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自己顕示欲に、どう打ち克つか
昨年の秋頃から意識していることのひとつに、「自己顕示欲に飲まれない」ということがあります。
人には承認欲求というものがあり、「いいね」と言われれば嬉しいし、批判されたら自分が傷ついたときの何倍もの力でやり返そうとしてしまいます。
特に私のように日々発信をしていると、よくも悪くも常に評価に晒されている分、より自分をよく見せてアピールしたいという方向に意識が向きがちです。
あまりPVやいいね数を意識はしていないとはいえ、普段に比べて数字が伸びないと「おや」と思うこともありますし、自分への評価が気になってしまうのは人間の性ではないかと思います。
しかし、ある程度自分の発言が人に届くようになってきた段階で自己顕示欲に飲まれてしまうと、発信の目的が徐々に「自分の宣伝」にすり替わっていく危険性が高まります。
ほとんどの人は他人よりも自分の方が大事なので、自分の話ばかりをする人からは徐々に人が離れ、より有益な情報を発信してくれる人の方に流れていってしまうのです。
自己顕示欲に飲まれてしまうと、無意識のうちに主語が「私」ばかりになっていきます。
「私がどう見られているか」を必要以上に気にしてしまうからです。
こうした自己顕示欲の罠は、意識して発信している人でなくとも、日常生活の中に張り巡らされています。
特にSNSが当たり前になった今、私たちは指先一つで簡単に自己承認欲求を満たせるようになりました。
人に羨ましがられるような体験をしてInstagramに上げる。
有名な人とTwitterでやりとりをする。
そして「いいね」の数を競い、人脈を自慢し、人と比べて一喜一憂する。
少なからず、誰もが経験のある感情ではないでしょうか。
自分が人より優れていると思いたいのは自然な感情ではありますが、意識が「自分」に向き過ぎると視野が狭くなり、正常な判断ができなくなることも多々あります。
だからこそ、「自分」ではなく「自分が見ている未来」に意識を向けることで、いい評価も悪い評価も適度に受け流す力が必要なのではないかと思います。
世の中の課題を解決するという情熱の出発点を、いつのまにか自己の栄達にすり替えてしまわないこと。
自己顕示欲の沼に落ちてしまいそうになるたびに、勝海舟のこの言葉を思い出し、「誠」を貫く覚悟を新たにしているここ最近です。
世間の人はややもすると、芳を千載に遺すとか、臭を万世に流すとかいって、それを出処進退の標準にするが、そんなけちな了見で何が出来るものか。男児世に処する。ただ誠意正心をもって現在に応ずるだけのことさ。あてにもならない後世の歴史が、狂といはうが、賊といはうが、そんな事は構ふものか。要するに、処世の秘訣は誠の一字だ。
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