大手パートナーと連携する上でパートナーセールスが担うべき役割
皆さんこんばんは。
パートナーセールスの葛西です。
メーカー(ベンダー)のパートナーセールスの方であれば、営業人員数の多い大手パートナー企業と連携して、自社サービスを担いでいただきたいと考えられるのではないでしょうか・・・?
今週は複数事業部を持つ、または複数拠点を持つような大手パートナーにおける組織構造と連携していく上でのパートナーセールスが担うべき重要な役割について書かせていただきます。
前提となるこの組織構造を理解していないと、大手パートナーのアカウントプランの作成や大手パートナーの情報の蓄積・管理面において大きな間違いを抱えたまま進んでいくことになってしまうため、注意が必要です。
※アカウントプランとは?という内容については本noteでは言及しません。
というのも、アカウントプランに関する記事は多少出ているため。参考までに才流さんのアカウントプラン作成の記事を貼っておきます。
大手パートナーの組織構造における前提の考え方
複数事業部や複数拠点を抱えるような大手パートナーの場合、「1事業部=1社」「1拠点=1社」とカウントするという考え方が非常に重要です。
メーカー(ベンダー)側の企業においても複数事業部や複数拠点があったりすると、事業部間・拠点間の連携が取れてない、事業部を超えたクロスセルが全然進んでいないなんてお話はよくありますよね?
それと同じで、大手パートナー(大手代理店)の場合でも同様に、
隣の事業部がどんな戦略・戦術で走ってるのか知らない
他の拠点で●●サービスがどれだけ売れているか知らない
他の拠点で●●サービスをどうやって提案しているのか知らない
といった具合に、他の事業部や他の拠点の情報が全く入っていないといったケースは非常に多いです。
故に、大手パートナーのアカウントプランの作成、大手パートナーの情報の蓄積・管理面などを考えていく上では「1事業部=1社」「1拠点=1社」、要は1事業部ごと・1拠点ごとでもはや「別の会社」であると見立てた方が良いです。
※全事業部・全拠点を含めて1つの会社であると見立てて戦略・戦術を立てると大火傷を負います。
なぜ事業部間・拠点間の連携が取れなくなるのか?
当たり前ですがこれは大手のパートナー(代理店)だからというわけではなく、大手のメーカー(ベンダー)でも同じです。
多数の事業部や多数の拠点が出てくると、各事業部ごと・各拠点(エリア)ごとによって全く戦略・戦術も異なってくるため、当然追っているKGIやKPI、評価指標、注力商材等もいろいろ異なってきます。
このように各事業部・各拠点で事業方針が異なり、追っている指標も違ってくると現場の営業マンは他の事業部・他の拠点に興味・関心は無くなっていきます。
また、事業部長レベルでさえも自分の管掌する事業のことしか考えないとなってくると、他の事業部・他の拠点から事業を伸ばすためのヒントを得ようというような考えに到達せず、事業のトップが他の事業部・他の拠点に興味・関心が薄れて連携がなくなっていくと、当然現場の営業マンも必然的に横の連携が薄くなっていきます。
大手パートナー企業のアカウントプランの作成について
結論、大手パートナーのアカウントプランの作成については、基本的には各事業部や各拠点ごとに分けて作成すべきです。
※ただし、トップ同士の会社対会社のお付き合いの場合(パートナー側も自社側も社長・役員が出てきて会社同士でがっつり組む場合)は、アカウントプランは全社をまとめたアカウントプランも作成しましょう。
理由としては上述の通り、各事業部・各拠点ごとに事業戦略や戦術が異なったり、追っているKGIやKPI、各種指標が異なっていたりするためです。
また、拠点という観点では、各エリア特性などもあるため、エリア特性に応じた戦略・戦術が確実に立てられています(メーカー側の各拠点も一緒ですよね?それと同じです)。
だからこそ、大手パートナーの各事業部や各拠点をまとめて1社と考えてアカウントプランを作成してしまうとパートナービジネスの初手の段階で最初から大きく失敗するリスクが高くなってしてしまいます。
アカウントプランは各事業部や各拠点ごとに分けて作成し、1つの事業部・拠点で成功したらその事例・実績を横展開していくようにしましょう。
※ただ、この横展開がうまくいく事業部・拠点もあれば、うまくいかない事業部・拠点もあります
大手パートナーの情報の蓄積・管理方法について
NotionやConfluenceのような情報共有ツール、CRMなどに大手パートナーの情報を蓄積・管理していく際も、基本的には各事業部や各拠点ごとに分けて情報蓄積・管理すべきです。
理由としてはアカウントプランを分けて作成する理由と同様です。
加えて、各事業部ごとや各拠点ごとに分けて情報を蓄積しておかないと後から情報を遡ったり、施策・活動を振り返ったりする時に情報を探す工数がかかります。
CRMで管理される場合は、取引先ページを各事業部ごとや各拠点ごとで作成しまうか、または本体の取引先ページに紐づける子会社を管理するような形で、本体にぶら下げる形(オブジェクト項目を別で用意する等も含め)で管理されることを推奨します。
※このあたりを書き始めるとさらに長くなるため、詳細は割愛します。気になる方は質問ください!
