“Being”なコミュニティができるまで
先週金曜日は、EVERY DENIM×WIRED HOTELで開催している『WIRED合宿』の同窓会でした。
私は2回目に参加する予定だったのに、直前で体調を崩し参加できなかったWIRED合宿ですが、これまで4回の開催を通して集まった30人に会えるのが楽しみで、ワクワクしながら向かいました。
普段は初対面の人が多い場所は苦手な私でも、終電の時間を忘れるくらいずっと笑いっぱなしで楽しめたのは、そもそも価値観の近い人同志が集まっているということと、主催の山脇さんとあやかさんがコネクターとしてまめまめしく立ち働いてくれたおかげだと思っています。
そして最近NewsPicksアカデミアで石川善樹さんのゼミを担当していることもあって 、このWIRED合宿同窓会はまさにBeingな場所だったな、と帰り道に考えていました。
久しぶりに会う人から声をかけられるとき、『有名になったね』『活躍してるね』と私をとりまく環境について言われることが多いものですが、今回みんなから言われたのは『さらにいい顔になった』『充実してるのがオーラでわかる』といった私そのものへの言及でした。
そのことに気づいたとき、『この人たちは私が私らしくあることを祝福してくれる仲間なんだな』と強く感じたのです。
肩書きとか何をしているかといった "Having"の価値観ではなくて、どんな思想を持っていて、何を大切にしているかという "Being"でつながる場所。
これからのコミュニティに求められているのは、そういうBeingな場所なのだと思います。
その人が幸せかどうかは何を持っているかで測れるものではなく、いかに "その人らしさ"に近づいているかという測定不能なものなのです。
『人間の探求』という本の中に、ヘルマン・ヘッセが高橋健二に送った手紙の中のこんな一節が引用されていました。
『お前はさうなるべく素質と親ゆづりのものを持って生まれたところのお前自身に実際になったか』
例えどんな立場にいても、何をしていても、その人らしさに近づいていく人生の軌跡を祝福しあうこと。
人はそれを"友人"と呼ぶのかもしれません。
また、WIRED合宿同窓会に出席してみて感じたのが、同じ価値観を小さなコミュニティを作った上で、それらを結びつける場としてのイベントの価値の大きさです。
今回のメンバーはみんな価値観が近くて集まれば盛り上がる組み合わせだったけれど、それでも急に30人が集められただけだったら、今後にも続くような連帯感は生み出せなかったと思います。
前段として6、7人ずつの1泊2日の合宿という共通言語があって、しかもそれぞれのグループのカラーがあったことでゆるやかなチーム感が醸成され、その小さなコミュニティの安心・安全をもとにそれぞれがつながれたことが、全体の結束を強くしたのではないかと思うのです。
これと同じことを2週間前に開催したNewsPicksアカデミアのゼミ卒業式でも感じていて、一気にたくさんの人をバラバラと集めるのではなく、小さなBeingのコミュニティを複数集めることが、大きなコミュニティを作る上で重要なプロセスなのかもしれません。
これからは、企業にも最大公約数的な "成功"や"美しさ"ではなく、その人らしさを引き出し、支援するようなプロダクトとコミュニティづくりが求められていくのだろうなと改めて思った夜。
今日も私は、みんながより自分らしくいられますようにと祈っています。
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