今週読んだ海外記事と雑感（2020.11.8）

今週もピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。今週は木・金にしかニュースをピックできなかったので少なめですが、3本ずつピックしているので計6本紹介しています。
後半の有料部分はニュースへの雑感です。

ECを持たないPRIMARKがコロナ禍でも躍進する理由

イギリスのファストファッションブランドPRIMARKはECを持たずロックダウン中もオンライン売上ゼロだったにも関わらず、他のブランドよりも早いペースで復調してきているという話が面白い。個別配送が必要になるECは店舗の物流オペレーションとは異なり効率が悪いため、→https://t.co/sXp1jE4hmZ

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

→安さがウリであるPRIMARKは今後もECに参入するつもりはないと明言。実際、ロックダウンが終わって店舗を再開したところ多くの顧客が詰め掛け、「顧客の多くはロックダウン中もオンラインで買い物せずPRIMARKが開くのを待っていたのではないか」と、親会社であるAB FOODSの代表も語っています。

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

ECの場合は顧客負担にするにせよ価格に織り込むにせよ配送料が発生してしまうので、ECの利用率と所得はたしかに相関があるのかも。以前noteにも書いた通り、特に食品はこの傾向が強い気がします。思考停止で「とりあえずEC」と着手するのは危険性だなと改めて。https://t.co/XUyePIEH3V

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

Farfetchのアリババ、リシュモンとの提携が意味すること

Farfetchが中国にアリババとのジョイントベンチャーを設立。このタイミングでリシュモンもFarferch本体とFarfetch Chinaにそれぞれ3億ドル、2.5億ドルの出資をしており新会社の25%をアリババとリシュモンが保有するかたちに。リシュモンはライバルであるYNAPの親会社であり→https://t.co/PpNdFc0QuN

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

→Farfetchはhttps://t.co/zcxiXQ2n67と提携していましたが、このタイミングで提携を終了しアリババと組む方に舵を切った模様。ラグジュアリーECは一気にFarfetchの一人勝ちへと突き進んでいるもよう。また今回ケリングもオーナーのプライベートな投資会社から出資しており→https://t.co/a7KyF4WHlp

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

三大コングロマリットと言われながらもLVMHの規模には遠く及ばないリシュモンとケリングがFarfetchを通じて協力関係を結んだともとれるのではないかという考察も面白い。

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

YouTube×バーチャルメイクの新時代

ロレアル傘下のARスタートアップ「ModiFace」がGoogleと提携し、GoogleページとYouTubeでバーチャルメイクができるように。コロナ禍で店頭タッチアップが制限される中、バーチャルメイクの需要が高まりコンバージョンレートも上がっているとのこと。https://t.co/Wwzba6dRgS

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

具体的な利用イメージや仕組みに言及した記事が見つけられなかったのですが、YouTubeは昨年時点で別のサービスを使ってバーチャルメイク機能を導入していたようで、動画×バーチャルメイクは今後大きな流れになっていきそうです。https://t.co/hfVGIG6gqQ

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 6, 2020

ShopifyとTikTokの提携がEC業界に与えるインパクトとは

おや、いつのまにかShopifyとTikTokが提携していた…！TikTokのショッピング機能が拡充されるのはもちろん、Shopifyを使っているブランドが自社製品を使った投稿を広告として活用できるようになるかも的な話は面白そうhttps://t.co/fVCR5ZVtFF

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 5, 2020

商業施設のホリデーシーズンイベントはコロナ禍でどう変わる？

クリスマスシーズンといえばイルミネーションやイベントが商業施設内で展開される時期ですが、今年はオンラインを活用した分散型のイベントを企画するモールが増えているとのこと。QRコードを使ってサンタを見つけるゲームとか面白い。https://t.co/yISQF7AOXp

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 5, 2020

こういうゲームっぽい取り組みをきっかけに、店舗体験ももっとオンラインとオフラインが融合していくとよいなあと思ったり。「クリスマスパーティーに着ていくベストコーディネートをアップ」をシナリオに入れて試着を促したりとか。

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 5, 2020

COACHの業績から見るバッグのトレンドの変化

苦境が続くラグジュアリーブランドですが、COACHではバッグの売上がこの3ヶ月で25%伸びており、その要因としてコロナ対策用の衛生用品を持ち歩くためにバッグが大型化して単価が上がったことがあげられているのが興味深い。https://t.co/H42sLZtiwy https://t.co/H42sLZtiwy

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 5, 2020

たしかにここ数年は小型のバッグがトレンドで、アスレジャーの影響もありボディバッグを使う人も増えてきたので単価が財布と変わらなくなってきた傾向はありそう。その一方でアクセサリー的なバッグも売れているようで、近場でリラックスした服を着つつバッグで遊ぶのが大きな潮流としてありそう。

— 最所 あさみ（asami saisho） (@qzqrnl) November 5, 2020

小売のニューウェーブはセカンドステージへ入りつつある

今週はFarfetchのニュースが日本でも大々的に報じられていました。ラグジュアリーECはつい最近まで戦国時代で、この1、2年はFarfetchとYNAPの二強状態でしたが、ここにきてFarfetchが一気に覇権を握るかたちになりつつあります。ラグジュアリーは基本的にコングロマリットが投資会社としてガンガン買収をしかけていく業界なので3年ほど前から提携や投資で複雑な状況になっていましたが、子会社のライバルに出資する動きは個人的にも驚きでした。

このビッグニュースを見て改めて思ったのは、ラグジュアリーだけでなくリアルクローズの世界でもここからグループ化がはじまり、勝敗がはっきり決まるフェーズになるのだろうなということ。