組織を強くするのは『仲のよさ』ではない
『仕事仲間』と『友人』の違いは、一体どこにあるのだろう。
社会人になって早10年。それぞれの違いをなんとなくは感じつつも、明確に言語化できずにいたのですが、最近『キングダム』を読む中でその2つの違いは一緒に信じるストーリーがあるかどうかなのではないか、と思うようになりました。
そして同時に、友人として仲がいいということと職業人として相性がいいということが必ずしも重ならないのは、信じる世界の方向性が異なるからかもしれない、ということも。
組織について語る際、『アットホームな職場です』という言葉に代表されるように仲の良さをアピールする風潮がありますが、仲がいいことはともすると客観的な目を曇らせることもあります。
元ロッテの里崎が『嫌われても起用されれば超一流』という話をしていたのですが、好き嫌いではなく実力で評価されることこそがプロフェッショナルとしての大前提だと私は思っています。
もちろん人間的に好意を持ち合えるに越したことはありませんが、一流になればなるほどそれぞれが培ってきた価値観が強固な分、衝突も起きやすくなるのが当たり前です。
それでも、お互いがお互いの力と『同じ信念を共有している』という点に信頼をおいていれば、必ず建設的な議論ができるはず。私はそう思っています。
逆にいえば、どんなに好きな相手でも最後の最後で『ここは信用できる』と思えるポイントがなければ、チームとしてひとつのことに一緒に取り組むのは難しいのかもしれません。
そしてそのとき重要なのは、WHYよりもWHATよりも『HOW』こそがチームメンバーとして信頼できるかどうかを見極めるポイントだということです。
以前石川善樹さんのゼミを担当していた際に『WHYは未来であり、WHATは過去。“今、ここ”を表すのはHOWだ』という話を聞き、その人のやりたいことややってきたことよりも、今この瞬間に『どんな態度で取り組んでいるか』の方が、チームメンバーとしての相性をみる上で重要なのかもしれない、と考えるようになりました。
不確定な未来はどうとでも言えるし、過去の実績もフィルター次第でどうにでも表現できるけれど、今この瞬間の態度は絶対に誤魔化せないものだからです。
だからこそ普段の仕事の中でも、やりたいことややってきたことよりも、ものごとに当たる姿勢によって、信頼は生まれるのではないかと思うのです。
仲のよさで誤魔化すことなく、信頼できる姿勢をもった仲間を集めていくこと。
いち職業人としての幸福は、『信』を大事にするところからはじまるのかもしれません。
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今日の余談は『個人の名前で仕事をする』という言葉の本質的な意味について。そんなに役立つ話ではありません。たぶん。
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