商売の仕方
運転中のお礼ハザードをどの程度まで点滅させればいいか、を毎回少し悩む高田です。たまに悩みすぎて一瞬しか点滅しなかったときに「ごめんなさい!」と思います。
今日は着物屋さんに呼ばれて、どこぞの京都のお店が倒産し、その倒産セールで掘り出し物があるから来て!とのことで、買うつもりないですが自社の新店のセールスもしたかったので(←)、午前中のFCM検定後にお店へ。
お店の人も基本的にすこぶる良い方なんですが、いつもこの着物の買わせ方に疑念をいただきます。
よく、「着物って買わされる」「怖い」という話を聞きますが、まさにそうです。
寄ってたかって、職人さんだの社長さんだのが着物の説明をしていきます。50代以上が多いので、圧迫感あります。
「この生地はもう職人がいなくて、もう織れる人がいない」
「この技法ができるのは、日本にあと一人しかいなくて、高齢者で…」
「この色はなかなか出せない、渾身のもの」
「これは将来作れる人がいなくなるから、価値がすごくあがる!」
「似合うわ〜!これはなかなか着こなせないわ!」
などなどなど、その着物がいかに素晴らしいか、この業界はどれほど職人が不足していて価値があがるか、そんな価値のある着物を着こなせるアナタはどれだけ素晴らしいか、と、大人が3~4人くらいでずっと話してくるわけです。
図太い人ならどうとも思いませんが、20代から30代のまだそこまで社会経験も高額な買い物をしていない年代は「恐怖」でしょう。
実際わたしも毎回怖いです。笑
断りにくいし。
なので、着物こそ「試着専門店」があったらいいです。
無料で本当に「試着だけ」して、金額にびっくりして、でもその価値はこうこうこうで…とツアー的なものにして、本当に買いたい人がきちんと適正価格で買えるようにする。やっすい着物からでいいんですよね~。ほとんど言い値なので、着物なんて。
でも、わたしは基本好きなので、少し(いや、相当?)無理してでも欲しいものは買います。妹がいるので一緒に着る事もできるし、そして歳をとってもバチバチな粋で素敵なばあさんになりたいな、と思っています。
商売の仕方は業界それぞれですが、共通しているのは「提示した金額以上の価値があるかどうか」であって、100万円の着物も、買った人が200万の価値がある!と思ってしまえば買うわけです。
(さすがに私はこんな額の着物買えません)
この200万の価値、というのはその人の自分軸になりますから、例えば着物を着てお出かけすることで注目を浴びて嬉しい!ということに価値を感じるなら、それもまた一つ。
将来、価値が上がったときに転売したら200万になる!!という考え方もまた一つ。(着物はそんなに高く売れにくいですが、反物はまだ売りやすいらしいです)
商売人は「この人は何に価値を感じるか、そのワードはなにか?」を、着物を試着しているという時に脳みそフル回転で考えなくてはいけないのです。なので、昔からの馴染み客というのはキャラクターがわかっていて、何に価値を感じるか、が手に取るようにわかるから高くてもポンポン買う人は買う。
これはフィットネス業界も一緒で、よく会費以上の価値提供、と言われますが、それが一体なにか?は人それぞれなわけです。
ですがこの業界は「調子よくしたい」とか「健康になりたい」とか、マイナスをプラスに変化させる、ということをターゲットにしています。
チラシの宣伝も、
運動不足のあなた!
最近、お腹が出てきて困ってませんか?
肩こりを解消したい人はこれ!
みたいな感じですね。
ターゲットはめちゃくちゃいるわけです。
みんな何かしら不調は持っているので、そのどこにフォーカスするか?特に総合店はここをきちんとセグメントしてバランスをとっていかないと、ごく一部のワガママなお客さんのご機嫌取りだけで一日が終わってしまいます。
どこの誰にフォーカスするか、そしてその人に何を提供するか。
今日のオンラインでも、理解してるつもりで全くしてなかったことを教えてもらいました。
できてないことは反省し、できてたことは次につなげる。これを繰り返して、将来はバチバチの粋なばあさんになりたいと思います!
こないだのパーティーの乾杯の写真が、ちっさく雑誌に載せてもらえたようです🤭
ー美しいキモノ 2020年冬号ー