『行動』を伴う『意志』は、いかにして作られるのか
『つまらない芝居を見ると退屈する。
しかし自分が芝居に出る時にはつまらない芝居でも退屈しない。
だから幸せになりたい人は舞台に上がらなくてはならない』
アランは、幸福論の中で演劇を例に出しながら行動の重要性を説いた。
現代に目を向けてみても、人はつい芝居を『見る』ことばかりに熱中したあげく、その芝居に文句を言って自らの幸福度を下げている例は枚挙に遑がない。
その際たる例がSNSを眺めている時間だろう。
次から次へと流れてくる他人の人生をあれこれ批評している時間は、私たちにとって無駄以外の何ものでもない。
とはいえ、わかっていてもつい楽な方に流されてしまう私たちは、幸福になることよりも楽であることの方を無意識に選んでしまう。
アランは幸福になるには行動に加えて意志と努力が必要だと説いたが、そもそも行動には多大な意志の力を必要とするものだ。
自分の人生を生きること。
言葉にすれば至極シンプルなことが、いざ実行するとこの上なく難しい。
一方で、アランの幸福論に触れて思うのは、シンプルで実践的であるからこそ、安易に鵜呑みにするのは危険なのかもしれない、ということだ。
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