第77回 『オデュッセイア』10歌(後その2)
魔女の言い付け通り筏で海に出たオデュッセウスとその一行。
島を出る時魔女は言った。
「冥府の地へ行くにはただ帆を張って進めば良い」
で、ただ進む筏。
筏はオケアイノスの流れを超え、ペルポセネイアを祀る森〜柳の立ち並ぶ場所〜オケアノスの流れの岸とか言うわけわからんとこに筏を挙げる。つまり海ではなく川だったみたい。皮をぐんぐん上がって行ったのかな。さすが冥界(?)、川を上るのに、ただ風に煽られるだけで行けるとは。
次、「焔の川」と「憎しみの川」の支流「嘆きの川」に出て、でアケロン川に続いて…、ってなんかややこしいのなんのってイライラしてくる。川なんか1本でええやん。
余談だが、ここの件読んでたら突然映画『地獄の黙示録』を思い出してしまった。カーツ大佐暗殺の指令を受け、ジャングルの奥の奥ヌング川を上るウイラード大尉を乗せた船、その地獄めぐり。あれには元ネタがあった。ジョセフ・コンラッド著『闇の奥』。象牙商人クルツを追ってジャングルの奥へ入っていく船乗りマーロウ。
ひょっとしてひょっとすると、このふた作品の元ネタは「オデュッセウスの冥界巡り」だったりして? ありえなくもない。
続く。
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