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日本でフルタイムで働きながら、1年半留学相当の英語力を9ヶ月で身につけるまでの軌跡

『海外のエキスパートと小売の未来について対等に議論できるようになりたい』
『海外の情報を直で取りに行けるようになりたい』
『自分の考えを世界に向けて発信できるようになりたい』

これまでずっとぼんやりしていた『夢』を『目標』に変えて、本格的に英語学習をはじめたのが昨年の9月のこと。

2、3年後に何か形になればと思ってはじめた英語を、まさか1年足らずで実践の場で生かすことになるとはまったく思っていませんでした。

▼『小売再生』著者の来日にあわせて日本のアテンド&イベントのモデレーターをしました

英語力としてはまだやっと日常会話ができるようになったレベルなのでまだまだ勉強が必要なのですが、今回いい区切りだったので私が勉強してきた方法をまとめたいと思います。

語学に近道なし

まずはじめに断っておくと、私の英語学習方法は特別なことは何もしておらず、 いたってシンプルなものです。

語学力はダイエットと同じで、短期間で身に付くものではなく、三歩進んで二歩下がりながら少しずつ伸びていくものです。

私も9月からの9ヶ月間、仕事以外の時間はほぼ英語に費やすくらいの時間投下をしてやっとここまで伸びたので、決して楽な方法を紹介するものではないという点は強調しておきます。

ただ、正しい努力の仕方を学ぶことで無駄な遠回りを回避することはできます。

このnoteを読んで、『自分も英語をがんばろう!』と思ってくださった方が少しでも遠回りせずにすむように、私なりに効果を感じた学習方法についてまとめたいと思います。

自分の英語力の低さに愕然

具体的な学習方法に入る前に、そもそもどのくらいのレベルからどれだけ伸びたの?という点を紹介します。

まず昨年時点での私の英語力ですが、まったく話せないに近い状況でした。

具体的な点数でいうと、VERSANTというスピーキングテストの点数がなんと驚異の25点(日本人平均は38点)。

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これがどのくらい低いかというと、レベルとしては最低に近く、スピーキングレベルとしては『簡単な挨拶ができる』『yes、no、excuse me、please、 thank you、sorryを使うことができる』という評価。

今日び、中学生でももうちょっとましな点数がとれるんじゃなかろうか…。

TOEICに換算すると400点以下という衝撃の点数になるのですが、大学時代には600以上の点数をとっていたし、日常的にメールで英語を使ったりしていたのでおそらく日本人の場合はTOEICで点数をとれても、VERSANTでは点が取れないという人がけっこういるのではないかと思います。

ちなみにこのテストはオンラインで受験するのですが、はじめて受けたときに何を言われているのかわからなすぎてフリーズし、何度も『マイクトラブルですか?』と表示された思い出…。すみません、私側のトラブルです。

前述の通り日頃から全く英語に触れていないわけではなかったし、学生時代も英語は得意だったのでそこそこできるんじゃないかと思っていたらこの体たらく。あまりに辛すぎて、テストが終わった後号泣しました(本当にあった怖い話)。

とはいえ、このとき感じた悔しさがその後の英語学習の継続にも生きたと思うのでそれはそれで結果オーライ。

そして9ヶ月の学習結果がこちら。

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めっちゃ伸びててウケる。

レベルとしては二段階上がり、『出来事や活動を短く簡単に説明する事ができる』『質問を聞き直したり、返答に手助けをしてもらえることが可能であれば、複雑でない追加質問に答えることができる』まで成長しました。

実際、普段オンライン英会話をしていても、先生に時々単語や言い回しを手助けしてもらいながら、ニュースへの自分の意見を伝えられるようになってきました(『よくしゃべる子ね!』と言われるくらいまで成長した笑)。

ちなみにこのVERSANTというテストは1点アップでだいたい留学一ヶ月分に相当すると言われており、2ヶ月学習しても1点も上がらないこともあるのだそうです。

特にほぼ難なくコミュニケーションできる50点以上のレベルになると数ヶ月勉強して1点上げるのがやっと、というテストなので、もとが低すぎるとはいえ10点以上伸びたことは自信につながりました。

ただ、これは私の勝手な予測なのですが、日本人はリーディングはそこそこできる人が多いため、英語自体を『理解』する地力はあるのだと思います。

しかし、日本語と発音が違いすぎるため、音だけで聞くと何を言われているのかが理解できず、さらに文法も日本語とまったく異なるためスッと言葉が出てこないことで『しゃべれない』状況になってしまっているのかなと。

