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病気の子であっても、子どもは成長する

 2021年。
 まだ、コロナウイルス感染症真っ只中で、緊急事態宣言が発生していたころ。

 病気の子は今、外にも出られず、家の中で悶々としているんだろうなとずっと感じていた。

 かくいう私も難病患者で、自己炎症性疾患の中の家族性地中海熱という、なかなかに選ばれし者といった少ない罹患者数の難病を抱えているため、病院への外出もなかなか難しい最中にいた。

 そんな病気の子たちに何かできないかな。
 そう考えたのが始まりである。

 病気のせいで自宅から出られない子、退院し自宅に戻ったものの免疫力の低下から自室から出られない子。
 いろんな子たちが居場所を求めて、Instagramのライブ配信やteamsのオンライン画面の向こうに集まってきた。

 一緒にお昼ご飯を食べたり、受験勉強の合間にお話ししたり、体調の良い午前中に一緒に理科の勉強をしたり。クリスマス会もした。
 子どもたちの中で、推しの話やオンライン握手会など、おばちゃんには全くついていけない話もしながら楽しんでいた。

 2022年6月。
 私は小児慢性特定疾患という難病や小児がんになってしまった子に対し、一般社団法人miraii(みらい)という支援団体を立ち上げた。
 本当は法人なんていらなかったのだけど、こういった活動をするにあたり法人でないと難しいことが判明した。
 そして、客観的に見たときに、病気の子同士で集まって仲間になろう!なんて、なんて怪しいんだと感じたりもしたため、信頼をちょっとでも得るために法人を設立したという感じだ。

 そうして、活動をしてきた中で、ある壁にぶつかった。
 それは、子どもの見方であるはずの保護者が、子どもの病気をきっかけに“悲劇のヒロイン”となってしまったり、健常児の保護者の中にもいるように”モンスター保護者"が現れたりと届けたい子どもたちに支援が届かないのである。

 もちろん、ある日突然、子どもが病気になってしまい心配で心配でどうしようもない気持ちも、苦しんでいる子どもに申し訳なくていっそ子どもと一緒に死にたいという気持ちも、私自身も告知を受けた身であるから分からない訳ではない。
 しかし、逆に私自身が当事者という立場から見たときに、その困っている保護者がメインとなってしまい、本当に困っているだろう子どもがそこにはいないのである。

 お話を伺っていても、ずっと、

私が、私が、私が、私が・・・・・私がつらいんです!

 ただ、その繰り返しとなってしまう。
 そして、当の子どもは心配させまいと笑顔で頑張り、時々ようやく心の内を話すといった感じだ。

 また、健常児を含め、現代は子どもの支援が大変手厚い。
 そこへ来て、保護者から“こんなかわいそうな子どもたちからお金を取って支援をしようなんて考えられない。全て無料で支援しろ。”そういう言葉も多く飛んできた。

 設立1年目2年目の弱小支援団体、その中のマンパワーには、週5日8時間支援を仕事を抱えながら行い無償にするなんてことはどう考えても無理である。
 まして、小児慢性特定疾患なんて寄付を募りに行ったところで、それって何ですか?の世界。国にも正確な人数を把握してもらえないような子どもたちと制度。

 始めてしまったものの、なかなかに詰んだ事態となった。


 その中で、今回こうして難病患者雇用のコンサルティングを始めたのには訳がある。

 小児慢性特定疾患と成人の支援の狭間となる18歳の子の親や、大学卒業後就職できなかった22歳の保護者、また、就労したものの病気によって仕事をすることが難しいと連絡をしてきた人など、

 就労・進学

 特に、就労の部分でつまずき、苦しんでいる子ども(多く成人ですが、ここでは敢えて子どもと表現します)があまりにも多いからである。

 この状況になって初めて、自分の子が就職できないという現状に直面し、保護者がようやく“子どもが大変で子どもの問題だった”と気づく。

 そして、

 miraiiで言ってることは間違いじゃなかった。子どものために支援は必要だった。
 今からでも、就職できる先はないか?

と求めてくるという現象が複数発生している。

 私自身、なんて都合のいい・・・ともちろん怒っている。保護者に。

 そして、そういった部分でフォローしきれていない国や自治体に対しても同じくらい腹は立っている。

 ただ、そこに振り回され、いきなり

“病気だから周りと同じ道を歩けない”

と突き付けられた子どもたちの現実は、きっと、病気だと判明した時よりも、しんどいだろうなと想像に難くない。

 就労できないだけでなく、新卒採用されていく健常の友達に自分の立場を相談できず孤立し、進むべき道も友達も失い、独りぼっちになってしまう例が後を絶たないからだ。

 まずは、この就労の部分が確立することで、懸念すべきことももちろん完全に無くなりはしないが、より困る立場となった子どもの数は減るだろうと考える。

 だから、今、企業に対して、障がい者雇用の中で難病患者を雇用してもらうメリット・デメリットをきちんと伝え、難病患者雇用の場を提供してもらえるように動こうと思った。

 一般社団法人miraiiの中で、そういった子どもたちを社会に出しても恥ずかしくないレベルまで職業訓練をし、社会的マナー、一般教養を身につけさせる。

 そうして企業に雇用してもらえるような人材育成を行い、病気を抱えながらも企業の中で健常者と同じような仕事ができるようにする。

 企業にとって、障害者雇用における難病患者を 雇用のメリットが大きくなることを目指す。


 私は私として、企業に対し、

  • 難病患者を雇用するメリット、デメリット

  • 難病患者の生態

  • 難病患者の扱いかた

  • 難病患者と保護者    など

難病患者であり、多く難病児・難病患者・保護者と接している立場からの話をしていきながら、企業も子どもたちも幸せになれるお手伝いができないかと考え動くことにした。

 病気であっても、子どもたちは成長する。
 そして、難しい病気を抱えた問題の見えにくかった子ほど、成長していくにあたって、成人後もサポートは必要である。

 子ども時代だけで支援が切れる、保護者によって支援を受けられなかった、難病患者を障がい者枠で雇用したいがどう接していいのか分からない、せっかく雇用したのにすぐに辞めてしまった。

 そういった不幸を断ち切るために、難病患者と企業との懸け橋として、どちらもが幸せになるために、難病患者雇用に関する相談・勉強会を始める。

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