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指や唇とかは嘘を見抜くのが下手...
あなたは油絵の
甘すぎる匂いをさせながら
売れっ子画家みたい
きれいな肖像画のような
嘘ばかり描く人だから信じない
木曜金曜と、母からの電話やLINEを取らず、返すこともしませんでした。返事をしないほど、何かあったと心配するこちらの気持ちわかるかとか、緊急だったらどうするのかとか責められそうで、ますます電話ができなくなりました。
何かあったんじゃないかと不安になる気持ちは、わたしにもよくわかるのに…
今朝電話をして正直に話したら、無理しなくていいとやさしい言葉をかけてくれて、嬉しいのと、でも、またこうして寄り添っても激しく傷つけあうんだろうなとか思ってしまいます。
季節がめぐるように、やさしさと暴力もめぐる。ただのサイクルなのだと一喜一憂しない方がいいのかなとか。
人のこころも言葉も移ろいやすくて、わたしは信じるのが怖くて、なかなかできないでいます。
傷つくのが怖いんだよね。自分なんて守ろうとしなくてよくなりたいな…
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父に対するわたしの痛みも、言葉がしらじらしく感じられてしまったからかもしれません。
病院から帰宅して、しばらくした15時頃に父はお昼を食べました。私は前日に鶏手羽と砂肝のコンフィを仕込み、ソテーをして出しました。病院で疲れているだろうから、ウィスキーと楽しめたらいいなと…
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美味しいとは言っていましたが、夕飯用にソテーしたハンバーグを指さして「食べたい」と言いました。
物足りなかったのかな…もしそうなら、足らないと言わないでいたのは父の配慮かもしれません。
ですがハンバーグは煮込み用で中に火が通っていませんし、より美味しく食べてもらえるようにソースやガストリック(カラメル)を準備している最中でしたから、「料理らしい料理だ」と褒めてくれても、その言葉をわたしは信じることができなくて。
もちろん食べる人が手間をかけたものより単純に焼いたやつが好きなら、そこに寄り添うのだけど…
困ってしまうのは、言葉なんて信じなくても、あたたかくやさしく体が触れると簡単に信じてしまいそうになることなんです。
わたしの体はバカでポンコツで、嫌になるぐらい単純です。
だから、触らないで…わたしは、奥の、鍵のない部屋で、ずっと夜のその部屋で、ひとりでいれば、こころが動かなくて安全なのだから…
嘘だと嘘だと 言ってられれば
安心してられる
ロダンのトルソの
青い白さに似たインチキ
指や唇とかは嘘を見抜くのが下手
羨ましいくらいに信じる