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ブランドの認知拡大は常に善であるか?

ビジネス記事を読んでいると「認知拡大は必ず目指さなければならないものである」と錯覚させられてしまうほど、より多くの人に知られるための手法が次々に紹介されている。

もちろん「知ってもらうこと」はビジネスにおいてとても重要だ。見つけてもらわなければ検討の対象にもならないし、知ってくれる人の範囲が増えればそれだけファンになってくれる人の可能性も広がる。

しかしSNSによって認知拡大のスピードが格段に上がった今、アクセルだけではなくブレーキのかけ方も習得しなければならないのではないかと感じることがある。

ちょうど3年前に書いた「バズらない力」がいまだにシェアされつづけているのは、バズることのデメリットを感じる人が増えてきたからなのではないかと思う。

安岡正篤が信条としていた「有名無力、無名有力」という言葉。今こそこの言葉の意味を捉え直すべき時期にきている。有名になることは、力を得るのではなくむしろ無力化させてしまうものなのだと。

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