創作小説『やせたいオトコノコ。』 第5話 大優勝じゃん
食事にも気を遣うようになったことでダイエットも絶好調に。そしてついに決戦日を迎える――
10月になり、待ちに待った体育祭も近づいてきた。晴太郎が出場する種目も決まった。その中のひとつには彼の得意なバレーがある。
ようやくクラスに馴染めるようになってきた彼は、放課後に近所の体育館を借りて新たな級友と共にバレーの練習に励んだ。
そしてダイエットを始めて早4か月。
実はこの運命の瞬間を迎える前に、彼の体重は目標の50kgを達成し、その後に40kg台に突入したのだが、彼にとっての一番の課題はそこからどれだけ減らせたかということなのだった。
体重計に乗ろうとしている足は自分でもわかるくらい震え、月並みな表現だが今にも心臓が口から出そうだった。
「46.0kg」その数字が目に飛び込んだ瞬間、晴太郎は叫んだ。たった4か月の間で目標よりも4kgも減らすことができた。連日のバレー練習が功を奏したのもあるかもしれないが、今までの努力が実ったことを嬉しく思った。
そして目標を達成した後も徹底的に食事に気をつけ、ぬかりなく筋トレに打ち込んだ。
その数日後、かつて晴太郎がクラスに馴染めずにいた頃に彼のことを気にかけてくれた空がクラスの男子全員分の鉢巻を買ってきてくれた。白地に青いラインの入ったクラスTシャツによく似合う白い鉢巻。晴太郎はますます体育祭が楽しみになった。バレーの練習も日に日に白熱した。
いよいよ体育祭初日。3年3組の男子バレーのチームは順調に決勝へと駒を進めた。
たまにピンチになることもあったが持ち前のポジティブシンキングと団結力で乗り切った。試合の前には必ずチームのみんなで円陣を組んだ。
そして決勝戦。今までチームで組んでいた円陣を担任の先生を含むクラス全員で組んだ。団結力が一層と増した中、男子バレーでは見事に悲願の優勝を収めた。
彼にとっての目玉であるバレーが終わった後もバスケやバドミントンなどといったほかの競技の応援に回った。また彼は男子バスケのチームにも入り、予選敗退という形にはなったものの持ち前の運動神経を発揮した。
体育祭は2日間日程だったが、2日目のリレーの決勝の応援が終わった後に級友たちと青空をバックにして撮った写真もいい思い出となった。
体育祭の全工程が終了し、クラス全員は来られなかったものの打ち上げをした。
そこには女子が多くいて、元来女子が苦手だった晴太郎ではあったが彼と同じくゲームが好きな女子が比較的多かったもあり、溶け込むことができた。また去年のクラスとは大違いで、体育祭以前から男女仲はかなり良かった。もちろん男子との仲も一段と深まった。
みんなで頑張ったし、大優勝を収めた今日という今日はチートデイだ!と思い、コーラで乾杯をし、焼肉をたらふく食べた。
その後、大満足で帰宅した晴太郎はインスタを開き、友達のストーリーを見るが、彼は複雑な気持ちに陥ることになる・・・
~筆者談~
THE・青春!な第5話でした~🌟
執筆しながら高校時代の体育祭のことを思い出してしまったのはここだけの話です笑 クラス一丸となっての応援もクラTも何もかも懐かしい😂(1年前はJKだったのにもう遠い過去のように感じる・・・)
かねてから目標にしていた体重を達成、そして目標より4kgも減らすことができた晴太郎でした。そして体育祭では得意のバレーで優勝、クラスメイトたちとも思い出を作ってご満悦な様子ではありますが次週からまさかの急展開・・・!?
最後はハラハラドキドキになってしまいましたが、次週も読んでいただければ幸いです。✨
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