なので、16点伸びたと言いつつ実際は初めの点数が低く出すぎていたのかもしれないなと思います。

つまり今話せない人でも、ある程度学生時代に点数がとれていた人であれば、短期間でこれだけ伸びる可能性があるということだと思います。

逆に、学生時代英語で苦労した人や英語を読むことが苦痛という人は、意味理解の能力も上げる必要があるので点数が上がるまで少し時間がかかるかもしれません。

このように、同じ日本人で同じ点数でも、得意不得意によって成長速度は異なるので、点数は参考程度にご覧いただければと思います。

1日3時間を英語に充てる

ではこの9ヶ月間具体的に何をやったかというと、まず1日の中で3時間を捻出するためにスケジュールの整理をしました。

英語をやろう!と思い立ったとき、まずはテキストを買ったりアプリをDLしたりしがちなのですが、教材の良し悪し以上に『実際にやること』の方がはるかに重要です。

3時間というと毎回驚かれるのですが、移動時間は完全に英語学習に充て、いつもより1時間早起きして出勤前に英語をやり、寝る前の読書タイムを半分削って英語の本を読む時間に変えるなどすれば意外と2時間は無理なくいけるので、まずは自分のスケジュールを見直してみてください。

学習初期(〜2ヶ月)

その上で、学習初期に私がやっていたのはこんな感じです。

・文法ドリル:30分
・シャドーイング:1時間
・単語(500〜600):1時間
・ラダーシリーズ読書(レベル1〜):30分
・瞬間英作文(スタンダード):1時間

英語学習において、まず英会話から入ろうとする人が多いと思うのですが、そもそもスピーキングに限らず、ライティング、リーディング、リスニングすべての基礎になるのは文法です。

私も正直なめてたのですが、いざ文法のドリルをやってみたら意外と忘れていることも多く、勉強し直したおかげで英語の記事を読んだときの理解度が上がりました。

また、リスニングについて言うと、日本人の場合は『音が聞こえていない』ために英語が聞き取れていないことがほとんどです。

これを訓練するにはひたすらシャドーイング(聞こえてきた音を自分で発音する)を繰り返すしかなく、初期はこれに一番時間をかけていました。

聞こえてきたものをそのまま繰り返すって簡単そうに思えるのですが、ネイティブの発音は単語同士がつながって聞こえるので再現するのが難しく、初期はかなり苦戦しました。

途中、何回聞いてもスクリプト通りに聞こえず、あまりに辛くて号泣しながらやった教材もありました(号泣ポイント②)。

でも苦戦しつつも続けたことで、以前は音楽のように聞こえていた英語がちゃんと単語で認識できるようになり、2ヶ月くらいでリスニング力の向上も感じました。

ちなみに耳は1日休ませると3日分元に戻ってしまうそうで、旅行や疲れて英語ができない日も、シャドーイングだけは律儀にやっていました。

個人的には、シャドーイングは歩きながらやるのにちょうどよかったのでダイエットも兼ねて行き帰りで30分ずつ歩きながらやっていました。この習慣は今も続いています。

単語はキクタンアプリをいれて、TOEIC500からはじめて、ひたすらコツコツ。憶えるにはひたすら接触回数を上げるしかないと言われたので、1回で完璧に覚えようとせず何度も何度もループしました。

初期は1時間やっていましたが、電車に乗っている時間やちょっと暇ができたときの隙間時間にちょこちょこやれるので、このために時間を作った意識はあんまりなかったかも。

そして英語の文章の意味を理解する力を上げるためにラダーシリーズという英語学習用の本も複数冊読みました。レベル1からはじめて、WPM(読了速度)が130を超えたら次のレベルへ移行していました。

最後に瞬間英作文ですが、落ち着いて考えれば伝えられる英文も、会話では一瞬で発さなければならないためにパニックになって簡単なことすら伝えられなくなってしまいます。

そこで簡単な日本語を瞬時に英語で言う、という訓練をひたすらやっていました。これも、いざやってみると意外と簡単な英語が全然でてこなくて絶望。すぐに言葉が出てくるまで、同じテキストを何周も何周もしました。

これはお風呂でやるのにちょうどよかったので、いまだにお風呂中は瞬間英作文をやっています。

こんな感じで、何かをしながら英語学習を組み込むことで場所も時間がトリガーになって『やらなきゃ』という気持ちになり、習慣化しやすい気がします。

ちなみに、学習をはじめて3ヶ月経った12月にVERSANTの点数が11点上がりました。これはシャドーイングによるリスニング力が上がったのが大きかったと思います。

学習中期(3ヶ月〜半年)

・シャドーイング:30分
・単語(600〜800):1時間
・ラダーシリーズ読書(レベル3〜)or
英文記事を読む:30分
・瞬間英作文(シャッフル):30分
・オンライン英会話:30分(←New!)

