いろいろな言語でシェフとチーフ
10月16日はボスの日且つ世界食料デーです。
“ボス, 上司”はフランス語で〈Chef / シェフ〉[ʃɛf]と呼び、日本語ではコックさんの意として借用語が導入され、洋風レストランの料理長の意味として用いられています。
シェフは英語で“リーダー, 長”の意の〈Chief / チーフ〉[ʧiːf]と同語源となっていて、日本語では飛行機パイロットなどの上司の意味に用いられます。
英語のチーフの派生語に〈Chieftain / チーフテン〉[ˈʧiːf.tɪn チーフティン/ˈʧiːf.tən チーフタン]があり、先住民族の“首長, 族長”を意味しています。
今回はいろいろな言語でシェフとチーフの転写・翻字を取り上げます。
いろいろな言語でシェフとチーフ
シェフは《🧑🍳》系統, チーフは《🧑✈️》系統で示しています。
ボスキャラの意としてのシェフは《🦹》系統で示しています。シェフは英語の影響で〈チェフ〉系統の発音で読まれる言語も見られます。
フランス語及び英語からの転写・翻字を示している言語もあるため、各言語の文章では英語と同一表記に置き換えられる場合があります。
【🧑🍳〈Chef〉―🧑✈️〈Chief〉】ほとんどのラテン文字使用言語
【👨🍳〈Chef〉/👩🍳〈Cheffe〉/🧑🍳〈Chef·fe〉】フランス - ノンバイナリー・性別不明・性別未公表の場合は〈-f·fe〉という風に中点U+00B7《·》を付加して示す。
【🧑🍳〈Chef〉/👨🍳〈Chefe〉/👩🍳〈Chefa〉―🦹♂️〈Chefão〉/🦹♀️〈Chefona〉】ポルトガル - 大ボスの意は〈Chefão〉[シェファウン]。
【👨🍳〈Chef〉/👩🍳〈Chefin〉】ドイツ
【👨🍳〈Chef〉/👩🍳〈Cheffe〉】ルクセンブルク
【🧑🍳〈Chefo〉―🧑✈️〈Chefo〉】イード
【🧑🍳〈Chèf〉】ハイチ
【🧑🍳〈Ch·èf〉】アルピタン
【🧑🍳〈Ĉefo〉―🧑✈️〈Ĉefo〉】エスペラント - 大天使の意は〈Ĉefanĝelo〉[チェファンヂェーロ]。
【👨🍳〈Hefe〉/👩🍳〈Hefa〉】パピアメント
【👨🍳〈Jefe〉/👩🍳〈Jefa〉】スペイン
【🧑🍳〈Séf〉―🧑✈️〈Csíf〉】ハンガリー
【🧑🍳〈Shef / 𐔜𐔇𐔉 / 𐖍𐖞𐖠〉―🧑✈️〈Çif / 𐔃𐔍𐔉 / 𐕴𐖥𐖠〉】アルバニア
【🧑🍳〈Sjef〉―🧑✈️〈Tjief〉】アフリカーンス
【👨🍳〈Szef〉/👩🍳〈Szefowa〉―👨✈️〈Czif〉/👩✈️〈Czifowa〉】ポーランド
【🧑🍳〈Šef〉―🧑✈️〈Čif〉】セルビア・クロアチア、ボスニア、スロベニア
【👨🍳〈Šefas〉/👩🍳〈Šefa〉】リトアニア
【👨🍳〈Šefs〉/👩🍳〈Šefa〉】ラトビア
【👨🍳〈Šéf〉/👩🍳〈Šéfka〉―👨✈️〈Číf〉/👩✈️〈Čífka〉】チェコ
【🧑🍳〈Șef〉/👩🍳〈Șefă〉―👨✈️〈Cif〉/👩✈️〈Cifă〉】ルーマニア、モルドバ
【🧑🍳〈Şef〉―🧑✈️〈Çif〉】トルコ、アゼルバイジャン、クリミア・タタール、ガガウズ
