カナダに行ったなら、コーヒーのお供にドーナツをほおばろう。ドーナツも楽しめる、バンクーバーのカフェ
もしも神様に願いを3つ、叶えてもらえるなら。間違いなくひとつは、「ドーナツをいくら食べても太らない身体をください」、だ。
パトロール中の警官がドーナツショップに立ち寄りドーナツを頬張る姿は、アメリカの典型的なイメージとして映画のワンシーンなどでよく使われる。
が、そんなアメリカを抜き、カナダは国民一人あたりのドーナツ消費量が世界でナンバーワンなのだ。
しかも、ドーナツ6個以上は消費税が0%になるなんてウソみたいな税率がカナダではまかり通っている。「買って店内で食べられるであろう5個まで」は消費税は外食扱いとなるので10%、「6個以上はさすがに食べられないだろう」、持ち帰ることになるため食品扱いになり0%。
Tim Hortons(ティム・ホートンズ)という、日本でいうミスタードナッツのようなカナダのドーナツチェーン店の店舗数は、スターバックスの3倍弱とはるかに多いし、マクドナルドは半分にも満たないようだ。
ドーナツを愛する国。
カナダはバンクーバーに住んで1年が経つ頃には、ドーナツラバーなカナディアンに倣い、私も、片手にドーナツを持ちコーヒーをすする様が板についてきたように思う。
コーヒートラベラーの私の視点で、コーヒーも美味しい、おすすめのバンクーバーのドーナツショップをご紹介。
49th Parallel Coffee Roasters
日々のちょっとしたご褒美に立ち寄るのが楽しみなのが、ここ、49th Parallel Coffee Roasters。
名前の通りコーヒーロースターなのだが、自社でLucky's Doughnutsというドーナツブランドを持つほど、ドーナツにも力を入れている。市内に3店舗あり、メインストリートにある店舗内でドーナツを作っている。
休前日の夕方には長蛇の列ができ、ドーナツが飛ぶように売れていく。みんな、どかっと12個くらいをボックスに入れて買うもんだから、その横でせっせとドーナツを揚げて補充しているのにもかかわらず、追いつかないくらいだ。
写真はバレンタインシーズンのレモンカスタードドーナツ。甘すぎず、ぺろりとたいらげてしまえる罪深さ。特に季節にちなんだドーナツは、見た目にもかわいらしく、いつもわくわくさせてくれる。
私は、コーヒーロースターとしてもこの店の大ファン。農園と直接契約したシングルオリジンの豆を使っており、腕のいいバリスタさんが多く在籍する。ラテは大きなカップに入って出てくるためそれだけでおなかいっぱいになってしまうので、ドーナツと一緒に飲むならカプチーノがおすすめ。
49th Pallarel Coffee Roasters
Main st. location
2902 Main St, Vancouver
Duffin's Donuts
深夜に誘惑するように光る、ネオンサインを横目に帰宅する。
バンクーバーに長く住む友達は、ここはどの飲食店も夜早く閉まるし、夜遊びできるところがなくてつまらないとぼやいていたけれど、そんな欲をちょっと満たしてくれるのが、このDuffin's Donuts。
このあたりではめずらしく24時間営業のお店で、朝も深夜もひっきりなしにお客さんが訪れる。実はこの近くに住んでいた私は、夜中にここで友達とおしゃべりするのが日々の楽しみだった。
コーヒートラベラーとしての約束をいきなり破ってしまうが、ここのコーヒーはお世辞にも美味しいとは言えない。いわゆるアメリカのダイナーで飲む、うすいアメリカンコーヒーだ。
でもそれが、チープなドーナツと相まって、最高に美味しいコーヒーになる。1ドル19セント(日本円にすると100円にもならない)とお安めなドーナツはこぶりで、コーヒーと流し込めば2つくらい、いつの間にか食べてしまえる。流行りの、ふわふわだったりもちもちするようなドーナツとは違うけれども、シンプルに美味しい。この店内のレトロな雰囲気も、なんたって気分がアガる。
そう、さらに裏切るようなことを言うと、ここはドーナツ屋さんと言うのはちょっと違うかもしれない。
看板にはダッフィンズドーナツと確かに書いてあるのだが、なんとフライドチキンを注文できるし、ハンバーガー、トルタというメキシカンフードもメニューにある。いわゆるダイナー的な立ち位置の店だ。もう30年以上も続き、長く愛されている。
バンクーバーの人たちはドーナツとフライドチキンを一緒に食べるのが定番なようだったが、それにチャレンジする勇気は、まだない。
24時間営業
所在地
1391 East 41st Avenue, Vancouver
mello
こちらは打って変わり、おめかししたドーナツだけが規則正しく並べられている。
店内のパステルイエローが目を引く。思わず写真に撮って、見てみて、と友達に自慢したくなるようなかわいさの、2019年にオープンしたmello。
見ているだけで伝わるそのふわふわさに、にたっと頬がゆるんでしまうような。愛らしく、今すぐかぶりつきたくなる。
コーヒーはバンクーバーローカルのAgro Coffee Roastersの豆を使用していて、ドーナツのショーケース越しにエスプレッソマシンでドリンクを作っている様を見られるのが、コーヒーラバーにとっては嬉しい。
melloはもともとデリバリーに対応しており、この外出自粛期間にも何度かお世話になった。全部食べるわけではなくても、たくさんの種類を買って、どれにしようかなと眺めるだけで幸福度がふくふくと上がるのがわかる。撮影後は家のオーナー家族と美味しくいただきました。
営業時間
日〜木:10:00 - 20:00
金〜土:10:00 - 21:00
Revolver
ドーナツ好きのカナディアンをあなどるなかれ。
休日の昼過ぎに行こうものならドーナツはほとんど残っていない。が、開店と同時に行くと、ショーケースに並べられていないことがほとんどなので、そうだなぁ、開店から1時間くらい経ってから行くといいかも。
最高にクールで、最高に美味しいコーヒーが飲める。私がバンクーバーで一番愛しているコーヒーショップだ。(このお店については、また違う記事でも愛を綴りたいと思う。)
Dipped Doughnuts co.というドーナツブランドがここに卸している。
半年前くらいからビーガン食(完璧なそれではないけれども)に切り替えているのだが、このいろどりみどりなドーナツはなんとすべてビーガン仕様なので、気にせず選べるのが嬉しい!こんなに美味しいドーナツが食べられるなら、ビーガンになるなんて何の問題もない。
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コーヒーとドーナツは相思相愛の、定番のカップルだ。そんなこと、とっくの昔に分かっていたけれど。ドーナツを愛する国で食べると、ちょっと特別な気もしてくる。
神様がドーナツをいくら食べても太らない身体をくれなくたって、私は、バンクーバーの街を想い、コーヒーのお供にこれからもドーナツをほおばるだろう。
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