ユヴァル・ノア・ハラリ著|サピエンス全史(前編)
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今回は河出書房新社さんから2016年9月30日に出版された、ユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史』をご紹介したいと思います。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
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それでは本題です。
みなさん、私たちホモ・サピエンスは「嘘」に生かされた人類種であることをご存知ですか。
本書は、私たちホモ・サピエンスが、他の人類種を滅ぼし、どんな発展を遂げ、どのように文明を築いてきたのか。
それを紐解く鍵が「虚構」。
つまり「嘘」にあると言うところから始まるんです。
めちゃくちゃ面白くないですか。
わずか600万年前に類人猿のメスが二頭いたんですが、そのうちの一頭はあらゆるチンパンジーの祖先となって、もう一頭が私たちの祖先となって、私たちホモ・サピエンスが誕生するんです。
学校の授業とかでも目にしたことがあると思うんですが、チンパンジーが原始人になって、どんどん人型に進化していく系統図みたいのを見たことがあると思うんですよ。
チンパンジーからクロマニヨン人になって、ネアンデルタール人になって、今の私たちと同じような姿になって、と言う系統図を一度は目にしたことがあると思うんですよ。
ですが、この系統図自体が誤りなんです。間違ってるんです。
この系統図を見ると、どんどん進化していって、最後に私たちの姿になったと言うように、思われるかもしれないんですが、実は、私たちホモ・サピエンスの他にも、ネアンデルタール人やホモ・エレクトス、ホモ・デニソワなど、多くの人類種が、同時に存在していたんですよ。
その中でも特にネアンデルタール人は、他の人類種に比べて、筋肉が発達し、大きな脳を持っていて、寒さにもうまく適応したんです。
さらに、道具と火を使い、狩りが上手で、病人や虚弱な仲間の面倒を見る人類種だったんです。
そんなネアンデルタール人を含め、他の人類種を私たちホモ・サピエンスが絶滅に追い込んだんです。
ではなぜ、力でも知能でも圧倒的に劣っていた私たちホモ・サピエンスが、どうやって他の人類種を滅ぼし、世界を征服できたのか。
他の人類種はなぜ、私たちホモ・サピエンスの猛攻撃を防ぐことができなかったのか。
その鍵が、先ほどお話しした「虚構」にあるんです。
本書の主な構成は、「認知革命」「農業革命」「科学革命」と言う、大きく分けて3部構成になっていて、上下巻合わせて500ページ以上ある、めちゃくちゃボリュームのある本なんですが、怒られる覚悟で私が、ぎゅっとまとめて解説したいんですが、それでも長くなりそうなので、今日と明日で前編と後編に分けて、解説していきたいと思います。
認知革命
太古のサピエンスは、外見も今の私たちにそっくりで、脳も同じ位の大きさだったんです。
ですが、他の人類史に比べて、これといった強みも持っておらず、特に道具も作ることもなく、目立った偉業というのは何一つ達成してこなかったんです。
先程のネアンデルタール人と比べても、圧倒的に私たちホモ・サピエンスの方が弱かったんですよ。
要するに、私たちは他の人類種に比べて、学習や記憶や意思疎通の能力とか、そういった認知能力も格段に劣っていたんです。
ですが、ある時からホモ・サピエンスは、舟やランプ、弓矢や針というものを発明していったんです。
それまで他の人類種にはなかった、前例のない偉業とも言えるんです。
こうした偉業は、私たちサピエンスの認知能力に起こった、革命の産物だと考えられているんです。
さらにホモ・サピエンスは、「シュターデルのライオン人間」という、体が人間で顔がライオンという、木の彫刻を作っていたことが明らかになってるんです。
これは、ホモ・サピエンスが、非常に繊細で、高い知能を持ち、新しい思考と意思疎通の方法を持っていたことを表しているんです。
これを「認知革命」といいます。
そこから私たちホモ・サピエンスは、言語が発達していくんですが、その言語の特徴は、全く存在していないものについての情報を伝達する能力なんです。
要するに、見たことも、触れたことも、匂いをかいだこともない、ありとあらゆる種類の存在について話すことができたんです。
他の人類種は、自分が目で見たものや、自分が直接触れたもの、自分が匂いをかいだもの、そういった自分が経験したことについてしか、話すことができなかったんですが、ホモ・サピエンスだけは違ったんです。
つまり、ホモ・サピエンスは虚構(フィクション、嘘)で話をすることができたんです。
この虚構で話をできる言語の発達によって、伝説や神話、神々や宗教と言うものが、認知革命に伴って初めて現れたんです。
ではなぜ、「虚構」すなわち架空の物事について語る能力が、私たちホモ・サピエンスが生き残ったカギになるのか。
それは、虚構のおかげで私たちは、物事を想像するだけでなく、それを集団でできるようになったからなんです。
この虚構のおかげで、ホモ・サピエンスはより大きくて安定した集団を形成することができたんです。
例えば実際に、今の時代でも、宗教やいわゆる不良のグループでも、実際にその教祖がどれぐらいすごい力を持っている人なのか、見たことなかったり、不良のグループのトップが、どれぐらい強い人なのか、自分の目では見たことなかったとしても、そのグループに属して、それを信じていることがあるじゃないですか。
本来なら、社会学の研究から、集団の自然な大きさの限界値というのがあるんですが、その限界値がおよそ150人であることが明らかになってるんです。
要するに、人間の組織の規模には、150人と言う数字がおよその限界値として当てはまるんです。
その限界値以下であれば、集団というのはうまくいくんですが、150人と言う限界値を超えると、物事はうまく進まなくなってしまうんです。
ですが、私たちホモ・サピエンスは、その社会学限界値をゆうに超えて、何万もの住人が住む都市や国を築いたきたわけじゃないですか。
その秘密が「虚構」にあるんです。
つまり、ホモ・サピエンスは膨大な数の見知らぬ人どうしでも、共通の神話を信じることによって、みんなで協力することができたんです。
その証拠に、他の人類種の行動パターンというのが、何万年間も変わらずにいたのに対して、私たちホモ・サピエンスは、社会構造や対人関係の性質から、経済活動まで、その他多くの行動を10年、あるいは20年のうちに一気に変化させることができたんです。
これこそがホモ・サピエンスの成功のカギだったんです。
ネアンデルタール人に対しても、1対1で戦闘をしたら、ネアンデルタール人が勝っていたでしょうが、集団での争いでは、協力関係を気づけなかったネアンデルタール人には、全く勝ち目がなかったんです。
私たちホモ・サピエンス以外の人類種は、虚構を創作する能力を持たなかったので、大人数が効果的に協力することができずに、急速に変化していく問題に対して、行動を適用させることができなかったんです。
こうしてホモ・サピエンスは虚構と集団によって、どんどん発展していき、類稀な創意工夫の能力によって、武器や衣類もどんどん進化していくんです。
そして狩猟の腕を磨き、他の人類種だけにとどまらず、動物などのあらゆる種を絶滅に追いやっていくんです。
人類が誕生して、今までの歴史を振り返れば、そのほとんどが、狩猟採集民だったんです。
そして長い狩猟採集民時代が終わって、農耕民族になっていくんですがそれは明日の後編でお話ししたいと思います
今回は以上になります
最後まで読んでいただき、ありがとうございます
明日の後編も楽しみにしていてください
それでは素敵な1日を
読書家のヒデでした
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