【実話】卵アレルギーの女児が、誤食をしてしまった失敗談。
以前、私がアレルギーを持つ男の子を3年間担任していた時のお話をご紹介しました。
まだ、ご覧になっていない方は、こちらも是非ご覧ください。
そして、この記事の中で、実際に保育現場で食物アレルギーを持つ子が誤食をしたという話に触れました。
今回は、どのような経緯で誤食が起こってしまったのか、お話ししていきたいと思います。
子供に危険な目に合わせてしまったという事実は覆ることは出来ませんが、決してその場にいた保育教諭を罰するためにお話しするのではありません。
起こった実際の出来事を記録に留め、二度と同じような誤食を繰り返さないために、自分に何ができるのか振り返り、気に留めるきっかけにもしたかったので、記録に残す旨をまずはご理解いただけたら幸いです。
1.誤食が起きた時の状況
日にち:8月中旬(職員のお盆休暇中)
幼児数:3~5歳児が60名前後
職員数:6名
『給食時の状況』
4歳児クラス25名と担任以外の職員が2名
卵アレルギーを持つ女児が1名いた=Aちゃん
『給食のメニュー』
ご飯
ハンバーグ
ひじきの煮物
野菜スープ
2.給食時からAちゃんが降園するまでの状況
4歳児の子供たちが、職員が配膳するところに、お皿を持って並び給食をそれぞれもらっていた。
給食を配り終わった後に、アレルギーの献立がないことを職員同士で確認し、子供達全員に給食が行き届いたことを確認して給食の時間にした。
着替えをし、午睡の時間になったときに、Aちゃんが「お腹が痛い。」と職員に訴える。
職員がトイレに行くように促すとAちゃんはトイレに行ったが、その後他児と同様に午睡をする。
起床後、Aちゃんがお腹が痛いということはなく元気に過ごしていた。
そのまま18時頃、迎えにきた母親とAちゃんは降園。
【翌々日】
職員がお盆休暇を明けた日。
Aちゃんの母親が担任に以下を報告。
2日前、Aちゃんが家に帰ったらお腹が痛いと泣き喚き、肌も赤い湿疹が出ていたため急患を受診したら、卵アレルギーが発症していると発覚。
昨日も通院だったために、保育園を休んでいたことを報告された。
今日も経過観察をしたいことと、給食を食べることを本人が怖がっていることから、午前中のみ預けるという旨を聞く。
Aちゃんの母親は、感情を露わにして非常に怒っていたとのこと。
ここで、園側の誤食が発覚した。
3.園側が起こしたミスとは?
このアレルギーの誤食が起こった事案は、即職員会議で報告されました。
そして、翌日職員皆で誤食の原因を考えたのち、どうしたら誤食を防げたのか話し合いを行いました。
私が考えた誤食の原因となった行動も含まれています。
Aちゃんのアレルギーの事情をよく知っている担任が不在の日だったこと。
担任から担当職員へ、献立の除去が伝達されていなかったこと。
アレルギーの詳細が載っている献立には、ハンバーグのつなぎに卵が使われていると書かれていたが、一般の子供に配布する献立には記載されていなかった。
母親、担任がともに、卵が使われていることに気づけなかった。
当時その場にいた職員は、お互いの口頭のみでの確認で終わってしまった。
Aちゃんが腹痛を訴えた時に、湿疹の有無を確認していなかった。
Aちゃんが腹痛を訴えたことを、迎えにきた母親に伝えていなかった。
(一時的なAちゃんからの訴えだったので、職員は重く受け止めていなかった。)
4.園側がその後徹底した対策
職員会議を踏まえて、園側が改善した行動は以下の通りです。
朝礼時、献立表を職員全員が持ち、受け持ちの子供が本当にアレルギーがないか確認をする。
アレルギーがある場合には、献立表にマーカーで印をつけ、黒板に記載する欄を設ける。
(これは、私がクラスで行っていた対策が紹介され、園内に徹底されました。)
些細なことでも、日中子供の変化があった場合には、お迎えの時に必ず伝える。
職員が違う場合には、職員同士で伝達を忘れない。
5.Aちゃんの母親との和解
職員会議後の数日後、園長、担任、誤食が起きた時にいた職員、Aちゃんの両親で懇談が設けられました。
(その場にいた職員からの報告になりますが、)
Aちゃんの母親は、感情的になってしまったことを謝まっていたそうです。
そして、娘の一件でここまで親身になり即職員周知をしてくださったことに感謝していたとのこと。
食物アレルギーは、一歩間違えれば命取りになるので、改めて娘のように誤食をすることがないようお願いしたいと言われてました。
6.私がこれから気をつけたいこと
以上がAちゃんのアレルギー誤食の一件になります。
食物アレルギーとは、症状の現れに個人差が大きく、命を預かっている保育現場としては、他人事ではない問題だ思います。
ましてや、誤食が起きた園で勤めていた身として、「明日は我が身」ということを肝に銘じ、何十にも重ねた確認を怠らないことが大切だと感じています。
実際に起こった食物アレルギーの誤食の一件を通して、何か感じ取っていただけたのなら、幸いです。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました♪