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過去に触れて-2024/05/11

明日葉のお浸しを口に運ぶと、ふと過去の情景が目に浮かんだ。私の隣や前にいる学生と睦まじく会話をし、円卓を囲んでいたあのとき。聞こえる声。照明の明るさ。自分の座っていた場所。一瞬だけ、トリップしたように蘇って、私の涙腺にやさしく触れては去っていった。

ああ、私は無くなってない、失くしてない。
これまでのことはずっと私の中に在り続ける。
大好きな人たちのこと、大好きな時間、
初めて素直にありがとうと言えたこと、
私を励まし常に支えてくれたこと。
間違いなく私の人生に輝きが溢れたあの瞬間。

もし元に戻らなくても、理想の私を作ることができなくても、それでも新しく生きていたい。また始めればいい。今までの理想はわりかし達成できたみたいなものなんだし、いっそまた違うイデアを目指し始めるのも悪くないんじゃないの。そしたらまた違う光を見せられる気がする。

今日はまだ、そうやって今までを翻せない。
けど、そう思えるようになる日は案外近いんだといまは信じることにする。

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