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上に果て無し、下に底無し
イラストを描き続けている。デジタルで描き始めて約3年、コンスタントに描くようになって約2年、iPad Proを手に入れて週1回以上は描くようになって約1年。去年、今年の目標を「週一回はクリエイティブな活動をする」としているのでとりあえず絵を描き続けていれば達成できるし。しかしそこまで画力の成長を実感していない。
子供の頃、お絵描きばっかりやっていた時期があるので、昔取った杵柄的なもので、ある程度のメソッドは頭に入っているから元から人並以上には絵を描くスキルを持ってはいるのだが、体系的に技術を学ぼうとしない。だからあまり伸びない。
一応は常に何かしら課題を持って描こうとはするのだが、基本的に試行錯誤の我流でなんとかしようとしてしまう。必要ならば何かしら調べたりして取り組むのだが、可能ならば何事も己のナチュラルパワーで済ませたいと思ってしまっている。根が勉強嫌いで練習嫌いな面倒臭がりなのだ。
よくエロイラストを描けば画力が向上するとは言う。本当にエロい絵を描くためには人体を解剖学的に理解したり服のシワや光を物理的に理解した上でデッサン、そしてイラストとしてデフォルメするので、それを実現する画力が必要になる。
イラストは大体はけもフレの二次創作を描いているのだが、けもフレは見たくない、見てはいけない人の目に入らないように配慮すればR18を描いていいというかなり緩い二次創作のガイドラインを公式が提示している。
色んな理由で扱いが難しく禁止しているエヴァやウマ娘とかと違って。が、描きたいと思わない。別にいい子ぶっているとかじゃないのだが、女性器も男性器も見たり描いたりしたくないのだ。H.R.ギーガー的な作風でもないし。性欲も普通にあるが、満たしたいと思ったら自分で絵を描くより手っ取り早い手段なんて幾らでもあるし。自分にとって絵はリビドーを注ぐものじゃないのだ。
だからせっかく公式的に許されている美少女コンテンツで二次創作しているのになんかもったいねえなあとも思う。エロ描いた方が沢山閲覧されるだろうし。
そんな感じで緩く絵を描いているが、やっぱり画力は向上させたいとは思っている。でも学ぼうとするモチベーションが足りてない。伸びしろはまだあるだろうが、どこかで自分の能力の限界を感じているような気がする。
一方で成長するとは自分の可能性の有無を知ることでもあると思う。
機械音痴で紙とペンだけでジャンプで連載していた漫画家がデジタル作画を覚えようとするルポ漫画。実際に作画をしてかつて描いた原稿を再現する。
はじめてのデジタル作画で1ページ約15時間。これを聞いてどう思うだろうか?
私はプロって凄いと思う。ルポ漫画としてのオチをつけるのと作者の謙遜もあるだろうが、デジタル作画の経験なしで今までと遜色ない出来のものを仕上げるのは並の人間じゃ出来ない。もちろんそれじゃ連載出来るペースではないが、ハイエンドな機材を使っているのを差し引いても、アシスタントなしでツールの使い方がわからないから縁取りを手作業でやっているわけだし。作者は美大出身でメジャー商業誌で3度の連載経験を持つのだから間違いなく才能があるのは確かだし。
でも絵の描かない人からしたらこの描写はどう映るのだろう?
漫画家の人が原稿1ページを2時間半かけてるのを、同業者は「はや~」と思ってたのに、一般の方々が「こんなに時間かけてるんだー」とコメントしてた話。漫画描いたことなければわかんないよね…。私も音楽作ってる人が一曲どれぐらいかけて作るのかとか見当もつかないし…。
— 後藤羽矢子 (@hayakogoto) May 13, 2021
時間の感覚に関して逆の意識になるのだが、万人が出来るわけではない、あるいは経験したことがない特殊なスキルって全く素養がない人にとって何が凄いという根本の理由がわからない、認識がずれてしまうのだと思う。
自分はイラストを描く時は大体1~6時間掛けている。それ以上の短縮は練度として難しいし、それ以上長くなるとモチベーションが保てない。原稿1枚を2時間半で仕上げるのも15時間で仕上げるのもそれぞれが相応に凄いのだ。
無知の知とは言うが、知識や技術を学ぶ程に自分がどれだけ未熟なのかがわかってしまう。だから何もわかっていない奴ほど知識や技術をひけらかそうとする。いわゆるダニング=クルーガー効果。自分が年を取ってそれなりの経験をしてきたのもあるが、ネット記事やらSNSやら明らかに精神年齢や知識量やリテラシーが自分より低いと感じてしまう投稿が目に付くようになってきた。自分が人より優れているとは思わないが、ちゃんと学ぶべき姿勢を持たないまま得意な気になる人間はいるのだ。そういうのを見て自戒しなけりゃなあと思う。
でもどの分野でも自分より才能ある人間は幾らでもいて、やっぱり自分の能力の限界がチラつく。
どこにいようが見上げればに果てが無いし、見下せば底が無い。それでもひたむきに学んで進むしかないんだろうなあ。そうしなきゃ何かしらのスペシャリストにはなれないんだろうなあ、何事も、当たり前なんだけど。