも一度事業計画を引いています。ですが目的としては「事業のビシネス構造と変数の理解」を主眼で置いており、蓋然性の低い新規事業を全社の事業計画の中に折り込むことはしないです。
LayerX諏訪:立ち上げ期は、特定領域でPMFを目指す活動に全bet。一切売上をみないことを経営と合意して進めています。
ラクスル藤林:ラクスルも事業立ち上げ期には数値目標をもたせていません。まずは顧客にとって圧倒的な価値を手オペでもいいので作り、AHA体験が生まれるかを見ています。加えて、エンドゲーム(競争の最終局面)がどのような状態になっており、その状態を生き残っていくための勝ち筋を言語化するようにしています。
kubell桐谷:数値目標を持たせないのは同じです。PMFしたときにはトラクションだけでなく肌感覚でも明らかに「変化した」ことがわかります。
各社PMFに到達するまでは、事業計画は作らない。PMFの定義は、売り方が固まってきたや、受注が重なってきた、チームが盛り上がってきてるなど、さまざまな状態が重なっているとき。PMFしたときは、体感としてわかる。
— 松重秀平/LayerX (@s_matsushige) September 12, 2024
#BizdevオフレコNight
BizDevの役割・向いてる/向いてないスキルスタンス
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各社、ウチのBizDevはここが違う!というユニークネスを知りたいです。(たぶん、ここは異常にこだわってる・尖っている というポイント)
LayerX諏訪:事業開発マインド(経営者マインド)、圧倒的解像度(顧客・商品・事業・組織)、徳のある推進力。中でも大事なのは圧倒的な顧客解像度。それだけで1時間喋れる気がします笑
ラクスル藤林:ラクスルのBizdevに求められるのは、圧倒的なオーナーシップを持った人材が、目指すべき明確なゴール・課題設定をし、周囲を巻き込みながら、複数の変革レバーを駆使して、事業価値を生み出す仕組みを構築すること。特に組織・事業規模が大きくなってくると複雑性の高い変数、例えば時間軸や役割やビジネスモデルを取り扱うことになります。複雑性の高いポートフォリオ経営に強い経営チームを組成していかなければならない点はユニークです。
kubell桐谷:マーケットアウトのモデルはkubellのプロダクトの特徴です。SMBは「個」としては非合理的な意思決定をするものの「群」として捉えると合理的な動きをするので構造理解を伴う科学的なアプローチとN=1の顧客理解が必要で、toB的なプロダクトではありつつtoC的な事業開発ができるという点が難しくもあり面白いポイントです。その中でBizdev・事業責任者には、自身が責任を持つ事業について日本一の解像度と熱狂が求められます。
IVRy高柳:IVRyのプロダクトの側面からの面白さは「電話というコミュニケーションインタフェースが起点」かつ「ホリゾンタルなプロダクト」であること。職能としては、事業開発としてやり切る強度が恐ろしく高い。本気で事業開発をしたい人にとってはオススメな環境です。
各社のプロダクトマネージャーとの連携や役割分担のしかたについて聞きたいです!
ラクスル藤林:BizDevは何かの専門家というよりは、ビジョンとストーリーを掲げ、勝ち筋を描き、仲間を巻き込み、結果にコミットする職種だと考えています。Productに強みを持ちつつ、Product以外のレバーを引けるようになることで、PdMがBizDevになることも社内ではよく見られます。
kubell桐谷:ケースバイケースです。PdMに限らず、0→1フェーズにおいては役割分担は人のCapabilityに合わせて柔軟に変えています。あえて組織化せず役割分担を明確にしない方が良い場合もあります。
IVRy高柳:べき論としては0→100に至る全方位のスキルセットをBizDevに期待しているが、IVRyもケースバイケース。その時のメンバーのスキルに応じてチームを作っている。
事業開発でBizdevの役割の定義は、体制や得意領域によって全く違う。キレイな役割で分けられない。理由は事業の全てが必要だからです。時の不足や必要な事で変化する#BizdevオフレコNight
— 藤井謙太郎 / kubell AI Bizdev (@kentaro_fujii_) September 12, 2024
ちなみに当日一番多かった質問はこれ笑
みんなまんまと桐谷さんのブランディングにハマっていますね。
桐谷さんの髪色はkubell色ですか?
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懇親会
懇親会では、登壇者への質問や同じテーブルにいたBizDev同士で議論が白熱。完全撤収の22:30ぎりぎりまでかなりの方が残ってくれていました。
イベントを終えて
大変ありがたいことに参加者の90%以上にアンケートを回答いただき、満足度は4.7!改めて参加頂いた方ありがとうございました。
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- すべてリアルで勉強になりました
- 各社各様のBizDevの定義がありながらも、根底にはオーナーシップというスタンス面、定性面を大事にされているのが印象的でしたし納得感がありました。
- 社内で類似の職種を担当しているメンバーがいない中で、第一線で活躍されている方の話を聞けて、同じように取り組まれてるということを認識できた。
- 各社フェーズが異なりつつも顧客解像度の高め方を特にやりきっている印象でした!もっと詳しく聞いてみたいです!
トークテーマ9つ用意したものの到底話しきれるはずもなく笑、アンケートでも「もっと聞きたい!」という追加の質問を大量にいただいております。会場ですべての質問に回答しきれずすみません!
- 事業のオーナーシップを持つことは育成で可能だと思いますか?ある程度の大きい仕事を任せることも重要だと思いますが、一方でなかなかそれを任せられないという側面もあるかなと思ってます、、
- 事業開発にどこまでの裁量権を持たせているのでしょうか?守備範囲や影響範囲が大きいので、裁量権がないと逆に成果を出しづらいところもあると思いまして。
- 既存事業とのリソース配分はどのように取っていますか
- 次回、顧客解像度だけで語り尽くすイベント開催してほしいです!
みなさんのお声を受けて・・・BizDevオフレコNight第二弾、開催します!!
詳細決まり次第公開させていただきますが、年内開催メドでおりますのでぜひご期待ください。
追伸:最後に会場に残ってたんですが、どなたかこれお忘れだったりしませんか?持ち主を探しています
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