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「あの子は貴族」と地方出身者による僻み
あの子は貴族
主演 門脇麦、水原希子 監督脚本 岨手由貴子
少し前、東京に緊急事態宣言が発出さられる前
東京は有楽町で見てきました。
あらすじはググればいくらでも出るので割愛。
映画はシンプルで静かで、とても面白かったです。
以下、ネタバレなし感想です。
ちなみに、これを書いている私は静岡の、これからトヨタの手によりウーブンシティへと変貌を遂げるらしい田舎の市(市内にキャンプ場やサファリパークがある)出身で、大学進学とともに上京した組です。幸いキャバクラで働くほど困らなかったけど、多額の奨学金と親戚からの借金でやっと大学を卒業できたレベルの女です。
これを踏まえてください。
要は。私は。どうしても、「貴族」を僻む気持ちがでてしまうのです。
仕事をしなくても、東京で人並み以上の暮らしができる。結婚相手だって、周囲が懸命に探してくれる。お金の心配を一生しなくてよい。
うらやましい。
私も東京でタクシー移動する人生になりたかった。
もちろん、「貴族」側の苦悩もあります。
でも人生の悲劇って二つしかなくて、それは「金のない悲劇」と「金のある悲劇」(NHKドラマ「ハゲタカ」より)
金のない悲劇は、金のない者と金がある者どちらも体感する可能性があるが
金のある悲劇は、金のない者は一生無縁。金のある悲劇、感じてみたいよ(笑)
この映画の主人公たちは私みたいな卑しい人間ではなく、心がまっすぐです。
そこがこの映画の美しさであり、品の良さだと思いました。女同士、変に結託することもなく無駄に争うこともない。わきまえている大人。
結局のところ、ヒトはヒト。そのことがちゃんとみんな分かっている。それがとてもいいなって。
地方出身者から見る東京は、とてもきれい。
私も東京の養分にされているってわかっている。
でも東京が好きだな、東京は懐が深いな。かっこいいな。
鑑賞後、なんだか前向きになりました。
すぐには観られないかもしれませんが、是非。おすすめです。