「ふたりはともだち」を読んで思う ゆっくり行くこと の大切さ〜その2〜
その1はこちら。https://note.com/r078ac/n/nfa0e6038959e
まだお読みでない方はぜひこちらを読んで頂きたいです。
手紙が来ないと悲しい顔をするがまくんにお手紙を書いたかえるくん。急いで自分の家に行き手紙を書きます。がまくんの家に戻ってからも今か今かと自分が書いた手紙が届くのを待っていました。少しでも早くがまくんに手紙を届けたかったのでしょう。
さてさてその大事なお手紙、一体誰に渡したのか。
スズメバチさんならすぐに届けてくれそうですね。ちょうちょさんだともう少し時間がかかりそう。
かえるくんがお手紙を渡したのは······
カタツムリさん!!
ええっ!!(笑)カタツムリといえば動きがゆっくりなことでは知らない人がいないくらい。そんなカタツムリにお手紙の配達を頼んだら一体いつ届くことになるのやら。
でも、
『「まかせてくれよ。」かたつむりが いいました。「すぐやるぜ。」』※1
江戸っ子さながら頼もしいカタツムリです。そう言ってくれるなら大丈夫かな。
がまくんのお家からかえるくんのお家はそんなに遠くないみたいです。かえるくんならすぐに行って帰ってこれる距離みたいですね。
カタツムリさん、お手紙を届けるのにどれくらいかかったでしょうか?
その日のうちに届いたかな?次の日の朝には間に合った?がまくんのもとにお手紙が届いたのは······
4日たってから!!
「すぐやるぜ」って言ったじゃん!(笑)
そんなに長い間待たされちゃってかわいそう···と思いますか?僕はカタツムリさんがお手紙を届けるのに4日もかかったおかげで、二人はとっても幸せでいられたんだと思っています。
そのことに気付いた時、ほっこりと温かい気持ちになりました。
前回のあらすじでも書いたように、かえるくんはがまくんに自分がお手紙を書いたこと、お手紙の内容まで話してしまいました。お手紙が着く前にです。
『「ああ、」がまくんが いいました。「とても いい てがみだ。」それから ふたりは げんかんに でて てがみの くるのを まって いました。ふたりとも とても しあわせな きもちで そこに すわっていました。』※2
もしスズメバチさんがお手紙をその日のうちに届けていたらどうでしょう?幸せな気持ちで手紙を待つ二人の時間はあっという間に終わってしまいます。
かたつむりさんがゆっくりゆっくりお手紙を届けてくれたおかげで、お手紙を待つ幸せな時間を4日間も味わうことが出来たのです。
二人がお手紙を待った4日間を思うと僕はとても幸せな気持ちになります。
そしてゆっくり行くことで味わえる幸せも確かにあるんだなと思うのです。
みなさんも、もし時間が許すなら大切な人や自分自身にあてたプレゼント、ゆっくり届けることを選んではいかがでしょうか。かえるくんとがまくんのように幸せな時間を過ごすことができるかもしれませんよ。
そしてそして、この文章をここまで読んでくださって、このお話しを読んだことがない方が一番気がかりなこと。
それはかえるくんが書いたお手紙の内容ではないでしょうか?
それはぜひぜひこの絵本を手にとって確かめてください。
あったか〜〜〜い気持ちになること間違いなしですよ。
その1、その2と最後までお付き合いいただきありがとうございます。この文章を書く時間もまた、いい時間でした〜。
引用
※1「ふたりはともだち」(作 アーノルド·ローベル/訳 三木卓 1972年11月10日 第1刷発行 発行所 学校法人文化学園 文化出版局)57ページ
※2「ふたりはともだち」(作 アーノルド·ローベル/訳 三木卓 1972年11月10日 第1刷発行 発行所 学校法人文化学園 文化出版局)63ページ