【🧑🍳〈Şef〉―🧑✈️〈Çîf〉】クルド
【👨🍳〈Xef〉/👩🍳〈Xefa〉】カタロニア
【👨🍳〈Xefe〉/👩🍳〈Xefa〉】ガリシア、アストゥリア
【🧑🍳〈Xeff〉―🧑✈️〈Ċif〉】マルタ
【🧑🍳〈Σεφ〉―🧑✈️〈Τσιφ〉】ギリシャ
【🧑🍳〈Шеф〉―🧑✈️〈Чиф〉】ほとんどのキリル文字使用言語 - 女性シェフ《👩🍳》の意の〈Cheffe〉に由来する〈Шефф〉は、重子音表記が存在する言語で地名表記に用いられる。
【👨🍳〈Шеф〉/👩🍳〈Шефэ〉―🧑✈️〈Чиф〉/👩✈️〈Чифэ〉】モルドバ
【🧑🍳〈Шеф〉―🧑✈️〈Шиф〉】タタール
【🧑🍳〈Шэф〉―🧑✈️〈Чиф〉】ベラルーシ、モンゴル
【🧑🍳〈Щефў〉】東干
【🧑🍳〈Շեֆ〉―🧑✈️〈Չիֆ〉】アルメニア
【🧑🍳〈შეფი / ᲨᲔᲤᲘ / Ⴘⴄⴔⴈ〉―🧑✈️〈ჩიფი / ᲩᲘᲤᲘ / Ⴙⴈⴔⴈ〉】ジョージア、メグレル
【🧑🍳〈შეჶი / ᲨᲔᲶᲘ / Ⴘⴄфⴈ〉―🧑✈️〈ჩიჶი / ᲩᲘᲶᲘ / Ⴙⴈфⴈ〉】ラズ
【👨🍳〈שעף〉/👩🍳〈שעפֿין〉―👨✈️〈טשיף〉/👩✈️〈טשיפֿין〉】イディッシュ
【👨🍳〈שף〉/👩🍳〈שפית〉―👨✈️〈צ׳יף〉/👩✈️〈צ׳יפית〉】ヘブライ
【🧑🍳〈چف〉―🧑✈️〈چيف〉】パシュトー - ユニコードコンソーシアムのCLDRでコックの絵文字名称として“チェフ”と読むシェフが登録されている。
【🧑🍳〈شاف〉―🧑✈️〈تشيف〉】アルジェ・アラビア
【🧑🍳〈شف〉―🧑✈️〈چیف〉】ペルシア
【🧑🍳〈شەف〉―🧑✈️〈چىيف〉】カザフ
【🧑🍳〈شەف〉―🧑✈️〈چٖىف〉】ボスニア
【🧑🍳〈شيف〉―🧑✈️〈تشيف〉】アラビア
【🧑🍳〈شيف〉―🧑✈️〈چيف〉】シンド
【🧑🍳〈شیف〉―🧑✈️〈چیف〉】ウルドゥー、西パンジャブ - ウルドゥー語では、フランスの地名に含まれる“Chef”[シェフ]は〈چیف〉[チェーフ]と英語“Chief”[チーフ]由来の単語と同綴異音となる。
【🧑🍳〈شیف〉―🧑✈️〈كیف〉】エジプト・アラビア
【🧑🍳〈شێف〉―🧑✈️〈چیف〉】ソラニー
【🧑🍳〈شېڧ ، شېف〉―🧑✈️〈چىڧ ، چىف〉】ウイグル
【🧑🍳〈ޝެފް〉―🧑✈️〈ޗީފް〉】ディベヒ
【🧑🍳〈ܫܦ〉―🧑✈️〈ܬܫܝܦ〉】シリア
【🧑🍳〈ܫܦ̮〉―🧑✈️〈ܟ̰ܝܦ̮〉】アッシリア現代アラム
【🧑🍳〈शॅफ〉―🧑✈️〈चीफ〉】コンカニ
【🧑🍳〈शेफ〉―🧑✈️〈चिफ〉】ネパール
【🧑🍳〈शेफ〉―🧑✈️〈चीफ〉】マラーティー
【🧑🍳〈शेफ् / 𑌶𑍇𑌫𑍍〉―🧑✈️〈चीफ् / 𑌚𑍀𑌫𑍍〉】サンスクリット
【🧑🍳〈शेफ़〉―🧑✈️〈चीफ़〉】ヒンディー
【🧑🍳〈শেফ〉―🧑✈️〈চিফ〉】ベンガル
【🧑🍳〈শেফ়〉―🧑✈️〈চিফ়〉】チッタゴン
【🧑🍳〈শ্বেফ〉―🧑✈️〈চীফ〉】アッサム
【🧑🍳〈ਸ਼ੈਫ਼〉―🧑✈️〈ਚੀਫ਼〉】パンジャブ
