創作小説『やせたいオトコノコ。』 後書き
こんにちは。創作小説『やせたいオトコノコ。』を執筆しました、璃衣です。
先日もお伝えした通り、この小説を通して伝えたいこと、元となったお話やちょっとした小話などなどを後書いてみようと思います。
まず初めに、ダイエットや体型のことで悩むのはどっちかというと女の子に多いのにどうして主人公は男の子にしたのか疑問に思う方もいらっしゃることと存じます。
その理由は、そのようなことで悩むのは女の子だけだというイメージを払拭したかったからです。自分の体型のことで悩んでいた晴太郎のモデルが男の子だったのもありますが、その時点で実際にそのような悩みを抱えているのは女の子だけではないと証明できますし、上述のジェンダーバイアスに違和感を覚えたのでそうしました。
この時期に小説の投稿に踏み切った理由については、春休みや新学期が近いのでその機会を利用してイメチェンや自分磨き、あるいは高校デビューや大学デビューなどする方も少なくないと思ったからです。
私はこの小説を通じて俗に言うダイエットを勧めたり逆に否定するつもりは一切ありませんが、自分磨きやイメチェン、高校/大学デビューを成功させるにはダイエットすべき!と謳っていることも多く、もしするのなら無理はしないでほしいとの意味を込めました。
ダイエットで無理をするのは不可能だろうと思えど、最終話の筆者談でも書いた通りダイエット含め自分磨きやイメチェンは無理や我慢ではなく工夫が大事だというメッセージもこの小説で併せてお伝えしました。皆様の心に響けば幸いです。
また、痩せれば必ず綺麗になれるという考えも世の中に広まってしまっているとつくづく考えることもあります。そのような考えを持ってダイエットに励む方は美意識が高くて素晴らしいと思いますが、やはりそのことに囚われすぎると晴太郎のようになってしまうのではと心配になりもします。
友達と一緒にダイエットを始めるという話も聞くことがあります。誰かと一緒に頑張るのもモチベーションを上げるのにはいいことですが、相手よりも体重を減らそう!と思い、無意識に競ってしまうことも考えられますし、そうなっては心身を害することに繋がりかねません。体格や身長、必要な栄養素量や運動量は人によって大きく異なります。なので人と比べるようなことはせず、自分のペースを保つのが一番です。
また、ダイエットで自分の容姿を変え、成功を掴んだ人はモテる(可愛くなる/綺麗になる/友達が増えるetc)ためには痩せろ、などということがあります。当の本人は自分の成功体験からそのような発言に至るのだと思いますが、この小説の晴太郎の例を見ればわかる通り一概には言い切れない事実もあるので、言う人は言うんだな〜くらいで受け流すのも時には大切なのかと思います。
さらに、体重そのものを減らそうと数値だけにこだわって痩せすぎても、長期的なスパンで見ると健康に害を及ぼす恐れもあります。そして身内の話にはなりますが私の母も最近ダイエットを始めました。その動機というのも趣味の登山を長く楽しみたく思って体力をつけたり足腰に負担を掛けないようにしたいからということでした。
なので体重をいかに減らすか、というよりは食事バランスを見直したり徒歩での移動を増やすことを心がけるなど、またそれらを普段の生活に丸ごと取り入れて日常化すること、あるいは容姿を良いものに変える面目もアリだとは思いますがそれよりも将来の健康のことに着目して取り組むのが無理のないダイエットに繋がると思いました。
また、上の自分磨きやイメチェンの話と繋がりますが、読者の皆様に知ってもらいたいことがあります。
頑張って容姿を変えるのは素敵なことだと思っています(もちろん、自分の容姿の良いところや好きなところをそのまま生かすのも素敵ですよ!)。私の周りでもそのような人がいて、すごいなぁと感心することがあります。
しかし容姿を変えたとしても、「あの頃は本当に不細工だったわ」「よくそんな顔で外出られたよなぁ」というふうに容姿を変える前の自分の写真などを他人に見せながら、その時の自分を卑下するようなことはしないでほしいです。身近にもネットの世界にも学生時代の卒アルの写真などと共に「芋だった頃の自分でーす」などとわざわざ自分の容姿を低めている方を目にすることがあります。私はその度に悲しくなり、また苛立ちもします。
というのも容姿を変えようとする向上心は褒め称えたいのですが、変える前の姿にも必ず良いところはありますし、それを好きだと思っている人もも少なからずいます。
はたまた、その発言をした人と同じような容姿の特徴を持っていてる人がそれを見聞きしたらどんな気持ちになるか考えてみてください。それにコンプレックスを感じている人でも、逆に気に入っている人でも自分はこう思われていたんだ・・・と負い目を感じ、自信を失ってしまうかもしれません。そもそもそのような人に限らずですがいい気持ちにはならないでしょう。
この小説を読んでくださった方々には、ぜひルッキズムの残酷さについても頭に入れておいてほしいと我ながら存じます。
話は変わりますが、この小説の登場人物の名前には共通点があります(晴太郎に関してはこちらの事情により例外になりますが笑)。
それは、「青」にまつわる漢字を使っていることです。個人的な話になりますがこの小説は元々、私が以前pixivおよびnoteに投稿していた別の小説(現在は諸事情で削除済)の続編として執筆していました。その続編は投稿には踏み切らずに長いこと温めていたものの、その時から登場人物の名前には青にまつわる漢字を入れていました。
シリアスで辛い表現もある作品ではありましたが、そんな小ネタも挟めば読み手の方にも少しは楽しく読んでいただけるのではと思い、このようにしました。私の気持ちがどうか届けば幸いです。
これにて後書きを締めさせて頂きます。1か月の間私どもの小説を読んでくださった読者の皆様には感謝申し上げます。
また先日告知しましたが早ければ来月から私の大学での体験談を元にした小説『大学でオタサーの姫に寄生されかけた話(※仮タイトル)』、また連載時期およびタイトルは未定ですがこの小説の二部作目かつ完結編となる続編も連載しようと考えています。
この度はありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
2022年3月31日 璃衣
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