[シリーズB]僕らは10年後の「当たり前」を作っている~IVRyのプロダクトチームのこれまでとこれから~
これまでのリレーブログはこちらからもご覧ください!
1. はじめに
こんにちは!月額3,000円から始める電話DXサービスIVRyのプロダクトマネージャー高柳(@neveryanagi)です。
IVRyでは(多分)1人目の正社員プロダクトマネージャーとして、IVRyの機能改善ディレクションから新機能のディスカバリー、顧客のオンボードにウェビナー登壇までお金周り以外はだいたいやっております。
私の入社経緯やプロダクトマネージャーの営みについては以下のnoteも見ていただければ幸いです!
2. 我々が向き合うスモールビジネス・中小企業のフロントオフィス課題
マクロ環境から見たスモールビジネス・中小企業
今日は、IVRyのこれからをお話する前に、まず我々が向き合っているスモールビジネス・中小企業を取り巻く課題からお話ししていきたいと思います。
いきなりマクロな話ですが、現在の日本の国際競争力は34位です。
経済状況こそ11位ですが経済効率性は41位、ビジネス効率性に至っては55位に落ち込んでいます。
追い打ちをかけるように労働人口は減少の一途を辿っており、厳しい言葉で表現するなら今の日本は緩やかな死に向かっている状態です。
ではこの日本の国際競争力を左右しているのは何か。
それは国内企業数の99.7%を占めるスモールビジネス・中小企業です。
町のクリニック、地域に根ざした仲介会社、美味しいコーヒーを出す個人経営店など、みなさんの生活もスモールビジネス事業者抜きに生活が成立することは恐らくないでしょう。
数字だけ見ると一部の大企業だけでなく、99.7%のスモールビジネスの生産性が改善しなければ日本の国際競争力が上がっていかないのは自明です。
と、ここまではよくある話ですよね。
IVRy導入現場で見た現実
一方IVRyを導入する中で見てきた導入現場のフロントオフィスのオペレーション課題は切実でした。
開業してから6年間、電話の問い合わせのせいで家族で旅行なんて行ったことなかった。
問い合わせを受けられるのが自分だけだから楽しい飲み会の合間でも深夜でも問い合わせが来たら受けなければいけない。
朝から晩までひっきりなしに電話がかかって来すぎたせいで幻聴が聞こえてきた。
どの事業者様もお客さまには真摯に応対しようとしているが、頑張れば頑張るほど自分たちが疲弊していく。
本当は生産性向上にも取り組みたいのにできていない現状がそこにはありました。
スモールビジネス・中小企業の生産性が上がらない構造
スモールビジネス・中小企業の生産性が上がらない構造は以下の要因から成り立っていました。
①自力で業務オペレーションを改善する難しさ
業務をより簡単にしたくても店長・社長が手弁当でやっている企業がまだまだたくさんいます。
そもそも時間もなければ業務の中身を開いてオペレーションを整理する専門家でもない。結果的に今の業務オペレーションを回すだけで精一杯です。
②技術へのアクセスの難しさ
業務オペレーションを改善するための技術・ツール自体は世の中にあります。
ですが一部のスキルフルな人しか使えなかったり、大規模な構築を要したり、複雑な手順が必要だったりと、忙しいスモールビジネス従事者の課題をすぐに解決できるものではありません。
③サービス利用コストの高さ
使い勝手を上げるためにパッケージ化されていたりSaaSモデルを採用しているサービスも存在しますが、スモールビジネス・中小企業が導入するには金銭的・時間的コストが高いものばかりで気軽に使うことができていませんでした。
日本には、暮らしに欠かせないサービスを提供していたり、本当に魅力的な商品を生み出しているスモールビジネスがたくさんあります。
自分の仕事に誇りを持ち、お客様に最高のサービスを届けようとしている事業者の姿を見たからこそ、我々はこのドメイン課題を本気で解決しにいこうとしています。
3. IVRyはどんな価値を提供すべきなのか
IVRyが電話DXによって実現したこと
電話自動応答IVRyが実現したのは「スモールビジネス・中小企業の電話問い合わせ業務の当たり前の破壊」でした。
先ほどの課題に沿って説明すると、
①今の受電業務オペレーションを大きく変えずに
②これまで一部の企業しか使えなかったIVR(電話自動応答)という技術を
③圧倒的に安く簡単に提供する
ことで、業務効率化の余裕がなかった人も手に取ることができるサービスを提供しています。
50業界に導入して見えてきたこと
大変ありがたいことに、結果としてIVRyはリリースから2年半で50以上の業界で利用いただけるまでに成長してきました。
そして50業界に導入して分かってきたのが、電話以外のフロントオフィス業務も電話と同様の課題構造であるということでした。
目の前の問い合わせ・顧客対応に追われてしまっているだけで、集客、CRM、インバウンド対応など、本当はスモールビジネス・中小企業がやりたくてもできていないことがたくさんあります。
しかしスモールビジネス・中小企業がすぐに・簡単に・リーズナブルな解決手段にアクセスできないことで、いつまでも生産性が上がらないループに陥ってしまっているのです。
LLMsとスモールビジネス・中小企業
そしてもう一つ触れておかないといけないのが、ここ2〜3ヶ月で急速に話題を集めているGenerative AIやLLMs(大規模言語モデル)の技術革新です。
どちらもこれまでの働き方を一変する可能性を秘めていますが、使いこなせる人は一体どれだけいるのでしょうか?
