都議会議員選挙は都民ファーストの会が守りに成功、自由民主党はより公明党頼みに
東京都議会議員選挙が終わりました。選挙結果を眺めていると雑多な感想が湧いてきます。記録として素人の感想を並べておこうと思います。
東京都は感染者数が増加傾向にある状況であり、オリンピックの開催を控えている状況での選挙となりました。秋には衆議院議員選挙も控えており、前哨戦とも言われていました。情勢的に注目する要素は十分にあったと思います。しかし投票率は42・40%と低めでした。あまり注目されておらず盛り上がりに欠ける選挙だったかと思います。
選挙結果は日経新聞も産経新聞も「自公、過半数届かず」という見出しで伝えていました。事前の世論調査などの結果から自由民主党が再び第1党に復帰する予想はされていました。一方で前回の第1党であった都民ファーストの会は惨敗すると予想されていました。専門家によっては都民ファーストの会は2桁議席も難しいのではと予想されていました。結果は自由民主党が33議席、都民ファーストの会が31議席と拮抗しています。
自由民主党と都民ファーストの会が拮抗した結果、公明党の存在感の大きさが改めて明らかになりました。23議席を難なく獲得した公明党がどちらに付いていたかで、都政与党がどちらになっていたかが決まりかねない状況でした。自由民主党は公明党に救われたと読めます。自由民主党を指示する保守系の論客は公明党と縁を切ってほしいと願っている方が多い印象があります。残念ながら自由民主党はますます公明党に足向けできなくなりました。少なくとも秋の衆議院選挙ではしっかりと協力して臨むことになるのでしょう。
都民ファーストの会が想像以上に議席を守りました。小池都知事の人気が表れでしょうか。それも要因の1つでしょうが、選挙戦略が上手だった印象があります。あまり勝負せず、選択と集中で議席を獲得していました。
例えば私が所属する板橋選挙区では、前回は都民ファーストの会から2名が立候補し、2名とも当選しました。今回の選挙は、前回のトップ当選であった木下富美子氏のみが立候補して議席を獲得しています。ただし獲得票数は大きく落としています。前回は3万9230票だったのに対して、今回は2万9767票でした。板橋区でぎりぎり落選した候補者が獲得した票数は2万4066です。都民ファーストの会が前回と同様に2名を擁立していたら、票が割れて落選していたでしょう。他の選挙区を見ても、過剰な擁立は避けてた印象があります。このように守りの戦略を上手に使えていたのだと思います。
今回の選挙を通じた総合的な感想としては「下馬評が当てにならない」です。前回の都議会議員選挙でもそうでしたが、都民ファーストの会が意外と伸びました。影に隠れていますが、立憲民主党も共産党との共闘を生かして多くの議席を獲得しています。世論調査では都民ファーストの会も立憲民主党も共産党以下でした。この結果を予想できる要素は少なかったのだと思います。秋には衆議院選挙も控えています。感染症対策が進んで東京オリンピック・パラリンピックでひと盛り上がりした結果としてどの様な風が吹くのか、楽しみにしたいと思います。