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「応募者プレゼント」をプロモーションに変える方法
今月の「大人MUSE」を読んでいたら、プレゼントの応募スタイルが「このページをインスタにアップ」に変わっていて驚いた。
雑誌のプレゼントページといえば、これまではがきにアンケートや希望商品を書いて郵送するのが当たり前だった。
もちろん今もほとんどすべての雑誌が同じスタイルを踏襲しているはずだ。
しかし、年賀状ですら出さない人が増えている今、わざわざ官製ハガキと切ってを購入して必要事項を記入し、ポスト投函という面倒なことをやる人がどれだけいるのだろうか。
実際の数字は知らないけれど、発行部数に対する応募者数が年々減っていたとしても不思議ではない。
しかし、この大人MUSEのやり方であれば読みながらスマホひとつで応募ができるため、応募者の絶対数が飛躍的に増えるはずだ。
雑誌からQRコードを読み取ってWebページに遷移させるのは至難の技だが、写真に撮ってインスタに上げるだけならハードルが下がる。
もともと、応募者プレゼントはアンケートを取得するのがもっとも大きな目的だったはずである。
どんなコーディネートが人気だったのか、他にどんなメディアを見ているのか、好きなブランドは何か──。
インターネットがなかった時代、応募者プレゼントを通したアンケートでのやりとりが、雑誌と読者をつなげていた。
しかし今や、読者の情報はインターネット上にいくらでも転がっている。
むしろ読者の普段の生活を知るには、インスタアカウントを見た方が情報量も多く確実である。
ただこれまでは、雑誌について投稿するインセンティブが読者側になかったため、読者のインスタアカウントを探すのは至難の技だった。
著作権の観点から誌面をアップするのが憚られるという点も、雑誌への言及が少なかった理由のひとつだろう。
しかし大人MUSEのキャンペーンのように、撮影してアップすることが公式に許可されていれば読者も安心してアップすることができる。
さらに、商品写真を撮るだけなので「大人MUSEに載ってたこのアイテムめっちゃかわいい〜!ほしい!」といった文言で投稿すればよく、傍目からキャンペーン応募だとバレる心配もない。
「大人MUSEのプレゼント企画、私はこれがほしい〜!」という文言と共にアップしてもらえれば、それを見た友人たちが大人MUSEのプレゼント企画に応募するために雑誌を買ってくれるかもしれない。
今後SNS上に大人MUSEのプレゼント企画の投稿が増えていけば、「今月のプレゼントは何があるんだろう」という動機で購入する人も増えるのではないかと思う。
こうして集まった投稿をもとに
「このブランドに応募している人はこういうライフスタイルの人が多い」
「読者の中で今こういうアイテムが流行っている」
「こんなアカウントをフォローしている人が多い」
といった情報をまとめ、広告主に情報として提供すれば、お金を積んででも応募者企画をやってほしいという企業が増えるのではないだろうか。
これまでのアンケートという目的をベースに考えるとついQRコードからWebのアンケートに飛ばしたくなってしまうが、応募のしやすさと情報量の多さという意味で、この大人MUSEの施策には唸らされた。
さらに、この「誌面を撮影して投稿」は、他にも応用可能性があるのではないかと思う。
個人的に「こういう使い方ができるのでは?」と考えたアイデアを3つ考えて見た。
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