時間が奪われていた。
昨年の私は、
「小説が書けない!!書きたいのに書けない!!書けないまま時間が過ぎてしまう!!このまま死んだら私は成仏できない!!絶対に化けて出る!!」
と思っていました。
ゲームやってても、とにかく「時間を無駄にしてしまった」という罪悪感に襲われていました。
他人に読書を勧められたら、「自分が書けないのに読んでる時間ない!!」とパニック。
年末に一念発起して、奈須きのこ先生の『空の境界』を未来福音まで読破しました。
…………半年かかりました、半年。
半年かけて、何度も挫折しながら『空の境界』を読んできて、ひとつ気づけたことがあります。
私は、
「私の時間は理不尽に奪われるモノ」
だと思い込んでいました。
原因は子供の頃。
私は漫画、小説、アニメ、ゲームはもちろん、全ての創作活動を禁止されていました。
「漫画を描くのはダメ」という生易しいものではなく、書道・音楽・美術の3択の選択教科で美術を選んで叱られていました。
ではなかったです、原因は。
私も完全に原因はこれだと思っていました。
実際に読書をして、尚且つ発達障害の自分、アスペルガー症候群の自分を見直してやっと気づきました。
私、発達障害だったんです。
アスペルガー症候群だったんです。
で、
アスペルガー症候群の自分を認められなかったんです。
“普通の人間”にならなきゃとめっちゃくちゃ強がっていたのです。
……無理なのに。
此処に気づいてやっと、思い出しました。
物語を楽しめなかった、創作活動できなかった、選択教科で美術を選んだだけで叱られたから、当然美術部に入りたいなんて言えなかった、
だけ
じゃなかったんです。
そんなに単純な問題ではありませんでした。
小学生の頃は、代わりにそろばんを習うことを強要されていました。
中学以降は、運動部に入ることを強要されていました。
繰り返しますが、私はアスペルガー症候群です。
・不器用。
・今だに靴紐がまともに結べない。
・作業が遅い。
・動作が遅い。
・計算が遅い。
・過集中しがち。
・過剰適応しがち。
・空間認識力が低い。
・疲れやすい。
・謎の体調不良に悩む。
・生理周期によって、アスペルガーの特性が強く出る日と普通の人のように行動できる日がある。
・運動神経が鈍い。
・空気は読むものではなく、考察と解読するもの。
今更ながら、「そろばん」と「運動部」は地獄でした。
よく頑張ったよ、チビひよの。
今、全力で抱き締めてあげたいよ、チビひよの。
ありがとう。
頑張ってくれて本当にありがとう。
話を戻します。
「好きなことややりたいこと、興味があることを自由にやらせてもらえなかった」
+
「苦手なことや大嫌いなことを強制的にやらされて、当然周りよりできないから自己肯定感がガリゴリ削られていた」
=
「私には時間がない」
「私の時間は理不尽に奪われるもの」
こうなってしまっていました。
こんなプログラムが組み込まれていた結果、「ゲームをすると謎の罪悪感に苛まれる」
「絵やイラストを描いて下手さを目の当たりにして、SNSに流れてくるレベルの絵が描けるようになる為にはかなりの時間が必要だと痛感した時点でゲロオエ状態」
「小説が書きたくても書けないんだから読んでる時間なんてないという謎パニック」
に陥っていたんです。
もっと言うと、
誰かが休んで代わりにその日に出勤しなければならないという状況が自分の想像以上に苦痛でした。
それが当たり前だと思い込んでいましまし、普通の人みたいにならなきゃいけないと思い込んでいたので素直に受け入れましたが、今思うと「また私の時間は理不尽に奪われた」と怒りと悲しみと憎悪が内心渦巻いていてハンパなかったです。
よく頑張ったよ、ひよの。
本当によく頑張ってくれたよ、ひよの。
もう頑張らなくてもいいからね。
我慢しなくてもいいからね。
時間は24時間365日自由に使っていいし、思う存分好きなことしていいからね。
もう誰も、あなたの貴重な時間を奪ったりしないから、安心してね。
もう大丈夫だよ。
実際問題、
時間はお金よりも貴重。
私たちにとって一番貴重なものは時間。
です。
この世界、大抵の物事はお金で何とかなります。
…………が、時間だけはどんなにお金を積んでも取り戻せません。
自分の時間を大切にする。
自分が自由に好きなことをする時間を作ってあげる。
その自由時間に「好きなことを思う存分していいよ」と許可してあげる。
というのはとても大切なことですし、
自分の時間を大切にすればする程、人は他人の時間も大切にするようになる。
と思います。
自分の時間を大切にできるようになって初めて、
職場の人が「この日どうしても休みたい」と言ったら、
本心から「じゃあ代わりにでますよ」と、
初めて笑顔で言えるようになるんです。
前提が逆でした。