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「思考の外」へのストレス耐性
リーダーの資質とされるものは多々あるけれど、最近思うのは突き詰めるとメンタルの強さがすべてなのではないかということです。
決断において最後は自分が責任をもつという胆力、批判にさらされてもめげないハートの強さ。
一般的に言われる『メンタルが強い』という言葉は、そうした有事の際の強さについて言及していることが多いのですが、なにもない凪のときこそその人の器の大きさが試されるのかもしれない、というのが最近気づいたことです。
それは簡単に言えば、人が思い通りに動かないことをどこまで許容できるかということ。
自分の想像通りの世界を作るためにメンバーを動かすのではなく、いかにメンバーの中にある思考や行動の壁を打ち破り、お互いに思ってもいなかった化学反応を起こすために、じっと待てるかどうか?
それこそが器の大きさと言えるのではないかと思うのです。
よく『組織はトップのうつわ以上に大きくならない』と言いますが、これはそのトップが考えた枠の中でしか人を動かせないからこそ起こることでもあります。
ある明確な理想があって、それを完成させるために人を動かすトップダウン型のマネジメントは、突き詰めれば最終的なボトルネックがトップの想像力になってしまうからです。
そこからもう一歩進むためには、自分の思考にはなかったものを許容し、さらにそれが起こる状況を積極的に作っていかなければならない。
なぜそんなことを考えたかというと、自分自身がこだわりの強い性格でつい口も手も出してしまいがちであることの弊害を、年を重ねるごとに身にしみて感じるようになったからです。
これは単に『自分がやったほうが早い』をなくすという話ではなく、自分が想像していなかったアウトプットが出てきたときに、自分の想像の範囲に収まっていないことへのストレスをなるべく感じることなく、フラットに良し悪しを判断するということ。
ある意味、自分の思考を絶対だと思いこまない訓練とも言えます。
私は思い込みが強いので自分の中で『これ!』と決めたことを覆されることに強いストレスを感じるのですが、自分の思考なんてもっと広い世界の前にはまったく無力なのだという謙虚な気持ちを持たねばと思うここ最近。
『強制』と『受容』のバランスに正解はありませんが、決断におけるストレスを最小限にするための心の訓練は、これからの自分にとってひとつの課題だなとふと思ったのでした。
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