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知らずに利用していた「ゲインロス効果」と気をつけるべき「初頭効果」

ゲインロス効果

昨日の記事『100日後に死ぬワニが炎上したのは「アンダードッグ効果」を見誤ったせいだという説』で出てきたゲインロス効果について改めて調べてみました。ゲインロス効果というのはとても身近な現象です。いわゆるギャップ萌えです。

ゲインロス効果は好印象と悪印象の一方からもう一方に振れると、振れた先の印象により強く寄ってしまう現象です。好印象から悪印象に振れると必要以上に悪印象になり、悪印象から好印象に振れると必要以上に好印象になります。ギャップ萌えというのは悪印象から好印象に振れた際のゲインロス効果です。

色々と例を調べた結果、私はこれをかなり意識して生活をしていたと気が付きました。

スーツなどフォーマルな格好を避ける

私は本当に必要なと時かスーツやビジネスカジュアルといった服装を避けます。これは単に好みの問題ではありません。負のゲインロス効果を意識した結果です。

私は上背があり表情が堅いので、割と真面目そうな第一印象を抱かれやすいです。そんな自分がスーツを来てしまうと鬼に金棒となってしまい、かなり強力な「真面目」な印象を与えてしまいます。

実際に真面目な方ですが、私は割と怠惰を好みます。時間や宣言を守らないずぼらな行動をとるのは珍しくありません。この一面を見せてしまうと負のゲインロス効果が強く出てしまうのではないかと恐れています。

ゲインロス効果は振れ幅が大きいほど強く出てしまいます。スーツを着こなして真面目でかっちりした印象を与えてしまったあとに、ずぼらな面を見せてしまうと強い悪印象を与えかねません。

結果として初対面から好印象を与えないように心がけています。

ちなみに実際はそれで損をした経験は無いので、ほぼ私の思い込みです。年齢も相応になってきたので、最近はさほど気にする必要はないかという気もしています。

「優しい」という意外な評価

私に関するゲインロス効果として語れる話題がもう一つあります。それは好印象に振れるゲインロス効果です。

私は仕事で会う回数を重ねた後に「優しい」という評価をいただくことがあります。実際は誤解です。私は他人の行動に興味がないだけです。結果として人の失敗をどうしようという感情が起きず、失敗は仕組みの問題として対処することが多くなります。(これについては職業柄という性質もあります。)他にも細部で心当たりはありますが、概ねこの勘違いの積み重ねです。

私は無表情で真面目な印象を最初に抱かれやすいです。それが頑固で小難しそうという第一印象にも繋がっているのだと思います。その第一印象からは「優しい」という評価は大きく差があります。

結果として好印象としてのゲインロス効果が働いているのだと考えます。

ゲインロス効果を使う際の落とし穴・・「初頭効果」

以上のように私はゲインロス効果を意図せず使って自身の個性を確立していました。我ながら上手く論理的に振る舞っていたのだと感心しました。ただ、私の例のような使い方においては注意が必要だそうです。注意のために知っておくべきが「初頭効果」です。

初頭効果は最初に得た印象を長く保持してしまう現象だそうです。一説によると初対面の最初の10秒で得た印象は半年は抱いたままになるそうです。

先述の通り、ゲインロス効果は好印象と悪印象の差が大きいとより強く表れます。だからといって、初対面で悪すぎる印象を与えるのは悪いというのを初頭効果が示しています。

先に『年齢も相応になってきたので、最近はさほど気にする必要はないかという気もしています』と書きました。これは無意識に初頭効果を気にしていました。

私がフォーマルな格好をすると真面目そうな印象を与えすぎると書きました。それは私が若かった頃だったからより強く表れてたのだと思います。『若いのに真面目そう』とうのも未熟(悪印象)から真面目そう(好印象)へのゲインロス効果です。初対面だけでゲインロス効果による好印象が発揮できていたようです。

しかし私も30代半ばになりました。流石に「若いのに」という単語は付かない年齢です。それどころか、年齢の割にダサい格好をしているという負のゲインロス効果による悪い初頭効果が付けられかねません。非常に考えものです。

心理学の用語を調べていると「実は身近に存在していた」現象を再発見できます。ゲインロス効果は今まで調べてきた中で最も身近な現象でした。しかし現象として知っているのとそうではないのでは捉え方が変わってきいます。

無意識に利用していたゲインロス効果ですが、使い方に注意していこうと思います。

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