私たちはずっと同じところにはいられない、けれど。
「サインくださ〜い!」と叫ぶちびっこの声。
それに答えて近寄ってきたかと思うと、彼は突然立ち止まって耳や胸をさわりはじめた。
色紙に書く「サイン」ではなくて、試合中にチームの作戦を伝える、ボディランゲージとしての「サイン」。
サインをねだるファンの声に、そんな茶目っ気たっぷりの返答をする姿が、いまだに記憶に残っている。
川﨑宗則。
九州人ならば、誰もが大好きなスーパスターだ。
王子さまのような整った顔立ちと、しゅっとした姿。
そしてホークス不動のショートとしてチームの