【🧑🍳〈𑐱𑐾𑐦 / शेफ〉―🧑✈️〈𑐔𑐶𑐦 / चिफ〉】ネワール
【🧑🍳〈ꯆꯦꯐ / চেফ〉―🧑✈️〈ꯆꯤꯐ / চিফ〉】マニプーリ
【🧑🍳〈શેફ〉―🧑✈️〈ચીફ〉】グジャラート
【🧑🍳〈𑂬𑂵𑂤 / शेफ〉―🧑✈️〈𑂒𑂲𑂤 / चीफ〉】ビハール/ボージュプリー
【🧑🍳〈𑂬𑂵𑂤𑂺 / शेफ़〉―🧑✈️〈𑂒𑂲𑂤𑂺 / चीफ़〉】アンギカ
【🧑🍳〈𑒬𑒹𑒤 / शेफ〉―🧑✈️〈𑒔𑒲𑒤 / चीफ〉】マイティリー
【🧑🍳〈𑠧𑠳𑠟𑠺 / शेफ़〉―🧑✈️〈𑠏𑠮𑠟𑠺 / चीफ़〉】ドーグリー
【🧑🍳〈𑚧𑚲𑚟𑚷 / शेफ़〉―🧑✈️〈𑚏𑚯𑚟𑚷 / चीफ़〉】カーングリー
【🧑🍳〈ଶେଫ୍ , ଶେଫ〉―🧑✈️〈ଚିଫ୍ , ଚିଫ〉】オリヤー
【🧑🍳〈ᱪᱮᱯᱷ〉―🧑✈️〈ᱪᱤᱯᱷ〉】サンタル
【🧑🍳〈செஃப் , ஷெஃப்〉―🧑✈️〈சீஃப்〉】タミル
【🧑🍳〈చెఫ్〉―🧑✈️〈చీఫ్〉】テルグ
【🧑🍳〈ಶೆಫ್〉―🧑✈️〈ಚೀಫ್〉】カンナダ
【🧑🍳〈ഷെഫ്〉―🧑✈️〈ചീഫ്〉】マラヤラム
【🧑🍳〈චෙෆ්〉―🧑✈️〈චීෆ්〉】シンハラ
【🧑🍳〈စေဖ / Cepha〉―🧑✈️〈စီဖ / Cīpha〉】パーリ
【🧑🍳〈เชฟ〉―🧑✈️〈ชีฟ〉】タイ
【🧑🍳〈ເຊຟ〉―🧑✈️〈ຊີຟ〉】ラオ
【🧑🍳〈ꦯ꦳ꦺꦥ꦳꧀ / Chéf〉―🧑✈️〈ꦕꦶꦥ꦳꧀〉】マドゥラ
【🧑🍳〈ꦱ꦳ꦺꦥ꦳꧀ / Chèf〉―🧑✈️〈ꦕꦶꦥ꦳꧀ / Chief〉】ジャワ
【🧑🍳〈ᬲᬾᬧ᭄〉―🧑✈️〈ᬘᬶᬧ᭄〉】バリ
【🧑🍳〈ᭋᬾᭈ᭄〉―🧑✈️〈ᬘᬶᭈ᭄〉】ササック
【🧑🍳〈ᮯᮦᮖ᮪〉―🧑✈️〈ᮎᮤᮖ᮪〉】スンダ
【🧑🍳〈ᨔᨐᨙᨄ〉―🧑✈️〈ᨌᨗᨄ〉】ブギス
【🧑🍳〈ꤼ꥓ꤿꥉꤶ꥓〉―🧑✈️〈ꤹꥇꤶ꥓〉】ルジャン
【🧑🍳〈ᜐ᜔ᜏᜒᜉ᜔ / Chef〉―🧑✈️〈ᜈ᜔ᜐᜒᜉ᜔ / Chief〉】タガログ/フィリピノ
【🧑🍳〈ᜰ᜴ᜬᜲᜩ᜴〉―🧑✈️〈ᜦ᜴ᜰᜲᜩ᜴〉】ハヌノオ
【🧑🍳〈謝夫 / 谢夫 / Xièfū〉】中国 - 地名に用いられる。
【🧑🍳〈謝夫 / ㄈㄨ〉】台湾華
【🧑🍳〈謝夫 / Ze⁶fu¹〉】広東
【🧑🍳〈謝夫 / Siā-hu〉】台湾
【🧑🍳〈謝夫 / Xhiáfu〉】上海
【🧑🍳〈셰프〉―🧑✈️〈치프〉】韓国 - アメリカのアニメ『サウスパーク』の登場人物“シェフ”は〈쉐프〉[スウェプ]という名称。
【🧑🍳〈シェフ / Sehu〉―🧑✈️〈チーフ / Ciihu〉】沖縄
【🧑🍳〈シェフ / Shehu〉―🧑✈️〈チフ / Cihu〉】アイヌ - 現行正書法のアコㇿイタㇰ式ローマ字では方言音及び外来語音のシャ行音[ɕ]の表記は制定されていないが、バチラー式ローマ字では日本語のヘボン式ローマ字と共通の〈SH・Sh・sh〉で表記され、十勝方言などのアイヌ・モシリ式アイヌ語仮名ではSHE《⿱ーハ》[ɕe シェ]で表す。
【🧑🍳〈ሸፍ〉―🧑✈️〈ቺፍ〉】ティグリニャ
【🧑🍳〈ሼፍ〉―🧑✈️〈ቺፍ〉】アムハラ
【🧑🍳〈ⵛⵉⴼ〉―🧑✈️〈ⵜⵛⵉⴼ〉】アマジグ
【🧑🍳〈ꗼꔱ〉―🧑✈️〈ꔿꔤꔱ〉】ヴァイ