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北野唯我(著)|転職の思考法

今どうも、読書家のヒデです。

今回はダイヤモンド社さんから2018年6月20日に出版された、北野唯我きたのゆいがさんの『転職の思考法』をご紹介したいと思います。

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本書は、ビジネス小説で物語形式になっているので、とにかく読みやすい書籍です。

そんな本書、『転職の思考法』なんですが、この〝転職の思考法〟というタイトルを聞いて、みなさん少し違和感を感じたりしませんか。

というのも、〝転職〟と〝思考法〟に、どんな関係があるのか、気になった方もいるのではないでしょうか。

一般的に、転職に必要なのは、「知識」や「転職情報」だと言われていると思うんですが、本書では、転職に必要なのは、知識でも情報でもなく、どう選べばいいのかの判断基準、つまり『思考法』なんだと言っているんです。

そして、この転職の思考法は、「一生食べていくための方法論」だとも言っています。

今は、副業、兼業、転職が当たり前の時代になって、誰もが1度や2度は、転職を考えたことがあるのではないでしょうか。

ですが、これだけ転職が当たり前の時代になった今でも、多くの日本の企業では、社内で転職の話をするのが憚はばかられるのが事実です。

著者の北野唯我さんは、そんな状況を破壊して、本書を通じて、すべての人が「いつでも転職できる状態」を本気で作りたいと言っています。

終身雇用が崩壊した今でも、今の会社にしがみつくことが〝安定〟だと、信じている人は少なくないのではないでしょうか。

また、3年も経たずに会社を辞める人のことを、「我慢ができない奴だ」と、古い価値観を押し付ける人も多いのではないでしょうか。

ですが今は、新卒の学生ですら、60%近くがセカンドキャリアを意識して就活をしているんです。

要するに、転職を前提として、就職活動をしているということです。

そんな大転職時代に必要な「一生食べていくための思考法」とは、何なのか。

本書の中から、私がこれだけは肝に銘じておきたいと思った「自分の市場価値の高め方と測り方」「伸びるマーケットの見つけ方」を解説したいと思います。

自分の市場価値の高め方

まず初めに、自分の市場価値はどれぐらいなのかを知ることが大事なんですが、市場価値というのは転職市場において、「自分はいくらぐらいの価値があるか」ということです。

私たちサラリーマンというのは、「労働力」という、ひとつの商品なんです。

転職市場において、自分は一体いくらで売れるのか。

希少性が高く、市場価値が高いのであれば、どこに行っても通用しますし、高い給料ももらえるようになるんです。

自分は転職なんてする気もないし、今の会社にいれば安泰だから、世の中から見た自分の市場価値なんて高める必要はないと、思っている人もいるかもしれませんが、終身雇用が崩壊し、ここ数年で、富士通やUFJ銀行、パナソニックといった、大企業でさえリストラを行っている時代です。

そんな時代に〝安定〟をもたらしてくれるのは、会社ではなく自分自身の市場価値なんです。

では、市場価値の高い人というのは、どういう人なのか。

市場価値が高く、どこに行っても通用する人とそうでない人の違いは、上司を見て働いているか、マーケットを見て働いているかの違いなんです。

目の前のお客さんや、世間のニーズに目を向けて働いている人と、上司の顔色を伺いながら嫌われないようにと働いている人とでは、市場価値が全く違ってくるんです。

たしかにお客さんの声や、世間のニーズというのはわかりにくいですし、上司の声というのは、すぐ耳に入ってきます。

口うるさい上司がいればその影響も受けてしまうでしょうし、逆らえば社内で摩擦が起きてしまうのも事実だと思います。

だから、「評価が下がらないように」「嫌われないように」と、上司を見て働いている人も多いのだと思います。

ですが、それだと市場価値は高める事はできないうえに、一生自分の上司の顔色を伺いながら働き続けなければいけなくなるんです。

そうならないためにも、市場やお客さんの課題を解決できるように、上司ではなく、マーケットに目を向けなければいけないんです。

自分の市場価値の測り方

そのうえで、まずは自分の市場価値がどれぐらいなのかを知る必要があるんです。

自分の市場価値を測る方法は、「技術資産」「人的資産」「業界の生産性」の3つで決まります。

技術資産

「技術資産」というのは、どんな会社からも必要とされる、高い技術力を持った人のことをいいます。

もう少し解像度を上げると、技術資産は「専門性」と「経験」でできているんです。

「専門性」というのは、営業や弁護士、デザイナーやエンジニアといった、職種のことです。

その専門性に、「経験」を掛け合わせたのが、技術資産になります。

例えば、法人営業という専門性と、法人営業を5年やりながら、事業部長も経験したという、ふたつを合わせて自分の技術資産になるということです。


人的資産

「人的資産」というのは、どんな人とも仲良くなれる人や、周りから可愛がられる力を持った人のことをいいます。

例えば、そこまで仕事ができるわけじゃないんだけど、やたらと顔が広くて、人間関係だけで仕事を持ってきてしまうような人です。

要するに、簡単に言ってしまうと、人的資産というのは「人脈」のことです。

人的資産というのは、なかなか目に見えづらいんですが、なんだかんだで人間というのは、好き嫌いで物事を判断してしまう生き物なので、「あなたが言うなら」「あなたになら」という理由で、仕事をくれる人も多いんです。