2ヶ月ほど経過したタイミングで、シャドーイングのレベルも上がってきたので30分に減らし、その分オンライン英会話の時間を作りました。

またこのオンライン英会話が辛いこと辛いこと!

瞬間英作文でそこそこ言葉が出てくるようになったと思っていたものの、いざやってみると撃沈…。『自分が思ったことを話す』ハードルの高さを痛感しました。

ちなみにオンライン英会話の初回、あまりの話せなさにまたここでも号泣しました(号泣ポイント③)。

私はDMM英会話を使ったのですが、まずは『情景描写』という教材を使って写真の状況をシンプルな英語で伝えることからはじめました。

『高いビルがたくさんあります』『男性と女性が議論しています』などシンプルな構文で伝えられるものばかりなのですが、いざやってみると瞬間英作文で身につけた英文作成力はどこへやら、頭が真っ白になって話せない…!を何度も繰り返しながら、少しずつ慣らしていきました。

当時、できれば毎日やりましょうねと言われていたのですが、話せなかったトラウマが大きすぎて自分に言い訳をしまくり、週1、2回やるのがやっと、という感じでした。

私のように苦手意識がつくと後々まで尾を引くので、そういう意味でも突然英会話から入ろうとせず、まずは自分のデータベースを作ることに注力した方がいいと思います。

そして2ヶ月くらい続けたところでだいぶ説明自体はできるようになってきたので『agree or disagree』という教材に移り、自分の意見を伝える練習に入りました。

とはいえ難しいことは表現できないので、伝えたいことをパッと英語にすることができずまたもや頭が真っ白に。細かいニュアンスの違いはさておき、自分の言いたいことを英語に変換しやすいシンプルな日本語になおす訓練もしました。

これを3ヶ月くらい続けてやっと、単語がでてこなくてもあの手この手で説明して『 ああ、○○ってことね!』とわかってもらえるくらいになりました。ボキャブラリーはいまだに課題。。。

そして途中から、ラダーシリーズだけではなく実際にネイティブ向けに書かれた英語の記事も学習に取り入れました。ただ読むだけだとわかった『つもり』になりやすいので、自分なりの考察や感想を添えて1日2本をNewsPicksにPick。これは今も続けています。

学習から約半年後の2月末に受けたVERSANTは38点で、前回から2点の伸び。もうちょっと伸びるかなと思っていたけれど、月に1点ずつ伸びただけでも御の字だなと思いました。。。

学習後期(〜現在)

・TEDICT:30分
・単語(800&990):30分
英文記事を読む:30分
・瞬間英作文(シャッフル):30分
・オンライン英会話 or ビジネス大特訓
:30分
・ライティング:30分(←New!)

そして現在は少しペースを落として、上記の6項目を中心に取捨選択したり20分ずつにしたりしてだいたい1日2時間〜2時間半くらいのペースで学習しています。

ライティング以外は毎日少なくとも15分はやろう、という感じです。

中期に課題だったオンライン英会話も、だいぶ話せるようになってくると楽しくなり、現在では毎朝やっています。

苦戦していた頃は毎日やっている人たちを尊敬の眼差しで見つめていたのですが、『話すのが楽しい』レベルになれば、あとは習慣の問題なのでそこまで難しいことではないのだなと思いました。

教材は『デイリーニュース』を使って毎日実際の記事(表現は簡単にしてあるけど)を読んで自分の意見を伝えた上で先生の国の状況などを教えてもらい、昔に比べると随分『会話』らしくなってきました。

また、以前はシャドーイングを添削してもらっていたのですが、現在は完全に自学自習しているので、TEDICTというアプリを使ってシャドーイングの代わりにリスニング力の強化をしています。

ゲーム感覚でできるのでおすすめのアプリなのですが、伊佐さんとやっている #EnglishChallenge コミュニティ内で紹介したところ一時期プチブームが起きたほど。笑

さらに、私は最終的に英語で記事を書きたいというのがひとつの目標でもあるので、並行してライティングもやっています。

英語ライティングで効果的だと言われているのが①英文を日本語訳する→②その日本語訳を再度英訳する→③もとの英文と比較して表現をチェックする、という反復学習法。

はじめは例文100題が載っているテキストを解き、今はオンライン英会話の『デイリーニュース』を教材として使っています。そのうち、普段読んでいる海外メディアを教材として使えるようになりたいな。

