「現場を知らない人間にはなるな」という教えに導かれて #えぶりツアー
もう1年半以上も前のことだけど、『創造する未来』を書いた尾原容子さんのお話を生で聞く機会があった。
『創造する未来』はいまだにいろんな人におすすめしている本で、ファッションや人がものを買うことの本質に迫りつつ具体的な事例を噛み砕いて説明しているそのバランスが絶妙だと読み返すたびに思う。
そして尾原さんご自身も豊富な経験と最先端の情報のバランスが理想的で、直接お話したことはないけれど尊敬する人の1人でもある。
イベントでお話を聞いた時たくさん学んだことはあったけれど、当時一番心に残ったのは『現場を知らないアパレル人にはなるな』という教えだった。
尾原さんが旭化成で働いていた頃、冷房もない小さな町工場で、タンクトップ一枚で機械を動かす職人さんたちの姿を目にした時のエピソードを織り込みながら、戦略を考える人ほど現場を知らなければならないと熱弁されていた姿は今でも脳裏に焼き付いている。
話を聞いた当時もファッションど真ん中で働いていたわけではないけれど、『私はまったく現場を知らないのだ』というコンプレックスにも似た危機感は、2年近くたった今も強烈に心に残っている。
特に何かを『作る』現場は、これまでほとんど自分が接してこなかった世界だ。
在庫を持つとか持たないとか、物流の最適化とかオーダーメイドの自動化とか、普段ニュースを見ているとそんな話ばかりが目に入ってくるけれど、『作る』ということの実感を持たずにここまで来てしまったなあ、と思う。
と言いつつ日頃の忙しさや、1人で行くのは難しいといったいろんな言い訳を作ってきたのだけど、フリーランスになってから嬉野の茶農家さんや有田の職人さんにお話を聞いたり、もっと身近でものを『作る』人たちも増えてきて、『作る』ということが私にとってグッと身近になってきた。
今回の #えぶりツアー は私にとって、2年近く自分の『宿題』にしてきたことのはじめの一歩でもある。
もちろん『作る』だけではなく、いろんな『売る』『体験する』『広める』の現場にもたくさん足を運びたいと思っていて、店舗メディアのコミュニティは1人だと出不精な私がいろんな現場に行くためのピアプレッシャーの役割もあったりする。
こないだストレングスファインダーの強み34個すべてを出したら見事に『実行力』がまったくなくて『戦略的思考力』だけがある、という状態で我ながら関心したのだけど、同じ『考える』にしてもやっぱり地に足つけたことを考えたいので、自分の身体感覚をちゃんと使わないといけないなと改めて思ったここ最近。
ちなみに2日目は倉敷美観地区もお散歩して、商店街や地域全体で体験をデザインするということについて考えたいなと思っている。
当日のレポートは下記のマガジンにコミュニティのみんなと綴っていく予定なので、ぜひチェックしてみてください。
新幹線に4時間も乗ってられるかだけが心配だな!(長い時間座ってられない)
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今日のおまけは、『考えることと実行することの役割分担』について。わりと個人的な話なのでたいして役に立つ話ではありません。
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