本当にケガがクセになりやすい?
いつも1ヶ所のコーナーを曲がる時に、内側に寄りすぎて擦ってしまう車があるとします。この車のドライバーは、次は擦っても大丈夫なように、バンパーを強化したり、新たな部品を取り付けたりと試行錯誤を重ねます。
その結果車は、何度か擦ったとしても修理が必要なほどのダメージは受けなくなります。ドライバーは安心して、更にコーナを曲がるスピードを上げたり、何度も何度も擦りながら運転します。
ここまで読んでいると「いやいや修理の前に曲がり方変えろよ(笑)」と思いませんでしたか?
思いましたよね?
そうなんです。目に見えているモノに関しては、当たり前に“擦らないように曲がり方を変える”という選択肢が現れます。
では繰り返すケガは?
繰り返す選手の多くは“もう2度と発症させないように”とインナーマッスルを強化してみたり、患部のケアを行っています。
それでも残念ながら繰り返し発症してしまう。
理由は簡単。曲がり方を変えず、一生懸命部品を強化していたあのドライバーと同じことをしているから。
使い方を変えず、一生懸命筋トレやケア、テーピングなどをしても結局繰り返す。競技レベルや筋力が向上する事で、更に速くコーナーを曲がり、更に強く擦る。そしてやっぱり壊れる。
この繰り返しは選手にとって肉体的にも精神的にも大きなストレスとなり、最悪の場合、競技の継続を断念、日常生活にすら支障をきたす場合もあります。
だからこそ、目先の対処療法ではなく、“使い方を変える”という根本療法を。
球数制限や登板間隔の話なども必要ですが、もっと根本的な所に目を向ける事が重要です。