ライティングは大半の人には必要ないスキルではありますが、伝えたいことを翻訳しやすい日本語に一度変換する工程は英会話でも役に立ったので、余裕のある人は取り入れてみると英会話力もアップするかもしれません。

私が使った教材一覧

私の学習法としては以上なのですが、英語を勉強していると言うと毎回教材について聞かれるので、アプリやテキストについてまとめておきます。

①文法

②シャドーイング

※アプリの動画ページにある『New Dictation』から動画をDLし、『TEDICTisy』という聞こえた音を単語で並べ換えるというものを毎日やっています。
上級者は単語の綴り自体を自分で打ち込むパターンをやるのもいいかも。

③単語

④瞬間英作文

はじめはテキストでやってましたが、途中からはアプリに移行しました。青は文法ごとに別れているタイプですが、緑はシャッフルといっていろんな文法がごちゃまぜになっているタイプ。

あと最近はより実践的な言い回しを学ぶためにこれも使っています。


⑤ラダーシリーズ

Amazonでも買えるし、そこそこ大きな本屋さんなら英語学習コーナーにほぼ必ずといっていいほどの確率で置いてあります。

⑥ライティング

英語学習を通して、英語以外に得たもの

そんなこんなで、何度も号泣しながらなんとか人並みくらいのレベルになれた私ですが、これだけの時間と労力を投下して意味はあったの?と聞かれたら、『めちゃくちゃあった』と答えると思います。

Googleをはじめとした翻訳技術が向上しているとはいえ、ドラえもんのホンヤク・コンニャク並みに使えるようになるのはもっとずっと先の未来でしょうし、翻訳されるのを待たずとも自分から情報を取りに行けるアドバンテージは大きいと思います。

しかしそれ以上に、『正しい努力の仕方』を学べたこと、そして正しく努力すれば必ず結果が伴うという成功体験を得られたことが何よりの価値だったように思います。

語学に限らず、大半のことはすぐには結果がでませんし、途中で飽きて結局身につかなかったということはたくさんあると思います。

でも、ひとつのやり方を信じて時間を投下し、繰り返してやれば数ヶ月後に成長を実感することができるということ。

そして急にすべてを解決しようとせず、なるべく課題を細分化してひとつひとつ丁寧にアプローチし、その結果として総合的な能力もアップするということ。

まず計画を立てた上で実績値を日々計測し、その差分の要因を分析してアプローチすること。

自分ひとりで続かないときはコーチや仲間を見つけ、習慣化させること。

人生100年時代、社会人になっても常に勉強し続けなければならなくなっているからこそ、こうした正しい努力の仕方を学べたことは大きな財産になりました。

とはいえ何度も繰り返している通り、私もまだまだやっと3合目まできたくらいのレベルなので、ここで慢心してしまわず、これからも学習を続けていきたいと思います。

そして最後に、どうやってこれを学んだの?ということもよく聞かれるのでお伝えしておくと、私はPROGRITという英語コーチングに3ヶ月通いました(完全に自腹やで…!)。

文中でちょこちょこ『〜と言われ』と表現していた箇所は、ほぼPROGRITのコンサルタントさんに教えてもらったことです。

かなり細やかに学習計画を立てていただき、3ヶ月修了後も1年先までのプランを作ってもらったので現在もそれに沿って学習を続けています。

なかなか高額&毎週固定の時間に教室に行かなければならないというハードルはありますが、本気でやりたい人は検討してみるとよいかも。

ちなみに学習中ほぼPROGRITの話をしなかったのは、お金をもらってるわけではない上に私の英語力が上がらなかったらディスブランディングなのでは…という謎の配慮からでした。笑

ということで、英語力向上に近道はないけど正しい道はあるよ、というお話!

ちなみに2019年からやっている英語学習コミュニティでは、上記の学習方法をベースに、みんなで情報を共有しあいながらさらに英語のレベルアップを目指しています。中級以上になると学習教材が極端に減るのでおすすめを紹介しあったり、海外留学中のメンバーに各国の近況を聞いたり。
noteアカウントで英語学習にまつわる発信もしているので、ぜひのぞいてみてください。

私もまだまだ修行中の身ですが、このnoteが同じく英語を学習しているみなさまのお役に立てれば嬉しいです。

★「その後」の記事もあわせてどうぞ。

今日のおまけは、本編に関連して『英語学習者が増えている理由』についての考察をば。

---------以下有料マガジン向けコンテンツ---------

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