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こるり
2022年10月8日 11:00
あさ、目を覚ますと、年を取っていた。十二菊、二つ重ねて、二十四。 束の間の青春を無為に過ごし、瞬間的な美さえも持たず、蕾のまま枯れていく。花火のような生を語るには、輝きを知らない。 本を読むことで繕ってきた得体の知れない欺瞞は、いともたやすく、メッキのように剥がれ落ちる。剥がれ落ちるメッキさえ、偽りの金を演じることなく、錆のようにくすんでいる。身から出た錆。むしろ、錆でできた身。 悧