
今週読んだ海外記事と雑感(2020.8.8)
今週もピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
有料部分はニュースへの雑感です。
Matchesfashionが新興ブランドの支援プログラムを開始
Matchesfashionが新ブランド立ち上げ支援プログラムを開始。YNAPがNetflixと組んでコンテスト型のリアリティーしょー「Next in Fashion」を開催したようにラグジュアリーECのブランド支援は3年ほど前から増加しており、EC化率が上がったことでその勢いは加速していきそう。→https://t.co/JvCOOl7TxH
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 7, 2020
個人的には常々百貨店の役割のひとつに「アクセラレーター」があると思っていて、今後はECがこの役割を担っていくのだろうなと思います。その一方で、記事の最後でMatchesfashionがブランドへの未払い問題を抱えていることにも言及しており、まずは支払サイトを健全化するところからなのではという気も
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 7, 2020
Uberのデリバリー事業規模が配車事業を超える
Uberの第二四半期決算を見ると、Uber Eatsの売上がUberの2倍以上となり、もはや「デリバリーの会社が配車もやっている」状態に(Uber Eatsの売上は約70億ドル、Uberは30億ドル)。しかし利益でみると実は配車の方が利益率がよく、EBITDAで見るとデリバリーはずっと赤字…!https://t.co/Lz3nLausoY
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 7, 2020
破産したJ.C.ペニーの売却先探しが難航中
今年5月に破産申請したJCペニーの入札価格が負債額を下回っており、身売りが難航。このまま低価格で入札が進むと債権者であるモール業者(JCペニーが出店していた施設)は差額分を請求できなくなってしまうためより高く買ってくれる引受先を探しているようですが→https://t.co/1kw3TIajS2
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 6, 2020
このご時世で百貨店に高値をつける企業はないようで、下手するとbankruptcyではなくliquidationになる可能性も。モール事業者もJCペニーの評価の大半は実店舗という資産であり、百貨店事業ではないため清算して債権を取り返す意向も?ただ5月時点で8万人以上雇用していたJCペニーは→
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 6, 2020
潰すには大きすぎるので裁判所もなんとか再建の道を支援しようと必死のようです。現在複数の百貨店がチャプター11のもと再建を計画していますが、再建できずに清算の道を選ぶ企業がでてきてもおかしくないというところに百貨店が置かれている状況の深刻さを改めて感じます。。。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 6, 2020
InstagramがTikTok風の新機能「Reels」をローンチ
FacebookがInstagramにTikTokと似た動画機能「Reels」をローンチ。実は2018年時点でブラジルからテストをはじめており、最近では政府がTikTokの利用を禁止したインドでもローンチしていたようです。ちなみにインドはTikTokのユーザー数が最大の国でした。https://t.co/mJTFRrstW0
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 6, 2020
ちなみにFBは先日の独禁法の公聴会で自分たちの優位性を維持するためにSnapchatの買収を画策していたと指摘されており、その後類似機能をローンチして成功した経緯もあるので、この新機能のローンチが独禁法の観点からもどう判断されるのかが気になるところです。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 6, 2020
TikTokの締め出しとFBが類似機能を出したことはそれぞれ別の事象とはいえ、この二つが同時期に発生したこと自体が世界中の起業家にとって「アメリカで成功すると政治的につぶされた上で現地の大企業に模倣される」というメッセージになってしまわなければいいなと思いつつ。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 6, 2020
ラルフローレンの苦境は「百貨店依存」が原因?
