マガジンのカバー画像

余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる…
¥800 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2022年7月の記事一覧

教えられること、教えられないこと

教えられること、教えられないこと

人間関係に「テクニック」を持ち込んでくる人に、昔から苦手意識がある。仕事の場でもプライベートでも、テクニックによってこちらの感情をコントロールしようとしているのを感じるとスーッと冷めていく自分がいる。自分が記号として消費されようとしていることに、危険を感じるからなのかもしれない。

創作は社会との緩衝材

創作は社会との緩衝材

どんな人も年をとれば丸くなる。私も御多分に洩れず、ずいぶんまるくなったものだ、と自覚することがある。もともと完璧主義でこだわりが強い性格なので、学生時代から集団行動が苦手で組織からはみ出しがちだったけれど、30を過ぎたあたりから人と何かをすることにあまり苦手意識を抱かなくなってきた。

加齢によって丸くなる理由は複数あるのだろうけど(経験を重ねてうまく対処する術を習得するとか単純にパワーがなくなっ

もっとみる
自分の人生を背負う力

自分の人生を背負う力

チェーホフの名作「かもめ」に、こんなセリフがある。

この一節を読んだ瞬間、現代を生きる私たちにこそこの物語が必要なのではないか、と強烈に感じた。