第74回 『オデュッセイア』６〜９歌＆『ユリシーズ』第５話『食蓮人』総括
『オデュッセイア』６〜９歌。
やっとカリュプソの過保護から解放されたオデュッセウスだったが、大海原で待ち構えていたポセイドンにいきなり筏を壊される。
やっとの思いで流れ着いたのは、バイエケス人が住むスケリア島。
浜辺で出会った王女ナウシカに、アルキノオス王の城に招かれる。
城では、御馳走を腹一杯振る舞われ、詩人の歌を聞き、
スポーツ大会にて、腕前を披露したり、
何気に正体をバラしてしまう。
そして、これまでの長い旅程をみんなに語って聞かせるオデュッセウス。
ロートパコイ人たちの住む島では、部下たちが、そこの咲いている蓮を食べたところ、忽ち彼らはヘロヘロラリパッパの陶酔状態、帰郷の目的も現実も忘れて快楽に耽る。
オデュはそいつらを無理矢理船に乗せ、早々に島を去る。
次にたどり着いたのは、一つ目巨人キュクロプスが住む島だった。そうとは知らず家畜やら畑を荒らしたオデュ一行は、報復として部下を数名食べられ、逃げ道も塞がれる。
「ちっこいの。お前はなんて名前だ？」
オデュはトンチで巨人を騙す。
「私の名前は”誰でもない”と言います。
巨人を美酒で眠らせ、一つ目に槍を突き刺す。
そして急いで船に飛び乗り出帆。ついでに名を叫ぶ。
「俺様はイタケーの王、オデュッセウスだぁ！」
「そうかオデュッセウスだな。俺の親父は海神ポセイドンだぞ！ この借りはたっぷり返してもらうからな」
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『ユリシーズ』第５話『食蓮人』
午前10時、ダブリン。
ブルーム一人お買い物。
商店街とかぶらぶら。途中、タバコを吸う少年と、昼間から酒場に入り浸る男を見かける。
とある紅茶店の前で足を止める。
”こういうの作ってる国ってのんびりしてて楽しいんだろうなぁ”、と思う。
”寝てばっかで一年の半分ぐらいしか働かないんだろうな。いいなぁ”
としみじみ思う。
そして1番の目当てだった郵便局に到着。
文通相手、マーサから届いた手紙を受け取る。
外へ出ると友人のマッコイに出くわす。くだらん雑談でイライラ。前方に見知らぬ女性を確認する。もう少しで綺麗な足を拝めると思ったら、急に来た路面電車が視線を遮る。
やっと解放され、路地に入って手紙を読む。この後、自宅で行われるであろう妻の不貞を思いながら、文通相手との妄想だけ楽しむブルーム。
教会に立ち寄り、ミサの様子を見物する。神に救いを求める信者たちを哀れに見つめる。
次は薬局で化粧水を買う。
外へ出ると、今度は賭博師知人のライアンズに捕まる。さっさと追っ払おうと「いらないから持ってけ」と新聞を渡そうとすると、「よし、”いらない”に賭けてみるよ」と”いらない”を競馬馬の名前と勘違いしたライアンズは立ち去る。
葬式参列前に風呂屋でさっぱりする。
食蓮＝人間の欲。
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