【忘備録】空気を読む脳
中野信子著「空気を読む脳」の忘備録です。
この方の話口調や文章は、女性でも読みやすいと思うのでお勧めです。
男女の脳の違いはよく知られていますが、もう少し深くそのあたりに触れるので非常にためになりました。
以下抜粋。
人類は共同体の中で、一定のコストを負担する見返りとして、共同体からリソース(資源)の分配を得て生活しています。たとえば、私たちは税金や社会保障費用を納める代わりに、インフラや医療の恩恵を受けられます。
しかし、中にはコストを負担せず、「おいしいところどり」をする者も出てきます。これをフリーライダーと呼びます。フリーライダーはアリやハチなどの社会にも見られますが、一定の割合を超えてしまうと、共同体のリソースは減るばかりです。
会社でもフリーライダー的な人が思いつくのでは…。
アリで言う働きアリの法則は有名ですね!
「2割はよく働き、6割はふつうに働き、2割は怠ける」アリで言えば、この怠ける2割を超えると、共同体としてのリソースが減っていき、破滅に追いやられるということでしょう。
自分の意見をはっきりと口にしたり、大人の考えと違うことを理路整然と主張したりすると、男の子ならば賢い子だ、と褒められるような場面でも「お嫁に行けないよ」という言葉で脅迫されてしまう。「お嫁に行けない」という言葉は女の子に対しては負のインセンティブとして働き、いけないこととして刷り込まれていきます。
男性はセロトニンの合成能力が高い。つまり、女性と比較すればやや楽観的なので「明日でいいものは今日やらなくてもいい」などと思ってしまい、仕事や頼まれた用事などをすぐにやらない傾向にあります。~中略~逆に、女性は理屈をこねるよりもまず恐怖感や不安感が先に立ってしまい、「たしかに締め切りはまだ先だけれど、何か突発的なことが起きたりして、仕事相手に迷惑をかけたらどうしよう」と不測の事態のイメージが自然に沸き起こって、比較的コツコツと準備する傾向が強いと考えられます。
こ、これは…!
だから頼んだ用事を全く手つかずにして怒られるパターンなのか…!!
※妹夫婦を見ていて、脱いだパジャマを放置する旦那とそれを片付けろと指示することに躍起になっている妹を見たことがある。
これは新入社員の採用試験でも感じる部分で、女性の方が優秀に見えます。受け答えのバリエーションが非常に多い。おそらく、恐怖感や不安感でのリスクヘッジが非常に高い!
新入社員や新しいアルバイトスタッフでも、「やってみたらいいよ」といって実行するのは男性スタッフが多い。一方、女性スタッフは「無理無理無理!わたしなんて無理です~~~~!」のパターンが多い。
これが新入社員の採用面接時には「女性が優秀に見えてしまう」のに、実際に入社してからは「男性の方が出世が速い(早く感じる)」という部分でしょうか。女性はリスクヘッジがうまいので、面接などの場でも様々なバリエーションで受け答えができます。女性はどんな質問でもスラスラ答えてみえますが、男性はその場で考えているので、結構余裕なく見えてしまうことが多いかと思います。(それがダメなわけではありません)
でも、こういったメカニズムを少しでも知識としてもっていると、自分が女だから、相手が男だから、と悲壮感に苛まれることも少なくなるきっかけになるんじゃないかな。
現代でも、多くの会社は男女一緒に働いていて、女性の管理職を増やそうとパーセンテージばかり見てますが、それぞれに良いところがあるので、その個性をどう生かすか、が重要になります。
脳科学的での見解も、組織やチームを円滑にしていくためにはやっぱり必要になるな、と勉強になりました。