なぜ美容がトレンドになったのか?
消費トレンドや消費文化について話していると、必ずといって話題にのぼるのが「なぜこれほど美容がメイントレンドになったのか?」というテーマだ。特に男性は美容トレンドを自分ごととして追っている人が少ないからか、なぜ特定のコスメやスキンケア商品がバズり、美容インフルエンサーが増え、美容界隈が拡大しているのか、その背景について質問されることも多い。
私もいち消費者として、10年前に比べても明らかに美容分野への支出が増えた実感がある。なのでその変化の裏にある消費者心理は何なのか、この5年ほど自分自身の消費行動を通してずっと考えてきた。
スキンケア製品の高性能化と単価の上昇、ファッションの低価格化による予算配分の変化、インフルエンサーによる情報量の増加などその時々でそれらしい理由を語ってはきたものの、どの理由も間違ってはいないけれど確信ではない、という感覚を抱いてきた。複数の要因が絡み合って起きた変化だといえばそれまでではあるのだけど、その根底にあるシンプルな要因があるはず。でもそれが何なのかをうまく言語化できないもやもやを抱えたまま、定期的に思い出してはああでもないこうでもないと考えてきた。
そしてようやく、自分の中で「これかもしれない!」と腑に落ちる理由が見つかった。
そのきっかけは、「なぜユニクロは売れるのか?」の議論を目にしたことだった。
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