自分でプロンプトを考えたりAPIを繋ぎ込める人なんてテック業界の中でもほんの一握りですし、ましてやスモールビジネス・中小企業の大半の人にとってChatGPTは「なんか分からないけどバズってるもの」くらいでしかない訳です。
新しい技術革新が起きているがこのままだとスモールビジネス・中小企業は革新から取り残されてしまう。
IVRyはいまスモールビジネス・中小企業と最先端の技術をつなぐポジションに立っているからこそ、この課題に真正面から向き合えるし向き合うべきだと考えています。
4. 10年後の当たり前をつくる
10年前はどうだったか
過去10〜15年のスパンで起きたことを振り返ると
2008年7月にiPhone3Gが国内で発売しスマートフォンが普及
Twitterが日本に上陸しSNSが浸透した
音楽からサーバーに至るまであらゆるサービスがクラウド化した
2010年は年間860万人だった訪日外国人数が2018年は3,100万人に大幅増加
いまやスマホで行き先を検索するのも、銀座や渋谷にインバウンド旅行者が溢れているのも当たり前のように感じますし、そうでなかった頃を思い出すことの方が難しくなってきました。
IVRyが成し遂げようとしていることも、今は「魔法」のようかもしれませんが10年後には、IVRyが無かった頃どのように仕事をしていたかわからないと言われるような、そんな「当たり前」を創造する営みです。
10年後の当たり前を作るためにこれからやっていくこと
「魔法」を「当たり前」にするために、まさに今IVRyは全方位でプロダクトを進化させようとしています。
●電話体験の向上
実は我々が今提供している電話自動応答は、最終的に目指そうとしている姿から見るとまだほんの一部しか実現できていません。
AI音声認識を用いることで、複雑なルールを作らなくても簡単により正確な問い合わせ対応を実現
GPTを活用してどんな問い合わせユースケースでも自然でユーザ目線に立ったUXの実現
電話というインタフェースにとどまらずに、電話からWebチャットや問い合わせフォームといった適切なチャネルへ流し込んでいったり、チャネル間の情報連携をすることで、なにも意識しなくてもどこでもお客様と一貫したコミュニケーションができるようにする
ことで、誰も追随できないほど使いやすい自動応答体験を作り上げたいと考えています。
●電話データを活用した売上拡大・業務の効率化(DX)
さらに電話問い合わせDXの先として、
GPT等を利用した音声データの要約やラベリング、より可能性のあるデータ活用
Webアクションデータと電話データをユーザー単位で統合
統合したユーザーデータに対するCRM機能の拡充
まで踏み込んでいくことで、
IVRyを利用する企業
・複雑なことを考えなくても/やらなくてもIVRyを使っているだけで自然とすべてのオペレーションがうまくいく
IVRyを利用するユーザー
・自分の期待する体験を一貫性持ってストレスなく享受できる
ところまでIVRyで実現していこうとしています。
●非連続なプロダクト開発
一方でIVRyでは、実は世の中の様々な電話番号を検索できるサイトを(こっそり)リリースしていたりするんですが、
プロダクト起点でマーケリード獲得方法を広げる
アライアンスで電話で予約が完結する
電話インフラを改善することで原価率の構造そのものを変える
といった、今持っているプロダクトの価値を全然違う切り口から非連続で拡張する取り組みにもベットしていこうとしています。
5. いまのIVRyの組織はどんなフェーズか
IVRyのワクワクするところ
すごく手前味噌ですが、IVRyは間違いなく今が一番面白いと思います。
電話GPTがまさにいい例ですが、未来がガラッと変わるかもしれないようなプロダクトが日々生まれていく様子はまさに「熱狂」そのものだなと感じています。
ただその「熱狂」が顧客の課題、外的環境、ビジネスなどの観点から「なぜそれをやるべきなのか」というWhyに裏付けられていることが、IVRyのプロダクトとしての力強さになっています。
(マイルストンを考える立場としては頭が痛いこともありますが笑)
日本のスモールビジネス・中小企業のフロントオフィス業務を本当の意味で変革できている企業は恐らくまだどこにもないんじゃないでしょうか。
顧客の課題を中心に据えて、日本でまだ誰も成し遂げていないことに向けて熱狂しながらチャレンジできるチャンスが目の前にあることに、いちプロダクトマネージャーとして純粋にワクワクしています。
こんなことを一緒にやりたいんです
ただ、僕らが実現しようとしていることに対して、まだまだ困っていること・手伝ってほしいことは山積みです・・・!
