読書感想文①「教室に並んだ背表紙」
こんにちは。しらすです。
本日は相沢沙呼さんの「教室に並んだ背表紙」の読書感想文です。
相沢沙呼さんはミステリー小説「medium」で有名な作家さんかと思います。(私はまだ読んでいませんが…)今回ご紹介するのは、その相沢さんが書いた連作短編集。連作ということもあり、6つの短編同士でのつながりがあります。
これを読み終わったとき、人間の奥底にある欲求を温かく包み込んでくれる作品だなと思いました。
中学校という小さな社会でどう生きようか、悩んでいる子たちの心情や葛藤。物語と物語がリンクしていることで感じる、人から人へバトンタッチするような作品。
私たちが過去に感じていたかもしれないものが細かく描かれており、「その気持ちわかる!」という場面が何度も訪れました。
どの短編にも図書室が舞台となるシーンがあります。私自身は中学生のころ図書室に行ったかどうか定かではないくらい縁がなかった場所ですが、大人になって図書館に行き始めてからは、
あの静寂な時間が流れる独特な雰囲気やどこか現実と切り離されて、誰もが違う世界へ行ける場所かもな、と思いを巡らせるようになりました。
「大人になれるのだろうか?」そんな疑問を抱く子も登場します。私は引かれたレールを進むだけの人間で、自分のやりたいこととも向き合わずに生きてきました。将来については何も考えず、逃げ癖もつき、散々な人生だなあという考えも浮かんだりします。
でも物語に登場する子と同じように、遅いかもしれないけれど、いろんな本を読んで想像を膨らませて自分の好きややりたいことと向き合う時間を作って、後悔しないような人生を送りたいと少し思えるようになりました。
また、物語の核となる司書のしおり先生という人物が出てくるのですが、彼女は生徒たちにたくさんのきっかけを与える人で、相手をおおらかな気持ちで見ることができる人です。作品を読んでいると、こちら側もしおり先生にたくさん助けられている、そんな感覚になりました。
本作品は自分の人生や過去と重ね合わせることで見えてくる、人間の共通性や思いやりみたいなものを思い出させてくれる気がします。私も司書のしおり先生みたく、人を温かく包み込んで、何かきっかけを人に与えられる人間になりたいものです。
以上です。読書感想文は書きなれていないので、話があっちゃこっちゃいってしまってますが、少しずつ書く練習もしていきたいです。
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