クォックグー本来の綴りによるベトナム語外来語単語を振り返る

令和6年度のアドベントカレンダーで、ベトナム語のラテン文字正書法であるクォック・グーによる外国語表記を取り上げたのですが、独特な綴りがかなり奥深いものとなりました。

クォックグーは外来語表記のルールが結構難しいことから、会得するのは結構難しいです。
最終日となる今回は、重要な要点を取り上げます。


クォック・グーにおける外来語表記における重要なルール

-英語とフランス語のラテン文字表記でほぼ同一の綴りとなる単語は、フランス語の発音に近い綴りとなります。
-フランス語ラテン文字エス《S》が語末に来る場合、発音される場合は〈-ÉT〉[エット]という風になり、発音されない場合は母音のみで表記されます。
-基本ラテン文字《R》の子音のみに由来する発音の場合、語中は〈-ÉC〉[エック]という風になり、語末は〈-E〉[エー]という風に綴られますが、英語由来の場合は語中・語末共に《Ơ・ơ》となります。
-基本ラテン文字《L》の子音のみに由来する発音の場合、原則的に〈-N〉[ン]となりますが、英語由来では《-O》[オ]となるケースもあります。

借用語の声調に関する重要点

クォック・グーにおける英語そのままの綴りの場合、正しい声調がわからないと発音が困難のため、クォック・グーの綴りに置き換えることが重要となります。
-母音で終わる開音節及び鼻子音で終わる閉音節《-M, -N, -NG, -NH》は、第1声調すなわち母音字の上のアクセント記号無しで表記。
-子音で終わる閉音節で“破裂音”系統《-C, -CH, -P, -T》で表す入声は、基本的に第3声調記号ˊ》を付加し、連字OOC[オーク]の場合〈OÓC〉という風に2番目の《O》に第3声調記号を付加します。
-本来のラテン文字の綴りで発音しない母音の箇所で母音字を加えなければならない場合、クォック・グーでは第2声調記号ˋ》が付いた曖昧母音ヲーỜ・ờ》で表し、固有名詞の場合は通常のヲーƠ・ơ》で表します。

おわりに

クォック・グーによる外来語・借用語表記はベトナム語版『ウィキペディア』では決して表記されない暗黙のルールが見られることから、綴りの正解を探るのは結構難しいものです。
クォック・グー綴りも声調記号の有無による表記異なりも目立っていることから、入声は原則的に第3声調の確立が高いことを知っておくことが大切です。

正式なクォック・グーによる借用語・外来語表記ルールを知りたいことから、気になるものが多いです。