また、さまざまなデータの蓄積においても、例えば「Z社の受注はパートナーA社の東京拠点経由」「Y社の受注はパートナーA社の大阪拠点経由」といった具合に、事業部別や拠点別での数字集計・分析ができるようなデータ設計にしておかないと、該当の大手パートナー企業全体での数字でしか集計・分析ができなくなったりしてしまいます。
ですので、各事業部や各拠点ごとに分けて情報蓄積・管理ができ、各事業部や各拠点ごとで数字集計・分析ができるように全体の管理・オペレーション設計を初期段階からしっかり考えておかなくては後からさまざまな面倒が生じます。
大手パートナーとの連携においてパートナーセールスが担うべき役割
ここまで述べてきたように、大手パートナーになると各事業部・各拠点をそれぞれ「別の会社である」と捉えた方が得策です。
一方で、この事業部間・拠点間の連携不足は大手パートナーの経営陣レベルになると、ほぼ確実に課題視している組織課題です。
だからこそ、その大手パートナーのさまざまな事業部・拠点に出入りするパートナーセールスこそができる役割として、「事業部間や拠点間の橋渡し役・潤滑油」としての役割を担うことが極めて重要であると私は考えています。
ただし、ここでいう橋渡し役・潤滑油は、例えばA事業部での自社サービスの受注事例をB事業部・C事業部に展開するといった自社サービスに関する事例・実績の共有だけに留まりません。
大手パートナーを担当しているパートナーセールスの方でしたら、担当する事業部(拠点)の部長(拠点長)が抱えている事業課題、マネージャーが抱えている課題、現場の営業担当が抱えている課題、ほぼ把握されてますよね?
さらには、「A事業部での●●の取り組みが成功している」「B支店での◾️◾️の施策が大失敗した」というような、各事業部・各拠点の成功事例や失敗事例もいくつか聞いていることが多いのではないでしょうか?
このようにさまざまな事業部・拠点での課題や成功事例・失敗事例を把握しているのがまさに真のパートナーセールス。
そして他の事業部・拠点の課題や成功事例・失敗事例をパートナーセールスが率先して各事業部・各拠点へ共有し、事業部間・拠点間連携を促進できれば、その大手パートナーが事業成長する可能性をさらに高められるでしょう。
また、パートナーセールスが間に入ってその大手パートナーの事業部間・拠点間連携が促進されて事業成長に貢献できれば、その経営陣からの印象もさらに良くなり、より大きな会社対会社での連携に拡げられる可能性も高まるかと思います。
まとめ
今回のnoteは少しコアな内容になりましたが、いかがでしたでしょうか?
端的にまとめると、今回のnoteで伝えたかったポイントは下記です。
パートナービジネスにおいて複数事業部や複数拠点を抱えるような大手パートナーの場合は、「1事業部=1社」「1拠点=1社」とカウントすること
「1事業部=1社」「1拠点=1社」という前提のもとで、アカウントプランの作成や大手パートナーの情報の蓄積・管理をすること
パートナーセールスは大手パートナー企業の事業部間・拠点間の橋渡し役・潤滑油となれ!
ただ、このnoteに書かせていただいたパートナービジネスにおける情報は、私が知る限りWeb上や書籍では見たことがありません。
だからこそ、これからパートナービジネスを開始される皆様、パートナービジネスを再構築している皆様には特に知っていただきたく、より深いコアな内容にはなってしまいましたが書かせていただきました。
これからもパートナービジネスの本やWeb上の記事には書かれていないような内容を中心にnoteを更新していけたらと考えております。
それではまた次回の更新もお楽しみに!
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