ラルフローレンの第一四半期売上が77%減となった内訳をみてみると、直営店が77%減、卸売が93%減となり、ECの上昇はたった3%だったとのこと。ECはもともとの規模もそう大きくないはずなので、ECの恩恵を受けられずにただ大打撃を受けただけというザ・百貨店ブランドな状況…!https://t.co/FqWusKK2Df
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
とはいえ、記事によるとラルフローレンは財政基盤が盤石みたいなのでブルックスブラザーズのように直近で破綻することはないようですが。これだけの知名度・ブランド力を持っていても、デジタル対応が遅れたら一気に破綻に向かう可能性があるのだなと改めて。。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
百貨店の終焉
アメリカではもはや「百貨店の時代は終わった」と言っても過言ではない惨状に。コロナ前の昨年夏にはほとんどの小売企業が業績が上向きだったにも関わらず、百貨店のみが悪化傾向だったとのこと。現在生き残っている百貨店も大幅な店舗削減を発表しています。https://t.co/FY9BUKwGaL
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
一方で、日本の百貨店はまだどこもなんとか持ち堪えていて、イギリスのハロッズやリバティ、フランスのボンマルシェやラファイエットあたりも多少の人員削減はニュースとして上がりつつも、破産したりはしていないのでアメリカにおける百貨店の立ち位置が変わりつつあるのかもしれないなと。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
記事にもある通り、YNAPやFarfetchといったラグジュアリーECが台頭しているのはもちろんなのですが、個人的には百貨店における「外商」の存在が生き残りに大きく寄与している気がしていて、欧州と日本はもともと封建的な身分制度からくる「御用聞き」的な役割が長く存在してきたので、→
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
外商での売り上げが下支えしていることが、アメリカほど急速な百貨店の崩壊を起こしていない理由なのかも?と思ったり。欧州の百貨店がどのくらい外商しているのか調査したことないので憶測の域を出ませんが、少なくとも日本の百貨店は外商の影響がかなり大きそう。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
TikTokと米政府の攻防が中国内でも賛否
アメリカのTikTok排除の動きが激化し、期日までに米国企業が買収しなければアメリカから締め出すと決定→Microsoftが手をあげる、となかなかカオスな感じになってきていますが、創業者が答弁において批判をかわすために「グローバル」を強調し、「中国」という言葉を→https://t.co/G3aDIGyIoP
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
あえて使わなかったことで中国内で批判が起きるというさらなるカオスな状況に。。。
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 5, 2020
ちょっと前に中国企業のトップが中国人じゃないこともあるのか!とびっくりしてたのですが、米国の締め付けが厳しくなったことで政治的な対策として米国人がトップになる必要があったのだなと納得。
Nordstromが「店舗の安全性」をアピールするためのインフルエンサー活用を開始
Nordstromが「店舗の安全性をアピールする」ためのインフルエンサーマーケティングを開始。マスク着用の義務付けや消毒液の設置などをアピールすることで来店を促進する狙い。そもそも消費マインドを刺激する施策が必要な気もしますが、→https://t.co/vbrHi7kkH3
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 4, 2020
感染防止策が講じられていることが伝わることと、何よりインフルエンサーが「久しぶりに百貨店に行った」と投稿することで、一般の顧客も投稿しやすくなるという世論対策の面もありそう。インフルエンサーからしたら、早期にこうした仕事を受けることに批判もありそうな気はしますが…!
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 4, 2020
SARSによって成長したタオバオの事例から学べること
この記事を読んで知ったけど、Alibabaがタオバオを立ち上げた2003年はちょうどSARSが流行って、今と同じように中国全体で外出が規制された年だったのか。15年以上前に今と同じように出勤が難しい状態になったにも関わらず、予定通りローンチしてECでの買い物を増やし→https://t.co/PrQsOCuigl
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 4, 2020
世界最大規模のECになったことを考えると、危機がもたらす顧客の変化にいかに対応するか、そして危機の中でもサービスを提供できる環境をいかに整えるかが大事だなと改めて…!
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 4, 2020
この記事から学べることは、まず従業員の安全を確保しながら業務ができる環境を整えればみんな顧客への→
価値提供を行なってくれるということ。当時はZoomもSlackもG suiteもない中でAlibabaがタオバオをローンチできたくらいなのだから、今のテクノロジーでできないことなんてないんじゃないかという気がしてくるな
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) August 4, 2020
今週読んだ記事の中でも特に気づきが大きかったのが↑の「SARSのタイミングでタオバオが急拡大した」という話。
この話と、冒頭のMatchesfashionのアクセラレータープログラムの話、そして百貨店時代の終焉の話を総合すると、次の小売のあり方が見えてくるように思います。
サポートからコメントをいただくのがいちばんの励みです。いつもありがとうございます!