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#17 辰年はクイズ番組新時代の幕開け

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 2024年は辰年。登り竜とも称されるこの年に、クイズ界ではどのような出来事が起きるのか。昨年同様、『クイズ文化の社会学』(世界思想社)の巻末資料を参考に、2024年を予想します。

 そこから見えてくるキーワードは『新時代の幕開け』。そのフレーズにふさわしいクイズ番組が次々と誕生しています。
 例えば、1976(昭和51)年には、大橋巨泉司会の『クイズダービー』(MBS)がスタート。解答者を競走馬に見立て、正解する確率によって倍率が変動し、ゲストは誰が正解しているかを予想し持ち点をベットするという当時画期的なシステムが話題を呼びました。解答者には高い正解率を残し続けた漫画家のはらたいら、三択の女王の異名を持った俳優竹下景子、「教授」の愛称で親しまれた篠沢秀夫など、個性的な面々が名を連ねていました。
 同年には『クイズ・ドレミファドン』(フジテレビ)も放送がスタートしています。歌の冒頭部分、すなわちイントロだけを聴いて曲名を当てるこの番組は、イントロクイズの元祖とうたわれています。レギュラー放送自体は1988年に終了していますが、今年1月4日にもスペシャル番組が放送されるなど、番組改編期の特番として続く長寿番組です。

 1988(昭和63)年には『クイズ!年の差なんて!』(フジテレビ)がスタート。ヤングとアダルトに分かれて、相手チームの世代では常識とされる流行問題に答えて対決をします。昨年11月10日には『坂上どうぶつ王国プレゼンツ! クイズ年の差だよねSP』として一夜限りの復活を果たしています。その歳に、ヤングは令和、アダルトは昭和という、元号を用いて世代をカテゴライズするとはなかなかの残酷さを感じてしまいますが、世代間格差、いわゆるジェネレーションギャップをネタにした番組は、『ザ・ニンチドショー』、『おしょうバズTV』(どちらもテレビ朝日)に受け継がれているようにもみえます。

 20世紀最後の年の2000(平成12)年は『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ)がレギュラー放送開始が目を引きます。15問正解で賞金1000万円獲得という破格ぶりもさることながら、司会みのもんたが解答者に最終解答の意思決定を促す「ファイナルアンサー」という言葉は社会現象を巻き起こしました。

 2012(平成24)年には『くりぃむクイズミラクル9』(テレビ朝日)のレギュラー放送がスタートしています。現在も放送が続いているこの番組はくりぃむしちゅー・上田晋也がMC、有田哲平が解答者という、クイズ番組内において、お笑いコンビ間で役割が異なっているのは、当時は珍しかったのではないでしょうか。

 このように、辰年にはこれまでにはなかった新しいジャンルのクイズ番組が誕生しやすい傾向があると言えます。では、今年2024(令和6)年はどうでしょうか。1月17日時点で確定しているニュースは、3月末に『世界ふしぎ発見!』(TBS)のレギュラー放送終了に伴い、後継番組に昨年12月1日に単発特番として放送された、ハライチ・澤部佑が単独MCを務める『いくらかわかる金(かね)?』が内定していると、東京スポーツが報じています。
 その番組は独自にリサーチを行い、それを基にクイズを出題。特番で放送された内容は、
「くら寿司で満腹になるまでいくらかかる?」
「コストコで1番買った客の購入額は?」
「プロの歌手は路上ライブでいくら稼げる?」
のように、例年以上に関心の高くなっているおカネに興味がある新ファミリーコア層(4~49歳男女)をターゲットに定めた模様です。

 果たして、上記の『いくらかわかる金(かね)?』がクイズ番組界に新しい風を吹き込むのか、それともまったく違う所から嵐が巻き起こるのか、注目していきましょう。

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 参考文献・記事
『クイズ文化の社会学』石田佐恵子・小川博司編 世界思想社
『TBS「世界ふしぎ発見!」の後継にハライチ・澤部MCの“マネー番組”内定 クイズの題材を変更』1月9日 東スポWEB
 また、フジテレビのHPを参考にしました。

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