●新しい技術を社会実装する
LLMsのような技術を顧客に届けるには、新しい要素技術を理解し、実際の顧客ユースケースにフィットさせていく役割が必要になっていきます。
技術理解だけでも顧客インサイト理解だけでもなく、「これはやる/やらない」というバランスのよい意思決定が求められます。
※この辺は後日弊社AIエンジニア町田のnoteでも詳しく紹介します。
●新しい技術をシンプルなUXとして届ける
また、新しい技術の社会実装には「分かりやすさ」が必須です。
例えばAI音声認識のようなまだ正解が見えていない体験を、誰でも使いやすい形で提供する機会が今後死ぬほど出てくると思いますし、その新しい体験を全力で考えてくれる仲間が必要です。
※この辺は後日弊社プロダクトマネージャー神山のnoteでも詳しく紹介します。
●アーキテクチャの観点から最適なプロダクトを要件定義・設計
新しい技術、複数のインタフェース、データセットをサービス群として提供する上で、後から負債にならないプロダクトにするためにどのようなアーキテクチャ構造にすべきかをエンジニアとともに考えぬける人は、今後のIVRyにとってめちゃめちゃ重要になってくると考えています。
※この辺は後日弊社エンジニアリングマネージャー堀田のnoteでも詳しく紹介します。
●電話インフラ・アーキテクチャ構築の知見を活かしたサービス設計
専門性の高いドメイン知識は負債にならないプロダクト開発をする上では欠かせません。
特にこれまでレガシーな領域とされてきた電話だからこそ、培ったドメイン知識を生かしてよりよいサービスを作っていくことができるはずです。
●プロダクトの進化を加速させるアライアンス・BizDev
フロントオフィス業務にまつわるすべての機能をIVRyがインハウスで作るには限界があります。
顧客・様々なプレイヤーと協業ポイントを模索しながら、プロダクトを進化させていける役割がいままで以上に必要とされています。
●プロダクトを最速でデリバリーする
そしてなにより、顧客課題を理解しステークホルダーとともに要件を練り上げ熱量をもってこれらのプロダクトをデリバリーしていくプロダクトマネージャーが欠かせません。全然足りておりません!!!
6. おわりに
日本の生産性を上げる
すべてのスモールビジネス・中小企業に最先端の技術を届ける
大層な話をしてしまいましたが、プロダクトの使命はどこまで行っても「困っている人の課題を解決すること」だと考えています。
弊社には「To be Oriented」というバリューがあるのですが、ビジョンは大きく掲げつつも、スモールビジネス・中小企業のあるべき姿を実現するために今後も一歩ずつ進んでいきたいと思います。
お知らせ
僕らと一緒に働いてくれる仲間を全力募集しています!
このnoteをここまで読み切ってくださったあなたと!ぜひお話したいです!!(迫真)
以下の募集から仕事の息抜きにでもお申し込みお待ちしていますー。
そして今月は会社の雰囲気を感じていただけるイベントとして「資金調達の裏側ウェビナー」「オープンオフィス」もありますので、ふらっとお立ち寄りくださいー!
▼ウェビナー
【特別対談イベント】2名の投資家とCEO奥西が語る電話DXとIVRyの未来
シリーズB資金調達に際して、シリーズAからの投資家であるフェムトパートナーズ、曽我 悠平氏とHeadline Asia/IVS、島川 敏明氏、創業者兼代表取締役CEO奥西による対談イベントを開催いたします。
これまでのIVRyの成長の軌跡、資金調達の狙い、今後の展望について語ってまいります。
日時:2023年4月11日(火)19:30~20:30
開催場所:オンライン(zoom)
URL:https://forms.gle/gKhRDVD7Qcv85uiV9
▼オープンオフィス
ゆるーくオフィスで飲むだけの会ですw
興味ある方はこちらのフォームからご回答下さい!
※申込者多数の場合は抽選とさせていただきますので予めご了承ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfZ-spWBKZbXFPowoD4hyIqaDSwU2wlhpgw6bItB-Wob_f38Q/viewform
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?