そうした人的資産が多い人というのは、仮に仕事を辞めてしまったとしても、変わらずに仕事をくれる人が多くなるんです。


業界の生産性

業界の生産性というのは、いま自分がいる業界が、儲かっているかどうかということです。

自分は今、成長産業にいるのか、衰退産業にいるのかで、給料の期待値というのは大きく変わってくるんです。

要するに、市場価値というのは、業界の生産性に最も大きく影響を受けてしまうんです。

もう少し分かりやすく言うと、「技術資産」や「人的資産」という自分の能力とは別に、所属する業界によって、市場価値というのは大きく左右されてしまうということです。

つまり、自分がどの業界にいるのかが、非常に重要であるということです。

衰退している業界にいたとしたら、どれだけ技術資産や人的資産が高くても、市場価値というのは絶対に高くならないんです。

酷な話ですが、給料の高い低いというのは、できる人間かどうかというより、その業界の生産性、つまり、その業界が儲かっているかどうかで、ほぼ決まってしまうんです。

例えば、金融業界やコンサルタント業界のように、給料が高い会社もあれば、ウェディング業界や飲食業界のように、給料の低い会社もあるんです。

要するに、儲かっている業界や、急成長している業界に所属できるかどうかで、給料と言うのは左右されてしまうんです。

では、どうやって伸びている業界を見つければいいのか。


伸びる業界の見つけ方

まず初めに知っておかなければいけないのは、転職する業界にもAランクとSランクがあるということです。

Aランク業界というのは、自動車業界や通信業界のように、誰もが良いと気づいていて、すでにたくさんの企業が参入している、成熟した業界のことです。

いわゆるレッドオーシャンと言われる業界です。

この業界に身を置いた場合、すでに優秀な人たちが山のようにいるので、言ってしまえば100万人の中で、1番を目指すようなものなんです。

一方で、Sランク業界というのは、業界としてはAランク業界よりも小さいのですが、これから成長していく業界のことです。

一般的にブルーオーシャンと言われるのがこの業界のことです。

この業界はAランク業界が100万人の中で1番を目指すのに対し、いずれ100万人が参加するゲームに、1番乗りするようなものです。

例えば、今ならクラウドやIOT、web3.0やメタバース、ブロックチェーンやDAOといった、業界になるのではないでしょうか。

そのうえで、業界を見つける方法は二つです。


複数のベンチャーが参入しているか

まずは、複数のベンチャー企業が参入していて、そのベンチャー企業が伸びているかどうかが重要になります。

ベンチャー企業というのは、資本でも人数でも大企業に勝てないので、世界の流れを読んでスピーディーに対応して勝つしかないんです。

そうやって、伸びているベンチャー企業がたくさんいる業界というのは、今後伸びていく可能性が非常に高いんです。

具体的な調べ方としては、転職サイトで「〇〇業界 ベンチャー」で調べて、比較的、設立年度が若い会社がたくさんあって、投資も集まっていれば、伸びているマーケットに人とお金が集まっているという証拠になります。


既存業界の非効率をつく

2つ目が既存業界の非効率をついているかどうかです。

どういうことかと言うと、本書の例がわかりやすいので紹介させてもらうと、

例えば、学校の先生には申し訳ないんですが、これだけインターネットが普及してる時代に、学校の先生が1日に何度も同じ授業を繰り返しているというのは非効率じゃないですか。

こうしたやり方というのは、30年以上前からほとんど変わっていないんです。

その非効率をついてきたのが、先生に渾身の授業を一回やってもらい、それをアプリで配信して学生がいつでも見られるようにしている、教育×テクノロジーのedtech(エドテック)企業ではないでしょうか。

こうした非効率をつくビジネスというのは、大きなお金が動く可能性があるんです。

みなさんもぜひ、今後伸びていく業界に目を向けてみてはどうでしょうか。

と言うことで、今回は北野唯我さんの『転職の思考法』をご紹介させていただきました。

私は働くというのは〝自分の人生を豊かにする〟ための、手段でしかないと思っています。

終身雇用が崩壊し、会社で働くことが安定とは言えなくなった今、好きでもない仕事に、自分の命とも言える〝時間〟を削って長時間労働をしたり、居心地の悪い環境で、我慢しながら会社にしがみつくのは、人生の幸せとは真逆の方向を向いているのではないかなと思います。

法王ダライ・ラマの言葉に「人はお金を稼ぐために健康を犠牲にし、健康を取り戻すためにお金を犠牲にする」という言葉があります。

人は幸せを手に入れるために、お金を稼ごうとしますが、お金を稼ぐために、幸せを犠牲にしてしまっているのではないでしょうか。

本書には、まだまだ今回ご紹介できていない、働くすべての人が、知っておくべきことが、たくさん書かれているので、本書をぜひとって手に取って、人生のキャリアプランを見直すきっかけにしてみてはどうでしょうか。

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今回は以上です

最後まで読んでいただき、ありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書会のヒデでした

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